
*ジョージーナさんのホームページは<イトゥレン前半>に載せてあります。

(*ジョージーナさんの家を上から見たところ。)
イトゥレンの町から山に4km入った場所に住む、ジョージーナさんの家にお世話になった後半、
やはり4月なので寒さが戻って来て桃ちゃんは熱を出してしまいました。
(大したことはなかったのですが)
それで本当はその日、粉引き所に行ってトウモロコシのトルティージャを焼いて食べる予定だったのですが
キャンセル。

先日、お世話になった農場の家族なんですが、
この家族だけではありませんが、
バスク地方のこの辺りの人達はフィリピンにもちょっと共通するような悪霊とか魔除けとか
土着信仰の名残があって、
家の玄関に飾られている物もその一部だったりするようです。

各家には番地がなくて、家に名前が付いていて
その名前(名字とか違う)が住所代わりだったりするようです。
近所の人もその家の名前で覚えていたりするとか。

真ん中の人が着ているのはお祭りの時の民族衣装だそうです。
バスクのこの地方の音楽は聴くとアイルランドの舞踊音楽みたいなんですが
バスクの起源がどうもアイルランドとかデンマークのバイキングとか色々な説があるらしいです。

玄関に飾られているこういう物もお祭りと関係しているようです。

この馬の毛で作った物も魔除けと関係あるらしい・・・。

お家は典型的なバスクの建物です。
近くの村で、同じような建物だけど窓と窓の間に線が必ず入っている村もあって、
それも伝統の昔からの信仰の1つとか聞きました。

ちょうどタンポポがみんな、綿毛になっている季節だったのですが、
ジローナではタンポポの綿毛飛ばしに夢中だった桃ちゃんも
お友達が出来たイトゥレンではタンポポの綿毛には見向きもしません。
そして、風邪を引く前ですが、
桃ちゃんが楽しみにしていた乗馬レッスン。
動画は以前に「スペイン旅行ハイライトその1」で載せたのでこちらには載せませんが、

イトゥレンの村でも馬は見かけたのに
乗馬レッスンとなるとやはりなかなかないみたいで、
サイクリングしている人と沢山すれ違ったんですが
県道みたいな道を車で走ること30分くらい・・・
遠い~。

しかも突然、分岐点に来たら左の道を行くと言うのではないですか。
(片側には小川が流れていてタイヤが落ちたら絶対はまって抜け出せないと思うのです。)
本当にジョージーナさんの所もそうですが、
スペインの田舎道は1車線が普通で怖かったです。

3人の子どもに3頭の馬が用意されていました。
桃ちゃんの為に他の女の子も一緒に乗馬レッスンを受けてくれて
そのお金もジョージーナさんが私たちの宿代から払ってくれました。
(別料金という話しだったのに、支払う時に込みでいいわよと言ってくれた)

見学者は柵の外に出てと言われて柵に上って見てたんですが
この柵に座っているのは私と桃ちゃんにスペイン語を教えてくれた先生で、
彼女にも8才の娘さんが居て初めて乗馬レッスンを受けたのです。
彼女、大型トラックの運転免許を持っていて
ここに来る道も彼女が運転してきたんですが
あんな狭い道、大丈夫~って楽勝でした。
本当に素敵なお母さんで、素敵な女性。
彼女はプロのスペイン語の先生ではないけれど、
彼女から本当に多くのことを学びました。

1時間の乗馬レッスンが終わっても馬が好きな桃ちゃんは馬から離れません。
桃ちゃんの隣に居るのがスペイン語の先生をしてくれた方のお嬢さん。
一度、このお嬢さんのお友達と公園で遊んでもらったんですが、
この地方の子達って体力が凄くあって、
縄跳びしていたのだけど、桃ちゃんは付いていけず・・・
ちょっと輪から離れてしまいました。
それで先生が気を利かせて桃ちゃんとお嬢さんだけが遊ぶようにしてくれたのだけど、
5、6才の子でも縄跳び100回くらいは軽く飛べちゃうので驚き。
桃ちゃんは縄跳び、多分あまり出来ないんです。
学校でも流行ってないし。

この乗馬を教えてくれた先生は大学で乗馬を通してのセラピーを勉強しているということでした。

桃ちゃんが乗っていたダカルという馬は
中東の方の砂漠で行われた200kmの長距離レースで優勝したことがあると
乗馬の先生が教えてくれました。
でも結構気が強くて
他の馬が自分の後ろに近づき過ぎると
後ろ足で蹴飛ばします。
なので桃ちゃんは乗ってる時、自分の後ろに近づかないで~と他の子に注意してました。

馬に手で馬草を与える時は手を平にして与えるように言われたんですが
これがなかなか桃ちゃんには難しかったみたいでした。

周りを見回すと結構、家々が点々とありますが、
道が多分、さっきのような一車線なんですよね。

ここはアヒルとか鷹とか、黒豚なども飼っていました。
ジョージーナさんが子ども達用におやつのパンを持って来たんですが
うっかり車の戸を開けたままにしておいたら
猫に半分、食べられてしまっていました~。

そしてまた、この細い道を運転して帰ります。
幸い、対向車には出会わなかったです。

そしてジョージーナさんの家から別方向に山を徒歩で1時間下った所にある
(でも私たちはジョージーナさんの車で行ったので30分くらい)
美味しいレストランに彼女とご主人が連れて行ってくれたのですが、
元々、このレストランでの食事は料金に込みだったので
私たちは今回、払いませんでしたが、
ここ、本当に穴場というかお勧めです!
ホテルもやっているし、自転車が好きな方は自転車置き場もあります。
Donamariako Benta Restaurant Y Hotel Ruralのホームページ(英語)はこちらです。

玄関にある可愛い人形はアメリカのコミックキャラらしいです(主人曰く)。
主人は自転車で毎日ここレストランの前を通っていて
どうしていつも車が多く停まっているのか不思議だったそうなのです。
知っていたら絶対に毎日食べに行ったと言ってましたが、
連れて行ってもらったのが帰る直前だったので今回は無理で心残り。

玄関の横には子どもが遊べるプレールームもあって
小さい子が他のお客の迷惑にならないような気配りも感じられますね。

元々は馬小屋だったのを改築してレストランにしましたが、
ホテルはまた別の建物。

レストランが選んでくれたワイン。

スペインでは普通、1つ目の料理、2つ目の料理、そしてデザートで
このレストランではどれも各3種類用意してくれ、
その中から選ぶようになっていました。
私が選んだ1つ目の料理は白豆煮。
郷土料理みたいなんですが、
これ、マニラでも真似して作ったら主人に大好評でした。

主人が選んだ1つ目の料理、アスパラガスも美味しかったそうですよ~。
これも食べてないけどマニラで真似してみました。
ヤギのチーズはフライパンで炙って
(本当はかまどで焼くんでしょうけど)
フルーツソースはトマトジャムで代用してみました。

そして主人の2つ目の料理、バカラオ(英語ではCod fish)。

私が頼んだ2つ目の料理、アヒルのもも肉。
今回、ジローナから始まって美味しいアヒルを食べる機会が多く
アヒルの大ファンになった私です。

デザートに私が選んだ自家製レモンヨーグルトは
クリーミー過ぎるヨーグルトが好きじゃない私には適度なクリーミーさで
適度な甘さで、全てが完璧。

主人が頼んだのはこの土地、特有のデザートで
観光ガイドにも名前が載っていたんですが
今ちょっとど忘れ。
確かヤギか羊の乳で作ってるんですが
私にはちょっと生臭く感じました。
発酵食品みたいなんですが。
でも主人は気に入ったんですって。

このお店をやっている姉妹の1人は日本人と結婚して日本に住んでいたことがあるとかで
でも元ご主人とはもう連絡を取ってないらしいですが、
日本人の私にとても共感を持ってくれました。
上手くいく結婚もあれば、上手くいかない結婚もありますよね。

このレストランでお勧めの自家製のお茶には
生のりんごの刻んだ物が入っていました。
良い香りです。

飾ってあったものです。

庭にもテーブルがあって
この日は雨でしたが、天気が良かったら庭でも食事出来ます。

店の中はこんな感じです。

楽しかった昼食、あっという間に終わってしまい
また絶対に食べに来たい~という思いで店を後にしました。

お店の建てもの。

そしてジョージーナさんの運転で家路につきますが
これまた一車線です。
このレストランに来るのは砂利道が多いので
ご主人の車だと無理なのです。
(ご主人は小型のベンツに乗っている)

そして寒くなったのでさすがに私たちの棟の暖炉にも火を入れました。
ボイラーがあるので夜はそれで温かく眠れますが
昼間はちょっと電気代が勿体ない気がしたのと
暖炉も1時間に一度。火の世話(薪をくべる)をしなきゃいけないんですが
風情があって何とも言えなくリラックス出来るのです。
<寿司パーティー>

そして帰る前日、ジョージーナさんのお友達を呼んでくれて
寿司パーティーを開きました。

お寿司の作り方を習いたいお友達を呼んだので
寿司講習会って感じでしょうか。
これは私が突如思いついて作ったうなぎの稚魚のオリーブ油+にんにく和えの寿司。
人気でした~。
やっぱり寿司というよりはピンチョ感覚。
他にもご飯を表面にする巻き方や、普通の太巻きなど
色々作りました。

(主人は男性同士で楽しくおしゃべり)
マニラで何度も寿司講習会をしていたので
(全部ボランティアですが)
教えるのは慣れていたんですが
ご飯を鍋で炊く方法から教えたのは初めてでした。
(炊飯器ってみんな持ってないので。私も毎日お鍋で炊いてたので慣れたところでちょうど良かったです。)
それと酢飯ですが、すし酢の分量の砂糖を半分以下に減らしました。
スペイン人向けです。

皆さん、何かしら持って来て下さっていて
特にこのエンパナダ、買って来たものらしいですが
スペインのこの地方のエンパナダはフィリピンのと違って揚げるのではなく
パン生地の間に玉ねぎと何かを炒めたものを挟んでオーブンで焼く方式で
とっても気に入りました。

デザートもフィリピンのお菓子に似たものが多いけれど
味がもっと繊細で甘さ控えめでした。

お客様の車に牛のお客さま。
この辺りは羊でも牛でもその辺の道を歩いて移動しているので
柵を作るのは動物が家に入って来て植木や植物を荒らさない目的です。
泥棒避けではないです。
本当に泥棒ですら面倒で入って来ないような山中なので。
道は迷路だし、下手すると行き止まりだし。

子ども達は家の横にあるトランポリンで遊んだり、

マニラでも流行っているバンド作りで熱中。
マニラとスペインで同じものが流行ってるって凄いマーケティング。

色々食べた後に出て来たパンとハムと羊のチーズ。

最初は外で話していたのですが、
寒くなってきて、雨も降って来て・・・

暖炉の周りに集まりました。

猫ちゃん達はお客さんがいるのを窓から覗いています。
<いよいよお別れ>

私たちが出る朝も霧が出ていました。

でも主人は8日間、車を動かせなかったほど山道が怖かったので
ジョージーナさんのご主人に車で先導してもらう約束で
彼は仕事で顧客と9時に約束があったので
8時半に彼と一緒に出ました。
彼の車が小さく見えます。
この辺はまだ道が広いんです。

なんか霧の中に入り込んでいく感じですが
ものすごくきれいです。

そして主人が車を動かさなかった理由がこちらの道。
車線が狭い上に崖っぷち。

あれ、彼の法律事務所を通り越しています。

分岐点まで案内してくれたんですね。
本当に素晴らしいご主人様で
気が利くし、子ども達にはユーモアたっぷりで遊んでくれるし、
彼にも色々お世話になりました。

ジョージーナさんの家はまるでおとぎの国に入り込んだみたいです。
日本で言えば桃源郷でしょうか。
山深くて、何もない素朴な暮らしで、
自然がものすごく美しい。
フランスでもこんな幻想的な景色には出会えませんでした。

スペイン語の先生からスペインの方がガソリンが安いと聞いていたので
フランスに行く前にガソリンを入れました。
普通は自分でガソリンを入れて中の売店で会計するのに
ここの方は入れてくれて
話しかけてもくれてとても親切。

(やっぱりフランスより若干休めでした)
スペイン人は本当に相手に見返りを求めないで親切にしてくれる方が多くて
しかも働き者で謙虚で、自分の分をわきまえてしゃしゃり出ない人が多いし、
これって田舎だったからなのか分かりませんが
良い出会いばかりでした。

海沿いを真っ直ぐに行けばボルドー(ワインで有名な)ですが
今回、私たちが向かったのはアルジェレス・ガゾストという町。

ちょっと分かりにくいんですが
地図の左端の海沿いに字が切れているけど「サンセバスチャン」があって、
左端の下の角に「パンプローナ」がありますよね。
イトゥレンはそのサンセバスチャンとパンプローナの間にあります。
そして今回向かったのはルルド(Lourdesと地図には書いてある右側の真ん中辺)を少し下った場所にある
Algeres-Gazost という町です。
太い線が高速(有料)なので
一旦、サンセバスチャンの方に向かい、高速にのって
パオとタルベスの真ん中辺にあるルルド方面の出口から出て
ルルドに向かい、
そこからアルジェレス・ガゾストに向かいました。
イトゥレンからフランスの国境は直ぐで
県道を通って行くことも不可能ではありませんが、
道路も狭いし、時速も制限されているし、
山中で多分、森を走る感じになり、
迷子になる可能性も高いので
のんびり田舎を走る旅行ならいいんですが
目的地までは高速を使いました。
もちろん、間の町で有名な小さい町など名前を見て
「ガイドブックに載ってたよ~」
と停まってみたくなる町は多かったんですが
時間は限られているし、全部には行けないですよね。
また次回を楽しみにしたいです。
(またせっせと貯金~)
