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ミニコミ紙やブログに書く字句は普通の言葉で・・・

2018-10-14 10:04:51 | ボランティア

 ご近所の某ボランティア団体の広報担当として、ミニコミ紙の編集会議に出席することがあります。そこでは、誤字脱字や内容にそぐわない不適切な言葉、誤解を招く言葉などのチェックを行っています。

 折角ご依頼した原稿に少しでも手を入れさせて頂くような事は本意ではないのですが、ここは仕事と割り切っています。編集方針としては、地域住民の皆さんが気軽にボランティア活動に参加され、その働きによって恩恵を受けた人も共に喜んでおられる・・・といったような取材記事が読者に十分伝わるように推敲しております。

 推敲といえば、たとえば、ほんの一例ですが、先日、こういう言葉遣いがありました。お弁当の包み紙のことを「掛け紙」と書いてあったのですが、ちょっとそういうのは上記のボランティア活動の趣旨にそぐわないような気がいたしました。というのは、一人暮らしの高齢者の便宜を図って、わずか100円で手づくりのお弁当を毎月1回希望者宅に、心を込めて安否確認も兼ねて宅配しているのですが、そう云う場合は、ごく普通に「包み紙」とか「上掛け」といったような言葉が妥当じゃないのか?とわたしは会議で意見を申し上げたのです。

 ウィキペディアを引用すると、掛け紙とは、「贈答品などの上面あるいは前面に掛けられる紙。贈答品の場合、贈る名目、贈り主を書き入れる為の奉書などを指す。現在一般的には熨斗が掛け紙に直接印刷されるようになったため、のし紙は贈答用・進物用の掛け紙を指す意味で認識されている場合が多い。

 このボランティア団体のお弁当の場合は、贈答品として宅配しているのではありません。進物用の意味合いが強い「掛け紙」という言葉を使ってしまうと、わずか100円だけ頂いて、あと数百円はボランティア団体の方で自腹を切って調理して毎回プレゼントしているような印象を与えかねません。そうではなくて、実際は、あくまでも正味100円のお弁当の注文を受けて宅配しているだけなのです。

 ただし、よくよく筆者様からお話を聞いてみると、その包み紙は、印刷担当のボランティア諸氏が丹念に鉄道唱歌を1番から順番に99番までシリーズとして印刷し続けておられ、毎回駅名に因んだきれいな風景画を描いて背景にし、見事なデザインの「掛紙」を制作されているとのことでした。

 まあ、そういったお金に換算できないやさしい心遣いや丹精込めた印刷の技や手間を考えると、この包み紙は大変なお値打ち物なので、”掛紙”という表現でもって、その丁重で温かい心遣いを進呈する・・・という意味合いならば理解されるかな?と同意した次第です。また、そのお弁当を受け取るお年寄りが、宅配のボランティアさんに「温かい心の籠もったお弁当を届けてくださってありがとう御座います」と丁寧にお礼を言っている写真をミニコミ紙の第一面に掲載していますので、尚更、某ボランティア団体の働きが地域社会で好評であることが理解できます。

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 しかしながら、また全然違った感想を持つ住民の意見も一部にはあります。つまり、こういった本来は冠婚葬祭用の熨斗紙であるところの「掛け紙」を宅配弁当の「包み紙」に転用して表現したり、或いはまるで表彰状授与の儀式かと見違えるような熟練した宅配弁当の運転ボランティアさんの感動的な手渡しの場面の写真などを見ると、これは完璧すぎて、とてもそういったボランティアグループには直ぐには溶け込めないし、採用してもらうポストがなかなか得られないのではないか・・・とボランティア活動に参加したいのだけれども、尻込みしてしまうといったご意見もいただいています。まあ、それで、このことを団体の会長に申し上げたところ、いきなり担当するのは無理だから、しばらくは担当者の長に言ってもらって見習いでもしてもらったらどうかというお返事でした。まあ、結局、この広報誌の読者の感想というか反響としては、かなりフォローしないといけない部分もあったことは事実です。

 結論としては、出来る限り広報誌では言葉使いをやさしくして、普段よく使う日常的なことばで表現した方がいいし、写真もカメラ目線や芝居がかったポーズをとるようなのは止めて、ごく自然な活動風景の写真を掲載た方が、より多くの皆さんにボランティア活動についてご理解頂けるし、気軽に参加して貰えるのではないかと思いました。 

コメント
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