「ある日突然部長に呼び出されて、『申し訳ないが来月いっぱいでお願いしたい』と。リーマンショックの影響によるリストラでした。若手だったし、まさか自分がクビになるとは思っていなかったので参りましたよ」
その後は失業保険とアルバイトで食いつなぎ再就職先を探したものの、リーマン直後ということもあり、条件のいい求人はほとんどなかった。半年後、ようやく見つけた通信関係の会社に就職。無事正社員に戻れたのはよかったものの、待遇は以前の会社とは比較にならなかった。
「零細企業だったので年収は前の会社の半分以下で、手取りで200万円ほどでした。何となく予想してはいたのですが、当時は正社員の募集自体がほとんどなかったので、藁にもすがる思いで入社して……。ですがその後も給料が上がる見込みはなかったので、1年半で退職しました」
その後も正社員での転職を目指した並木さんだったが、なかなか条件に見合う企業は見つからない。
「バイトと同程度の給料で正社員をするくらいならむしろ時間通りに仕事が終わるバイトのほうがマシだ」と考え、人材派遣会社に登録し、現在は日々工事現場の搬入などをして生計を立てている。
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