奈良散策 第636弾
11月11日は唐古・鍵考古学ミュージアムに行った後、鏡作坐天照御魂神社と鏡作麻気神社に行ってみました。
鏡作りは古代においては神に奉納する鏡を製作する職として大変重要な役割を果たしていました。この一帯はそのような鏡作りの職人たちが住んでいた鏡作郷として知られています。その中心となる神社がこの鏡作坐天照御魂神社(かがみつくりにいますあまてるみたまじんじゃ)です。
鳥居をくぐって参道を歩いていると鏡石がありました。
この鏡は神宝として祀られているものです。表通りにあった説明によると、崇神天皇が三種の神器として鏡を作らせたときの試鏡だとされているそうですが、実際には三角縁神獣鏡の縁が欠落したもので、中国製として考えられているそうです。
ここにはまた、鏡石というものが置かれていました。裏にある鏡池から江戸時代に出土したもので、粗鏡の仕上げに用いられたのではないかと考えられているそうです。
確かに石の中央が丸く凹んでいます。
これが鏡池で、古代から江戸時代にかけて鏡作り師が身を清めたとされていますが、なんだか汚い池のように見えます。
これは鏡石の横にあった手洗い場みたいです。
さらに行くと拝殿が見えてきました。
境内の中央に穴が開き、その周りを縄で囲っていました。
林の中にもこんな場所があります。拝殿の横に説明がありました。この神社ではできるだけ鎮守の杜の再生をしたいというので、雑草もそのまま生やし、枯葉は穴に敷き詰めているということでした。おそらくそのための場所なのでしょう。
こちらが拝殿です。
ちょっと裏に回って本殿を撮りました。この神社の祭神は天照国照彦火明命、石凝姥命、天糟戸命の三神だそうです。天照国照彦火明命は天孫降臨をした邇邇芸命(ニニギノミコト)の兄あるいは父とされています。石凝姥命は天孫降臨の際に従った五神の一人とされていて、天照大神の岩戸隠れの際に八咫鏡を作ったとされています。天糟戸命は鏡作部の遠祖とされている神だそうです。
鏡作坐天照御魂神社を出て、近くにある鏡作麻気神社にも行ってみました。この神社も先ほどの鏡作坐天照御魂神社と同様、延喜式神明帳に載っている由緒ある神社です。地図を見ると、この辺りなのですが、道がはっきりしません。でも、木がこんもりと茂っているところがそうだろうと思って、正面の細い道を歩いていきました。
そうしたら反対側に鳥居がありました。
思ったより小さな神社で、これが拝殿のようです。内部はちょっと荒れ果てたような印象でした。
これは観音堂。
細い道を歩いて24号線に出てから写真を撮ってみました。鳥居の手前にはこんな畑があり、どうも参道がはっきりしません。
最後は途中で見た赤とんぼで、マユタテアカネだと思います。