ナカナカピエロ おきらくごくらく

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

葉隠入門

2011-12-12 00:21:10 | 日記
葉隠入門

これは三島由紀夫が書いたものである。葉隠には有名な一節がある。

「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」

三島由紀夫は、多くの若者が日米安保条約に反対した全共闘の時代、天皇を神とした日本国を再び建国すべく、自衛隊にクーデターを決起を促すが、それに失敗し、自ら割腹自殺を遂げた小説家である。

私が思うに、三島由紀夫は徹底した美意識を持ち、その美意識に抗うことができなかった人間なのだと思う。彼は、二・二・六事件を起こした若き青年将校の純粋な使命感に陶酔していた。享年45歳。早熟な天才として早くから文学界の中軸にいた三島にとっては十分老いていた。だからこそ、彼は若き将校の純粋さに憧れ、取り憑かれたのである。

時代は混乱していた。日米安保条約に反対運動を起こした全共闘は哲学ばかりを語り、戦う術を知らなかった。結局、浅間山荘に立てこもり、総括と言っては、仲間を粛清していた。最後は自滅して惨めな結末を向かえる。残党はパレスチナにわたり日本赤軍となってテロ活動を行っていた。彼らは既に哲学を失い、戦う術だけを選択したのである。

私が思うにこの時代から、政治は国民にとって関心事の対象から離れたと言って良い。

「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」

我々は、一種この危険な思想に、別の意味の解釈をせざるを得なかった。自らを律する安全な倫理的意味にである。そして今の時代、その本当の意味は撲殺されている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする