だーばぁの流儀

児童文学作家・岡田なおこブログです。
全身マヒ+オストメイト・作家・アラ還ならではの日々を気ままにつづっています。

イチオシ課題@窓辺のふくろう

2018年12月31日 | 日記
大晦日は縁起のいい「ふくろう」でしめます!


奥山恵 歌集「窓辺のふくろう」  (COAL SACK銀河短歌叢書;かりん叢書)

ココで「歌集」を紹介するのは初めてかもしれません。

奥山さんとはそこそこ長いお付き合いですが、「歌人」としてのお顔を知りませんでした <(_ _)>
秋口に、『窓辺のふくろう』が、第14回日本詩歌句随筆評論大賞の短歌部門で大賞を受賞されたニュースが入り、歌集を拝読した次第です (;´д`)トホホ

 おめでとうございます!

奥山さんは定時制高校で教鞭を取っておられましたが、10年位前の夏、飲み会の席で、
「私、絵本の店を始めるの!」とプランを話されました。
奥山さんはとても熱い教師なので、教職を退くなんて考えられず、酔った勢いで夢を語っているのかなーと思っていました、ワタクシメ。
しかし、それからしばらくして、奥山さんは本当に柏で「ハックルベリーブックス」という子どもの本の専門店をオープンさせました。

さすがに「柏」は我が家からは不便で遠いので、いまだに遊びに行かれませんが、朗読会や読書会、ミニコンサートなど、魅力的なイベントもされ、
ときどき大物ゲストも登場したりして、素敵なお店を運営されています。


この店には「看板ふくろう」のふうちゃんがおりまして(笑)、ふうちゃんも「商売繫盛」に一役買っているようです🐥

奥山さんは『〈物語〉のゆらぎ-見切れない時代の児童文学-』で日本児童文学者協会新人賞受賞。
「評論」の方で活躍されています。
実年齢はワタクシメより少しお若いですが「姉御肌」で頼りになる方です😊


悩んでいる人を前にして悩んでいるあなた・・・読んで下さい。

この歌集を読むと、奥山さんが教職に真摯に取り組んでいたこともわかるし、
頑張れば頑張るほど、苦しくなった姿が見えてきます。
奥山さんが教師を「辞めた」のは「あきらめた」のではなく、別の形で社会へのアプローチを始めたことがわかりました。

「教師」ではできなかったことが「ハックルベリーの店主」としてなら実現できるのです!


歌集の中で、「旅」を歌った作品は、皮膚感覚で旅先の情景を読者に伝えてくれて、ぞくぞくします。
同世代の女性として「クスッ」となる歌もあります。
奥山さんの人となりを知らない読者も楽しめると思います。


松村由利子さんか【解説】で下記のように書かれています。

奥山恵さんは、2010年から千葉県柏市で児童書専門店「ハックルベリーブックス」を営んでいる。
この歌集には、書店経営に携わる今と、都立高校教諭として勤めていたころ、両方の歌が収められている。
世界は軋み続けており、どちらの日々も容易ではない。
けれども、閉塞感に満ちた中で、奥山さんは何と誠実に詠みつづけてきたことだろう。



混沌とした社会の中で行き場をなくしている人(特に若者)を前にして、自分も何もできず喘いでいる方も少なくないでしょう。
そんな方にオススメです!

気持ちを切り替えて、新しい年、持ち越した課題に向き合っていきましょう ( ◠‿◠ )













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イチオシ課題図書@花のお江戸の蝶の舞

2018年12月30日 | 日記
久々の課題図書は、まったり正月気分で読める作品を選びますね📚

「描く」のが忙しいと「読む」時間がないんですが、読まないと描けないんですよねー。
ここが辛いところでございます。

前にもココに書きましたが、本や雑誌がタワーになっていました。
何やかやと忙しくて、「読む」ことがおろそかてした、ワタクシメ。
でも読んでいることは、読んでいますので(笑)、お正月にまったりできそうな作品をご紹介します。



花のお江戸の蝶の舞 – 岩崎京子 (著), 佐藤道明 (イラスト)   出版社: てらいんく


内容紹介 (Amazonより)

「あんた、女の子よ」
「だから、女の職人」
「そんなの、聞いたことない」

〜お菓子にみせられたお嬢様、たまき・十二才の挑戦! 〜
花のお江戸で高い人気をほこるお菓子屋「金沢丹後」。
このお店の長女・たまきは、店の主人であるおとっつあんやおっかさんよりも、職人たちが作るお菓子にきびしい。
親にすすめられた踊りのけいこをためすうちに、自分が本当にやりたいのはお菓子作りだと気づいたたまき。
でも職人は男の仕事、女の人は調菓場に入ることもゆるされない時代。
そこでたまきは、西洋のお菓子作りを学んだ一平の力をかりて、お菓子作りをみとめてもらうための挑戦を始める!



岩崎京子先生は96才にしてバリバリの現役!
昨年5月、街中で転倒され入院と手術、そしてリハビリ。
あの時ばかりは「このまま引退かなー」と心配し、勝手に悲しんでいましたら(笑)、見事に復活されましたー\(^o^)/
9月に青山方面のイベントに行きましたら、岩崎先生も来られていて、ビックリしましたが、
この度、新刊を出され、またビックリ👀
本当にお元気で「人間力」あふれる作家さんです。

この作品は「ケガをした時、そばに居てくれた方々にお菓子を贈る代わりのお礼状」として描かれたそうです。
ワタクシメは、どんなお菓子よりも美味しくいただきました。
書き出しの一行目から、すーっと江戸の菓子屋へと引き込んでいく「京子マジック」を味わって下さい。
江戸弁が小気味いいです。
時代は変わっても反抗する娘の姿は今と同じで、クスクス笑いながら読みました。
最近は「パティシエ」にあこがれる子が多いですが、たぶん江戸時代にも「職人」にあこがれる女の子はいたはず。
まして「お菓子」は子どもには身近なアイテムですから、主人公・たまきの奮闘を、ハラハラドキドキして読む子がたくさんいるでしょう。

イラストもとても細かな部分も表現していて、時代考証をおさえつつも少女漫画的な構成もあり、おもしろかったです。


お正月にちょっと高級なお菓子とおいしい茶などいただきながら、読書タイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。


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年賀状は適当に楽しく ('ω')

2018年12月24日 | 日記
「年賀状」なんてもんは、紅白歌合戦を見ながら仕上げればいいんすよ・・・

友人の中に、必死コイテ「年賀状受けて開始日に投函する」とねじり鉢巻きの人がいたので、
「あんた、ヒマね。
 年賀状なんか紅白見ながら書きゃいいのよ」と言ってしまったことがあります <(_ _)>
その人はとても律儀なのかもしれませんが、年の瀬にやらなきゃいけないことは山ほどあります、ワタクシメ。

ワタクシメの場合、一年の締めくくりで雑誌やプリント類を処分したり、本の山を一気読みしたり、
後回しにしていた「払い込み」を済ませたり、
普段は頼みにくい「難所の掃除」をヘルパーさんに頼んだり・・・

※ 難所(カーテンの選択やパソコンデスク・ベッドの下)の掃除は、毎回同じ人に頼むとクレームの素となるので(苦笑)
  前回は誰に頼んだっけなーと記憶をリピートさせたりしてwww円満なローテーションを考えるわけです💦

それから「原稿」にしても、年内に提出した方がいいとなれば、「年賀状」ところの問題ではありませんよー。


厄介なのは「喪中はがき」です。

これは日本の奥ゆかしい礼儀ですから「大切にしたい」です。
形式的ではあるにせよ、家族の不幸を知らせるのは、「近況報告」でもありますし、
ご家庭によっては「喪中だから、温泉でも行って気晴らししよう➡我が家だけかw」と、そういうケースもありますからね。

その「風習」があるから、年賀状がダイレクトメール化しないんですよね❣

さて、ここで毒づきますが😢 「作家友だち」の中に毎回ぐちゃぐちゃ読めないハガキをくれる人がいます。
「ぐちゃぐちゃ」でもアートなら愉快ですが・・・ただ「ぐちゃぐちゃ」書いてくるんです⤵⤵⤵
その人が、我が家が「喪中」の年に、相も変わらず「ぐちゃぐちゃ」を送りつけてきたので・・・キレましたわ。

確か、あれは我が人生最強の大バーが亡くなった時で、小学校時代のボーイフレンドまで涙を詰まらせ電話してきた年でした。
それほど存在感のある人が逝ったので、見事に「年賀状」は来ませんでした。

ただ一枚、郵便受けに入っていたのが「ぐちゃぐちゃ」さん。

ワタクシメも「やっちゃったぁぁぁ」はありますげね(ノД`)・゜・気がついたら謝ります。
その方からは「お悔み」ひとつなかったから、死ぬまで「ぐちゃぐちゃ」書いて、作家ぶって生きていくんだなー  合掌 (o|o)

それ以来、年賀状のシーズンになると、悲喜こもごも考えますのよ、ワタクシメ。
「喪中」のお宅に間違えて年賀状を送ると、スゴークみっともないから、全部出さない方がいいのかなーっとかね(^_-)


クリスマスの前に、ほぼ完成✌


昨日やっと年賀状の作成を開始しましたが、メール等のお付き合いができる方には、ハガキは失礼させていただくことにしました <(_ _)>
パソコンの性能がよくなり印刷も楽しいけれど、やっぱり労力使いますからね 💻

それでも今年はオヤジ様と合わせて、350枚は出すかな~
母上も元気で「岡田家のピーク時」には、500枚出していました。
当時はプリンターがヘボくて、ロスも多かったですけど (/ω\)

明日、名簿から抜け落ちたお名前を追加して・・・あとの補足は年明けに作業しまーす😊

これから作業する方、適当に楽しくがんばって下さい。



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師走の中休み

2018年12月22日 | 日記
本日は休息日

ちょうど雨も降ってて、大掃除も外出できないから・・・のんびりしようかなー 🎄
 
ここのところ股関節が痛くて落ち込んでいます。
もともと右側が弱かったんですが、加齢とともに筋力が低下。疲れてくると、もろに弱い所に痛みが出ます。

ワタクシメ、「手」が動かない分、足でフォローします。
特に「右足」は働き者です。
「痛く」なって当然。

痛い時は寝ていればいいのに、ヒマだと「ブログの更新」したくなる性分だから・・「しょうがない」っすわー。

書いた後は心身ともに爽快なので 😊☀ 明日の元気のために書きますよ⤴


年末の「観劇」総まとめ

大竹しのぶの「ピアフ」のことは前に書きましたが、その後立て続けに「三谷幸喜作の『日本の歴史』」と
「喜劇・有頂天団地  渡辺えり ・ キムラ緑子のW主演」を観ました。


「三谷幸喜作の『日本の歴史』」はチケットがなかなか取れないのですが、「障害者割引」という裏ワザで(笑)
ヘルパーさんが頑張って取ってくれました。
「取れた!」時点では、そのヘルパーさんと意気投合していて、信頼関係を強めたくて「付き添ってね」と頼んだのですが、
それが災いしたのか(?)、それから間もなくワタクシメから「NG」を出し、お辞めいただきました。

ワタクシメ、一対一で支援(介護)を受けていますから、心のボタンの掛け違いが続くと・・・無理⤵⤵⤵
お芝居は、三谷幸喜ワールド全開で大満足でしたが、ヘルパーとの苦い想い出のオマケも付いてしまいました (´;ω;`)ウッ…

「有頂天団地」は、 西尾まり ・ 鷲尾真知子・ 広岡由里子・ 笹野高史といったテレビでも馴染みのある俳優陣が多く、
ストーリーも単純で、素直に笑える芝居でした。
こちらは一次の抽選にハズレ、高い席を買ったので「もったいないかなー」とも思いましたが、間近で俳優さんたちの顔が見られて感激❣

主演の渡辺えりさんがセリフを忘れ、それを受けて演じ続けるキムラ緑子さんの「芝居」ではない芝居が最高に愉快でした。
かぶりつきで芝居を観るのは初めてで、演出でしょうが渡辺えりさんのパンティーまでのぞけて、妙な感動をおぼえました(大笑)

こちらの「お連れさん」は親子4代の付き合いのオバサマ。
母上が病気になってから、我が家を支えてくれている強力な助っ人♥
困った時すぐに飛んで来てくれますが、ロングの外出に付き添ってもらったことはありませんでした。

ワタクシメはお気楽に「遊びに行こうねー」と誘いましたが、
電車に乗ったり、弁当食べたり、車椅子トイレを探索したりwwwオバサマには初体験ばかりで迷惑だったかなー(T_T)
気苦労をお掛けしたかもしれませんが、一緒に笑えて、楽しい想い出ができ感謝です!



楽しんだ後はリバウンドがあるさってことで、体の痛みと付き合いながら、次なる「お遊び」を考えて行きますよ ✌
  ↓ 写真は知人にプレゼントしたクリスマスローズ(たぶん)



















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真面目なお出掛け「ドリアン助川さん」の巻

2018年12月19日 | 日記
正しくは「フォーラム『子どもの本の翻訳 フランスの子どもたちに届いた『あん』〜」


12/15、今年最後の「お出掛け」・・・たぶん(笑)
日本ペンクラブ「子どもの本」委員会主催の、翻訳フォーラム。一年を締めくくるにふさわしい真面目な所に行ってきました♿
映画を観て大ファンとなった、話題の一冊「あん」(ポプラ社)。
  ※ ネット通販@amazonの日本文学部門で1位となっているそうです。

2013年に出版され、2015年に故・樹木希林さん主演で映画化。
樹木さんが亡くなられてから注目度が増した気もしますが、ブルガリアでの刊行が決まり、『あん』は日本語を入れると世界14言語での作品となりました。
なかでもフランスが熱いそうです。

原作を読まれたり、映画を観た方はわかると思いますが、「フランス人が好むだろうなー」という作品です。

フォーラムは完成したばかりの「日本出版クラブのホール」で行われました。
新しい建物でおまわりさんに尋ねても場所がわからなかった・・・というオマケも付きましたが(笑)とても有意義な時間を過ごせました。

原作者のドリアン助川さんさんとフランス語訳されたミリアンさんとの対談。進行役は翻訳家の河野万里子さん。

『あん』が世界中に広がった理由について考えたり、
翻訳の際の裏話(?) 「どら焼き」を翻訳するにあたり思慮されたこと(どら焼きに限らず、その国にしかない物を他国に伝える苦労話)
今年の2月にアルザスの小中学校で行なった講義のエピソード。
ドリアンさん自身による朗読。
日本語とフランス語と読み比べ・・・などなど。

盛りだくさんなトークショーでした。



「あん」が世界で読まれている理由

まず「あん」をご存知ない方のために、ネットからあらすじを抜粋しご紹介します。

桜の咲き乱れる公園に面したどら焼き屋、『どら春』で、辛い過去を背負う千太郎は雇われ店長を続け、日々どら焼きを焼いていた。
ある日この店を徳江という手の不自由な老婆が訪れ、バイトに雇ってくれと千太郎に懇願する。
彼女をいい加減にあしらい帰らせた千太郎だったが、手渡された手作りのあんを舐めた彼はその味の佳さに驚く。
徳江は50年あんを愛情をこめて煮込み続けた女だったのだ。
店の常連である中学生ワカナの薦めもあり、千太郎は徳江を雇うことにした。
徳江のあんを使ったどら焼きのうまさは評判になり、やがて大勢の客が店に詰めかけるようになるが、
店のオーナーは徳江がかつてハンセン病であったとの噂を聞きつけ、千太郎に解雇しろと詰め寄る。
そしてその噂が広まったためか客足はピタリと途絶え、それを察した徳江は店を辞めた。
徳江を追い込んだ自分に憤り、酒に溺れる千太郎。ワカナは彼を誘い、ハンセン病感染者を隔離する施設に向かう。
そこにいた徳江は、淡々と自分も自由に生きたかった、との思いを語るのだった。


この物語はハンセン病の徳江が主人公ではありますが、「ハンセン病患者の苦悩」を声高に描いていません。
淡々とあんこを作る徳江。
時に「小豆の声」を聴きながら作業する姿は、仙人のようにも見えるのです。
徳江はすべての生き物の声を聴き、目には見えない姿も感じ取り、なぜ生きているのか? なぜ生まれてきたのか?
その答えを見出し、千太郎とワカナに語ります。
その光景は美しく、「言葉」が読者の心にすーっと沁みてゆきます。

「本」においては、文字として、
「朗読」すれば、音として、
そして「映像」にしても、
その世界観はとても自然で、読者(リスナー・観客)を包み込んでくれます。

「生まれてきたわけ」
「生きていくこと」

万国共通、誰でも自問自答するテーマでしょう。
それを作家・詩人・歌手・道化師というユニークなパーソナリティのドリアンさんの切り口で描いた故、
若者から高齢者まで、各々の感じ方で共感し読める作品に仕上がったのだと思います。



まだお読みでない方は、ぜひお手に取って下さい。
長編ですが、読みやすいので、すぐ読めます❣

どうしても「本は苦手ー」という方は、映画(DVD)をご覧になって👀
ほぼ「原作通り」ですから。

「あん」の世界に身を置くと、人生のリセットボタンを押した気がしますよ。
年末年始、「リセットボタン」を押す時間を作ってみてはいかがでしょうか?





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