だーばぁの流儀

児童文学作家・岡田なおこブログです。
全身マヒ+オストメイト・作家・アラ還ならではの日々を気ままにつづっています。

読書 あのねのね 「最上一平作品ひとつかみ」 📚

2023年05月19日 | クリエーター・モード
一平先輩 ありがとうございます(。-人-。)

最上一平ささん@一平先輩とはデビュー前からの知り合いで、遠くから「この人、すごい!」と尊敬していました。
その「尊敬の念」は深くなるばかりですが、今は一平先輩がときどき発行される「もがみ通信」にナンクセ付けたり(笑)する「小生意気ななおこ」になり、仲良くさせていただいています💦
冗談はさておき、ワタクシメは一平先輩と同じ時代に生きられたことを「幸せだ」と感じています。
そしてメール等で感想を送ったり、さまざまな感情をシェアできることも有難く思います。

さて、ワタクシメが具合が悪く動けない時に「お見舞い」のように絵本や短編集を贈って下さったので、「ひとつかみ」にしてご紹介します。
※山下達郎「棚からひとつかみ」のパクリです(^_^;)

最上一平さんは主に故郷の山形で培ったスピリッツで創作されていますが、「一平ワールド」を広げていた時期もあります。それもおもしく根幹にあるものは揺るぎないのですが、最近の作品は「広める」から「深める」に変化していると、ワタクシメは感じています。
ワタクシメはファンになった当初の「尖った一平お兄さん」が丸くなったけど「ガンとしたおやじ」になり、物語を紡ぎ続けておられる姿勢が愛おしいです(あぁー ほめ過ぎたぞ(o|o))

今回ご紹介する作品は大人の方に読んでいただきたいです

どれも評判がよく「絵本好き・児童文学好き」の方はとっくにご存知でしょうが、児童書に興味のない方にも知っていただきたく、ココに載せます。

こんなに美しく優しい「戦争児童文学」をワタクシメは初めて読みました

すずばあちゃんのおくりもの – 最上一平 (著), 黒井健 (絵)  2022/4  新日本出版社刊
【内容紹介】 ネットより
春になると、小さな畑にでて、自分一人分の野菜を育てるすずばあちゃん。
ばあちゃんは、畑仕事がおわると、道ばたに、空き地に、花の種を植えつづけている。
90歳をとうにすぎて、一人暮らしのすずばあちゃん。
純平には、ばあちゃんが、花と話をしているように思えた。
花には、すずばあちゃんの戦争の時代のつらい思い出が。

感想
とにかく美しい絵本です。
たんたんと生きるすずばあちゃんを見守る作者の優しいまなざしが伝わってきて、静かに強く「反戦」へのメッセージが心を揺さぶります。
黒井健さんが時間をかけて描かれたであろう「絵」もご堪能下さい。




生きる力が湧き出てきます 絵本から「絵」が飛び出てきます

いのちが かえっていくところ  最上 一平 (著), 伊藤 秀男 (絵)   2022/10   童心社刊
【内容紹介】 ネットより
釣りを通していのちの躍動を感じ、そのいのちをおいしくいただくことで、初めていのちの大切さ、重さを実感する。そうした少年の心情を、繊細かつ力強く描く絵本です。

感想
これはやんちゃな男の子に読んでほしいです。
できればご家族で。
釣り好きな一平さんと絵を描かれた伊藤秀男さん、編集者さん、スタッフ一同様で川に入り、この一冊に取り組まれたとか。
ワタクシメは体調が最悪の時に、この絵本から「生命力」をいただきました。
コロナ禍で「病気見舞い」が制限されたりしますね。
「絵本をお見舞いにする」のもいいなーと思いました
😊



ささめやゆきさんは「ゲラを見て号泣しながら挿絵を描いた」とのこと。

あらわれしもの   最上一平 (著), ささめやゆき (絵)   2022/12  新日本出版社刊
【内容紹介】 ネットより
「ひめりんごちゃんでーす」龍之介は姿見にむかってむりやりテンションをあげた。
「地域おこし協力隊」の龍之介は、着ぐるみを着て、イメージキャラクター・ひめりんごちゃんになるのだ。
きめポーズは、アップルシャワー!
――今や子どもがひとりもいない過疎の村にも春は来た。その山里に「あらわれしもの」とは。

感想
これは「短編連作」で、児童文学にジャンル分けされていますが、章によっては大人でないと味わえない部分のあります。
ささめやゆきさんは八十代だと思います。
「老い」とか「死」とか身近に感じられる方は泣けます💧
ワタクシメは泣きはしませんでしたが「年取るとこんなことうるよね」とクスッと。
「おかしい」でもなく「悲しい」でもない・・・
生きていると自然と湧いてくる「クスッ」を行間から読み取れる、ある種「異空間」にいざなってくれる一冊です。

どうぞお手に取ってご覧下さい
📕



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読書 あのねのね 「あこがれのユーチューバー」 📚

2023年05月17日 | クリエーター・モード
やったー! マキセツ姐さん (^^♪


仲良しの牧野節子さん@マキセツ姐さんの新刊をご紹介します。

「あこがれのユーチューバー」  牧野節子 作/はせがわはっち 絵  国土社刊


【内容紹介】 ネットより
俊の夢はユーチューバーだ。人気のユーチューバ―・ピカリンにあこがれている。
一方、友だちの英太は伝統芸の紙きり芸に夢中だ。
そんなある日、英太がとっぴょうしもない計画を持ちかけてきた。
俊のラップと紙きりで、影絵を上演しようというのだ。
だが! 夢にチャレンジする二人の、笑いと友情のホットな物語。


このタイトルを見ただけで、ワタクシメは牧野節子さんの「旬!」を感じました。
牧野節子さんはご自身のブログでYouTubeも開設。
自作やお気に入りの短編の朗読をされている「ユーチューバー」でもあります☆彡 《牧野節子の部屋》
牧野節子さんは常にご自身の「心ふるえるモノ・コト」を素材にして創作されています。

牧野節子さんは落研出身ということもあり「お笑い」好き、
ピアノやエレクトーンの講師の経験もあり(というか生まれ持った素質がおありなのです)、文章から音楽が聴こえるんです🎶
「ラップ」をモチーフにした作品もあるし、「プロレスラー」「アイドル」「バレリーナ」「クッキング」などなど。
子どもが飛びつきそうな素材(ネタ)をふんだんにお持ちです。
でも「流行」に媚びるのでなく、しっかりとしたテーマ・メッセージを発信されています。
「普遍的なテーマ」があることが児童文学には不可欠だと、ワタクシメは思っています。

今作において、伝統芸能である「紙きり芸」と「ラップ・ユーチューバー」といった現代的な素材と掛け合わせるとは・・・ニクイね(^_-)
マキセツ姐さんにしかできないワザであります!
そしてハラハラドキドキがあり(これも児童文学に必要な要素)、ラストはちょっひり淋しく、でもほっこりとした気持ちで、読者は主人公たちをみつめることができるでしょう😊

作家にとって、等身大の自分を描ける時ほど幸せなことはありません。
たぶん今頃マキセツ姐さんは満足なさって、「次は何をやろうか」と、アンテナを研ぎ澄ましていることでしょう。

ぜひお手に取ってご覧下さい📕


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読書 あのねのね 「あしたの木」 📚

2023年05月12日 | クリエーター・モード
陽だまりで読みたいジュニアポエム 

「あしたの木」
著者・うたか いずみ  絵・ しんや ゆう子  銀の鈴社刊  発行2023年01月




うたかいずみさんとは前回の森くま堂さんと同様Facebookでお友達になりました。

ご自身の創作とあわせて、児童文学者協会の関西センターに所属。(森くま堂さんも含む)
関西勢は皆さん、元気です!
関西地域での活動に止まらず、東京でのイベントにも来られて「裏方」をして下さったり・・・とても熱心です。

昨日ココに「通信添削の講師をしていた」と書きましたが、ワタクシメの生徒さんに関西方面の方がいて、地元での勉強方法を勧めたことがあります。
児童文学者協会では「地方に居て東京での講座に出られない方・自宅で勉強したい方」のために通信講座を行っていますが、講座を受けるだけが勉強ではありません。
同じ志を持つ仲間と意見交換したり刺激し合うことも「学び」となります。
ワタクシメは何年か受け持った生徒さんに「同人会」でステップアップしていただこうと考え、うたかいずみさんに関西地区の同人会情報をお尋ねしました。
そうしたら、うたかさんはご丁寧に同人会数か所に連絡をして各会が発行している「同人誌」を取り寄せ、それぞれの会の特徴など詳しくお教え下さいました。
ワタクシメは「講師料」はいただいていますがー⚡ うたかさんはすべてボランティア!
頭が下がりました_(_^_)_

うたかさんは純粋に「児童文学の発展」つまり子どもの環境・未来をみつめ行動されている方なのです。

「ジュニアポエム」の力

「あしたの木」をご恵贈いただいた頃、ワタクシメの体調は絵本くらいは読めましたが、「読む」だけでも体力を消耗する、情けない状態でありました😢
この作品は「ジュニアポエム」であり絵も優しく、ぺらりと開いたページを読めばいいので、ワタクシメには有難い一冊でした。

その時ワタクシメはしみじみ「ジュニアポエムの意義」を知りました。
しおれた心に垂らされたハチミツであったり、バニラエッセンスであったり、アロマオイルであったり、または七味唐辛子とか(笑)。
それは状況によってちがいますが、ひと時の癒しなのだと。

「詩」というと範囲が広いしので「ジュニアポエム」に限らせていただきますが・・・。
ぺらりと目に止まったページがくれる「ひと時」が、山あり谷ありの人生を励ます大きな力となると、ワタクシメは感じました。

ワタクシメは「あしたの木」を日向で読みたいと思いました。
縁側で、
公園のベンチで、
野原に寝転んで、
子どもさんがいる方なら、子どもと声を合わせたら、どんなに楽しいことでしょう♫
ワタクシメみたいな「お疲れモード」の大人なら、幼い日を追想してみてはいかがですか🌀

「子育て支援策」があれやこれやと叫ばれていますが、ハード面で生活に余裕ができたら「子どもと絵本やジュニアポエム」を読む時間を増やしてほしいと思います。

うたかいずみさんには穏やかな時を紡ぐジュニアポエムを、たくさん描いて下さい💞



内容紹介(出版社より)
<新刊モニターの感想から>
◆にじの はしっこ
にじをとらえる視点にユーモアを感じます。
にじとたわむれる描写が、臨場感あふれていて五感に働きかける作品です。
◆ママのエプロン
せっせとはたらくママのそばで、見立て遊びをするこどもとママの緩急がおもしろいです。
ほっこり温かみのある作品。
◆あっ いま
何かに悩んだり迷ったりした時は、こんなふうに一瞬一瞬を大切に。
何だか道もひらけてくるようなそんな気持ちになりました。
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読書 あのねのね 「おむすびころりん はっけよい」 📚

2023年05月10日 | クリエーター・モード
「今さら」ですが、今のようなご時世にお読みいただきたい絵本です!

おむすびころりん はっけよい!
作: 森くま堂 絵: ひろかわ さえこ 偕成社刊  2020年7月発行

この作品の著者の「森くま堂」さんとはFacebookでおしゃべりする仲です、ワタクシメ。
ユニークなペンネームですね。
実物も「ユニークな人」かもしれませんよ(^_-)
だって、ワタクシメの友だちだから(笑)

この絵本をご恵贈いただき、「くまちゃん、やったね」と、すぐにココでご紹介したかったのに、ワタクシメの闘病生活により大変遅くなりました。
くまちゃんはただ今絶好調で、絵本好きの方ならワタクシメより森くま堂さんに詳しいと思いますが、絵本に興味のない方や「絵本を知らないで絵本コンクールに応募している方」に読んでいただきたく、ご紹介いたします。

【内容紹介】
あるところに、さんかくおむすびの 国と、まんまるおむすびの 国が ありました。
ふたつの 国は、いがみあっています!
いさかいはひろがり、両国のとのさまどうしの相撲で、決着をつけることになりました。
そして、手に汗にぎる「おむすびらしい一戦」となり、意外なハッピーエンドに!


登場おむすびは、400こ以上とのこと。
その他登場するアイテムたちや戦争に使う兵器も「おむすびチック」で、笑ってしまいます。
しかし「戦争」が絶えない人間の社会と重ね合わせていて、大人が読めば「そうだよねー」とうなったり「これは風刺だな」とズンとくるストーリーです。

「ウクライナ×ロシア戦争」はもちろんですが、世界中がきな臭い今日。
おむすびの国が和解したように、人間の世界も円満になってほしいものです。
楽しく読めることが絵本の基本ですが、しっかり社会情勢を織り込んである所がこの作品の「力」となっています!


ワタクシメ、「通信添削」の講師の経験があります

そこで感じたのは「イメージだけで絵本や童話が書けると思っている方が少なくない」ってことでした😢
「おむすびころりん~」には、「平和・共生」といった大きなテーマがあります。だから400個におよぶおむすびたちの表情も描き分けられるし、登場するキャラクターがそれぞれ生きるのです。
絵本からおむすびが飛び出すような楽しさに子どもたちはひかれます。
子供心に宿った「おむすび」は成長するにつれ「平和を求める心」変わっていくと思います。

「絵本」に限らず子どもに手渡すモノは、たんに「おもしろい」ではなく、平和や希望、苦難に打ち勝つ知恵(力)を秘めていなければいけなと、ワタクシメは思っています。

また年配の生徒さんでうまく描けないことを「年齢」のせいにする方もいます。
それも違うんです。
森くま堂さんは今が旬ですが、年齢はワタクシメより少しお姉さん👩かな?
主婦道・子育て道のベテラン。その中で地道に勉強し創作活動されてきました。
人生経験を活かし「今! おもしろいもの」をキャッチして「森くま堂ワールド」を生み出しています。
時間はかかっていることでしょう。
Facebookを拝見するだけでも「頑張っているなー」と感じます。

絵本や童話を「夢の世界」ととらえている方は、ぜひ「おむすびころりん はっけよい」を深読みしてみて下さい(。-人-。)

森 くま堂
絵本テキスト大賞 毎日小さな童話大賞落合恵子賞  
『ちこくのりゆう』童心社
『カッパーノ』BL出版  など

  

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読書 あのねのね 「ソフィアの白いバラ」  📚

2023年05月07日 | クリエーター・モード
ワタクシメ、読まないとあの世に行かれない一冊?!

「ソフィアの白いバラ」八百板洋子著 福音館書店  初版 2005年6月

この本はワタクシメが幼稚園でお世話になったスズキ先生からいただきました。
もう20年以上前に卒園した幼稚園の「創立●●年」に御呼ばれし、スズキ先生と再会したと思います。
他の先生方は地元にお住いで、ワタクシメの成長を見守って下さっていましたが、スズキ先生だけは「ごたいめーん涙」という感じでした。
ワタクシメが作家活動していることを知り𠮟咤激励✋
そして、この本が送られてきたのでした📕

すごく分厚くて(440ページ)、内容的にも・・・
スズキ先生~、ワタクシメの苦手分野です。ごめんなさいm(__)m
なんだかんだで20年近く本棚に飾ってありました。

一昨年からの長い入院中「あれを読んでないと、あの世に行ってスズキ先生に合わせる顔がない」と思いました。
あっちに行ってからスズキ先生が優しい口調で、
「なおこちゃん、あのご本どうでしたか?」と言われて返事ができなかったら、死んでも死に切れない💦」
スズキ先生以外にも幼稚園時代の先生方のお顔が次々に浮かびます。
ワタクシメは体調が落ち着いてから、まずは「朗読サービス@デイシー」の力を借りてこの作品を「音読」しました。

内容と感想

1970年、ブルガリアの首都ソフィアの留学生宿舎には、ヨーロッパ各国やソビエト連邦、北ベトナム、エジプト、シリア、エチオピア、キューバなど、世界各国の留学生が生活し、さまざまな人生模様を繰り広げていた。たった一人の若い日本人留学生としてここに住みはじめた「わたし」は、たちまちこの若者たちの渦に巻き込まれていった。
ひたむきな青春を生きる若者たちをみずみずしく描いた留学記。
【ネットの作品紹介より】

主人公の「わたし」は八百板洋子さんでしょう。
この時代に「ブルガリア」に留学できるなんて! かなりの「お嬢様」とは思いますが、世界各国の留学生たちとの生活はおもしろく読めます。
「多様性」というワードが叫ばれる昨今、70年代にすでにこの問題を描いた著者はすごいと思うし、「ベトナム戦争」と現在の「ロシア×ウクライナ戦争」が重なり、「昔の作品」という感じはしませんでした。当時の社会主義や冷戦時代の東欧のことなど勉強になります。

僭越ながら、生意気なことを書きますと 😅
440ページは要らないかなっと。
ワタクシメなら、推敲して300ページ程度にまとめるかなっと。

母上がスズキ先生に「妹@メーコが日本を捨てた」みたいな愚痴をこぼしたら、先生はさらりと、
「あの子はオテンバさんだからねー」とニコリ🌷
「ソフィアの白いバラ」を通してスズキ先生からワタクシメへのメッセージはこれからわかる気がします。


  
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