家の前に横付けした車のトランクにボストンバッグを二つ押し込んで玄関に戻ると、浮き輪やらビーチボールが空気を抜いたぺしゃんこの状態で詰め込まれたビニール製のトートバッグと縦長のフロートが新たに追加されていた。
「遅いなあ。溜まる一方じゃんよ」
居間を仕切るドアを背中で押して入ってくるなり、Y美が苛立ちを露わにした。持ってきたクーラーボックスをドスンと上がりがまちに置くと、荷物の山を見下ろして、フ . . . 本文を読む
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