長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

ウラシマソウ

2018年05月08日 01時51分05秒 | 近況
 地球の磁極が転換した証拠ともなるチバニアンという地層が発見された、という昨年のニュースは、隠れ地学女子には胸躍るものであった。同じ関東平野の太平洋沿岸北岸には浸食された白亜紀層があり、もう60年ほど以前、地質学を学ぶ地元I大学の学生が新種の化石を発見し、新聞にも載ったことがあった。若き日の我が父である。のちに彼は理科の教師となった。
 そんなわけで、白亜紀層の海岸に白亜紀荘という旅荘が屹立しているのは、私には懐かしい風景なのだった。
 ウラシマソウは浦島草なわけだが、浦島荘という旅籠が日本のどこかの岸壁に建っているはずでもある。
 マイティー荘が、北欧のフィヨルドのどこかの断崖の上に立っていてもほしい。

 そしてまた、昔、射爆場だった跡地が整備されて海浜公園となり、瑠璃唐草という果てしなく乙女心をくすぐる和名を持つネモフィラが栽培され、海を望む丘が一面、空色の花で覆われているらしい。昔読んだ本に、つる性の青い花が海近くの村にはびこり、村全体を覆いつくして海に沈めてしまったという話があったのを想い出す。
 あれは何の物語だったのだろう。沈みゆく村とともに沈みゆく教会の鐘の音が断末魔の響きを奏でる…という幻想的な楽曲もあったはずであるが(ドビュッシーではないように思う)……。

 ウラシマソウはテンナンショウ(天南星)と漢字で表記する仲間らしい。海も浜も植物も、南澳の暗い群青色の夜空を思うとほのぼのしみじみと懐かしい。行ったことはないから前世の記憶なのかもしれない。
 ウラシマソウを見ると、どうしても深海の生物の姿を連想する。具体的に何々という名称が挙げられないのが無念である。



 さて、4月3日、早朝の公園で見かけたウラシマソウが、



 4月22日にはこのような実を結んでいてビックリした。
 
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