だーばぁの流儀

児童文学作家・岡田なおこブログです。
全身マヒ+オストメイト・作家・アラ還ならではの日々を気ままにつづっています。

読書 あのねのね 📚 丘修三 児童文学作品集

2024年10月21日 | 日記
「ありがとう そして さようなら  児童文学」  丘修三・作  国土社刊

丘修三さんとは同人会で一緒に「児童文学」を学びました。
前にご紹介した最上一平さんや高橋秀雄さんも、その時のお仲間です。
その同人会には有名な方もおられましたが「〇〇先生」と敬称を付けるのはNG。新人もベテランもみんな「○○さん」と呼び合うルールがありました。
しかし丘修三さんは人生の大先輩でもあり、しょうがい児教育に携わっておられたので、ワタクシメは「丘先生」とお呼びしています。

「丘修三」はペンネームで、「世の中 おかしいぞー」をもじったそうです🖊

ということで・・・
丘先生は25年間しょうがい児との教師生活を送っていましたが、50才で病に倒れ、教職を退き、「作家」の道を進みます。
闘病生活の中で意欲的に数々の名作・受賞作品を世に送り出してきました。
そんな丘先生が「終活」とのことで、読売新聞をはじめ同人誌等に掲載した短編や掌編 11作を「作品集」として上梓されました。


単行本にならなかった作品に日の目を見せてあげたい


「あとがき」に上記のようなことが書かれています。
この気持ちはワタクシメも痛いほどわかります!
「出版界」、特に児童書の世界は厳しくて、ちょっとやそっとでは「単行本」で出してもらえません😢
「丘修三 児童文学作品集」の中の「幼年向き掌編」に関しては、このまま一冊の絵本になりそうな作品ばかりなので。ワタクシメには丘先生の悔し涙も感じ取れました💧💧💧

装画の油彩画、本文のカット画も丘先生が手掛けられています。




ワタクシメのおすすめは・・・

「タカシは知らない」
子犬を拾った少年とホームレスのおじさんとの暖かく切ない物語。
「捨て犬(猫)、ホームレスの人には関わってはいけない」と子どもは教えられています。
もしかしたらワタクシメのようなしょうが者も「関わってはいけない」部類に入るのかも知れません。
捨て犬は飼い主がいれば「ペット」になり、愛される存在になりますが、
ホームレスの人は、どんなに優しく静かに暮らしていても、世間から警戒されてしまいます。
ワタクシメはこの作品を読み、つくづく「世の中 おかしいぞー」と思い、涙が出ました。

「一輪の白いバラ」
少年たちは同じ団地に住む風変わりなおばあさんをめぐって、「あーだこーだ」といろいろ妄想を膨らませます。
おばあさんが亡くなり、どんな人物であったかがわかるのですが、その「あーだこーだ」が丘修三の人間観察の鋭さと温かさとユーモアに満ち溢れていて、大笑しながらもジーンとしてくる傑作です!

「さわやかな五月の日曜日」-留守番中の子どもを狙う詐欺師が登場。昨今ありそうですね。
サザエさん一家のような笑えるストーリーですが、「オチ」がどちらに転がるか、ハラハラドキドキ💦


「終活」にひと段落つけて下さい✨

丘先生は確か83才。
人生経験が豊富で多才な方です。
「さよなら✋ 児童文学」なので、児童文学以外のジャンルで活躍されると信じて期待しています。

この作品集は、元気いっぱいの子どもより、黄昏ているおとなの心に沁みると思います。
短編集なので気楽に、旅先や小春日和の公園のベンチやティータイムにページをめくりたくなる、そんな一冊です📖



1987年『ぼくのお姉さん』で日本児童文学者協会新人賞、坪田譲治文学賞、新美南吉文学賞、
1993年『少年の日々』で小学館文学賞、
2001年『口で歩く』で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞受賞。

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