デジタル復刻版が贅沢な音響装置で甦る
1940年~1950年代のクラシック音楽のデジタルリマスター録音が、最近Refarence recordingという録音技術で復刻されて、Youtubeにアップロードされています。レコードが発売されてから既に70年以上が経過しているものも多いので、音楽著作権保護期間が切れているのか、かなり多くの楽曲がアップロードされているようです。クラシック好きの某友人が、当時発売された中古レコードを多数購入していて、これの音質と比べて復刻版は、彼の所有する贅沢な音響装置では格段に音質が向上しており、とても感激したとの事で、「試しに君も聞いてみたら?」と強く勧めてきたので、一度聞いてみる事にしました。
100円~300円のヘッドホーンでも高音質が味わえる
彼は、4年前のNEC製の15万円ぐらいのPCと1万円以上するヘッドホーンと、高級なアンプを通してこの復刻版のYoutubeの音楽を鑑賞しているとのことでした。私は、12年前に発売されたNECのVN770/C=故障して知人が廃棄したのを譲り受けたPCで、100円~300円のヘッドホーンで聞いています。300円のヘッドホーンは、見た感じは下記の写真のようにしっかりとした作りで、まるで1万円程度の製品のように見えなくもない外観ですから、別段貧しい気分になりません。聴いた感想としては、細部までデジタルリマスター版で雑音が除去された上、疑似ステレオ的に左右の音の分離が明確に施されているので、安価なヘッドホーンでも、音質は格段に優秀になっているように感じ取れました。
特にBeethovenのピアノソナタと交響曲が蘇る
ピアノの音は、たとえば、1940~1950年代の録音=ギーゼキングのBeethovenピアノソナタでは、まるで使い古した高等学校の音楽室の練習用ピアノみたいな貧弱で硬い乾いた音でしたが、まあまあ楽しめて聞ける音質には改善されています。オーケストラ曲では、たとえばメンゲルベルグの1940年代のベートーベンの交響曲全集ですが、従来のような酷いスクラッチノイズがかき消されていて、綺麗な音質に生まれ変わり、バイオリンとチェロ、ダブルベースの違い、管楽器の滑らかな音色など、そしてコンサートホールの全体の響きもある程度加わった自然な音質になっており、特に第6番「田園」の第一楽章と第5番「運命」の第四楽章に感動しました。