先週の水曜日、逆瀬川のお稽古の帰りにシネリーブル梅田で韓国の映画『私の少女』を観てきた。
未来があるはずだった女性警察官ヨンナムは、同性愛者であると言う理由から左遷されて海辺の過疎の村に越してきた。
そこで出会う14才の少女ドヒは、継父であるヨンハとその母親からひどい虐待を受けていた。
村の人々は、ヨンハが村にとってなくてはならない存在であるがゆえにその虐待を知りながらもそれには触れないように暮らしていた。
孤独な心が引き合うように、ヨンナムはドヒに手を差し伸べてしまい、ドヒもまたヨンナムに異常なくらいに執着していく。
過疎、同性愛に対する差別、虐待、外国人の不法就労などの社会問題を扱いながらもドラマとしても見ごたえのある映画でした。
あまりにも何もない村、ヨンナムが住む飾りひとつない簡素な寒々しいほどの部屋、繰り返し出てくる虐待の場面、孤独と虚無感を漂わせているヨンナムのまなざしと縋り付くような挑むようなドヒの瞳、装飾的な映像など欠片もない。
だからこそ二人の心の内が画面に痛いほどあらわれてくるのでしょうか。
先ず最初に起こる血のつながりのない祖母の事故死、そして最終的に幼児に対する性的虐待の疑いを掛けられる継父ヨンハの逮捕、その事実が実はドヒによって引き起こされていることはヨンナム以外の大人には知られないしドヒが裁かれることもない。
2人が共有する重い罪の秘密、そのことがより二人を強く結びつけていく。
最終的にドヒは虐待からは逃れられるものの、一人取り残され養護施設に送られることになります。
揺れるヨンナムの心、自分には、ドヒを連れて行く資格もないし、ずっと面倒を見られる自信もない、でも傷ついたドヒを残していくことなど出来るのだろうか?
一時はドヒを残して村を出るつもりでしたが、若い警官の「可哀想とは思うけれど自分はどことなくドヒが小さな怪物のように思えて怖い」と言う言葉の中に自分を見たのか結局はドヒを連れて村を出て行ヨンナム。
ヨンナムが運転する車の中で安心したように眠りこけるドヒ、二人のこれからがどうなっていくのか、うすぼんやりとした希望のようなものも見えはするけれども果てしない暗い穴の中に落ちていくような感覚にも陥るラストシーンがよかった。
内臓が入っているのかと思うくらい細くてでも強い存在感と危うい透明感を併せ持つペ.ドゥナ、虐待を受けてもそれに屈しない強さと底知れない複雑な心を持つ14歳を演じたキム.セロンが素晴らしかった。
もう一つ、ヨンハの策略で、ヨンナムは、性的ないたずらをするためにドヒをかくまっていたと言う疑いを掛けられ警察につかまってしまう場面があり
同性愛者であると言う理由から、いくら否定しても周りの人すべてがそういう風にヨンナムを疑ってしまい、いくら「そんなことはするわけがない」と叫んでもそんな事証明できるものでもないし、ドンドン追い詰められていく事実がいかにも現実に起こり得るような気がして怖かった。
こんな風に文章にすると救いようのない暗い話に思えるけれど、すがすがしさもある不思議な映画でした。
未来があるはずだった女性警察官ヨンナムは、同性愛者であると言う理由から左遷されて海辺の過疎の村に越してきた。
そこで出会う14才の少女ドヒは、継父であるヨンハとその母親からひどい虐待を受けていた。
村の人々は、ヨンハが村にとってなくてはならない存在であるがゆえにその虐待を知りながらもそれには触れないように暮らしていた。
孤独な心が引き合うように、ヨンナムはドヒに手を差し伸べてしまい、ドヒもまたヨンナムに異常なくらいに執着していく。
過疎、同性愛に対する差別、虐待、外国人の不法就労などの社会問題を扱いながらもドラマとしても見ごたえのある映画でした。
あまりにも何もない村、ヨンナムが住む飾りひとつない簡素な寒々しいほどの部屋、繰り返し出てくる虐待の場面、孤独と虚無感を漂わせているヨンナムのまなざしと縋り付くような挑むようなドヒの瞳、装飾的な映像など欠片もない。
だからこそ二人の心の内が画面に痛いほどあらわれてくるのでしょうか。
先ず最初に起こる血のつながりのない祖母の事故死、そして最終的に幼児に対する性的虐待の疑いを掛けられる継父ヨンハの逮捕、その事実が実はドヒによって引き起こされていることはヨンナム以外の大人には知られないしドヒが裁かれることもない。
2人が共有する重い罪の秘密、そのことがより二人を強く結びつけていく。
最終的にドヒは虐待からは逃れられるものの、一人取り残され養護施設に送られることになります。
揺れるヨンナムの心、自分には、ドヒを連れて行く資格もないし、ずっと面倒を見られる自信もない、でも傷ついたドヒを残していくことなど出来るのだろうか?
一時はドヒを残して村を出るつもりでしたが、若い警官の「可哀想とは思うけれど自分はどことなくドヒが小さな怪物のように思えて怖い」と言う言葉の中に自分を見たのか結局はドヒを連れて村を出て行ヨンナム。
ヨンナムが運転する車の中で安心したように眠りこけるドヒ、二人のこれからがどうなっていくのか、うすぼんやりとした希望のようなものも見えはするけれども果てしない暗い穴の中に落ちていくような感覚にも陥るラストシーンがよかった。
内臓が入っているのかと思うくらい細くてでも強い存在感と危うい透明感を併せ持つペ.ドゥナ、虐待を受けてもそれに屈しない強さと底知れない複雑な心を持つ14歳を演じたキム.セロンが素晴らしかった。
もう一つ、ヨンハの策略で、ヨンナムは、性的ないたずらをするためにドヒをかくまっていたと言う疑いを掛けられ警察につかまってしまう場面があり
同性愛者であると言う理由から、いくら否定しても周りの人すべてがそういう風にヨンナムを疑ってしまい、いくら「そんなことはするわけがない」と叫んでもそんな事証明できるものでもないし、ドンドン追い詰められていく事実がいかにも現実に起こり得るような気がして怖かった。
こんな風に文章にすると救いようのない暗い話に思えるけれど、すがすがしさもある不思議な映画でした。