台風の目
昨今、日本にも竜巻が発生する異常事態となっている。今回の東北関東大震災では、天と地が入れ替わってしまった。自然災害はとどまることを知らない。この時期、普通は梅雨前線が居坐るだけだが、今は台風も一緒にやってくるのだから堪らない。
子供の頃、私の家族は高台の1軒屋に住んでいた。木造建築のその家は、昔ながらの瓦屋根で、アルミの雨戸を開けたり閉めたりするときに、キイキイと音がし、開け閉めが難儀な家であった。
台風が来ると、停電になったり、水道が止まることがよくあった。夜になると真っ暗の中、居間にろうそくを灯し、何もできないので、家族でトランプなどで遊び、台風が過ぎるのを凌いだ。今からみれば、懐かしい思い出だ。
私は小学生の時、一度だけ台風の目を見たことがある。後にも先にも、その時だけだ。黄色い傘にランドセルを背負って雨風を凌いでいると、突然、雨がやみ日が差してきた。
うえを見ると黒い雨雲にドウナッツのような穴があいて青空が見えた。直径10メートルぐらいだったか、穴の周りには黒い雲が弱々しく旋回していた。そして一分も立たないうちに、また激しい雨風に襲われた。
大人になった今でも、不思議な光景だったと思う。
昨今、日本にも竜巻が発生する異常事態となっている。今回の東北関東大震災では、天と地が入れ替わってしまった。自然災害はとどまることを知らない。この時期、普通は梅雨前線が居坐るだけだが、今は台風も一緒にやってくるのだから堪らない。
子供の頃、私の家族は高台の1軒屋に住んでいた。木造建築のその家は、昔ながらの瓦屋根で、アルミの雨戸を開けたり閉めたりするときに、キイキイと音がし、開け閉めが難儀な家であった。
台風が来ると、停電になったり、水道が止まることがよくあった。夜になると真っ暗の中、居間にろうそくを灯し、何もできないので、家族でトランプなどで遊び、台風が過ぎるのを凌いだ。今からみれば、懐かしい思い出だ。
私は小学生の時、一度だけ台風の目を見たことがある。後にも先にも、その時だけだ。黄色い傘にランドセルを背負って雨風を凌いでいると、突然、雨がやみ日が差してきた。
うえを見ると黒い雨雲にドウナッツのような穴があいて青空が見えた。直径10メートルぐらいだったか、穴の周りには黒い雲が弱々しく旋回していた。そして一分も立たないうちに、また激しい雨風に襲われた。
大人になった今でも、不思議な光景だったと思う。