押井守:角川書店
押井守が戦後の歴史を角度を変えて(本気の冗談)見ようと言うものらしい。
はっきり言って疲れる作品。
戦後になぞって冗談を書いているのだろうが、全然わからない。笑えなかった。
だって、基になる知識がないから、なにをもじっているかもわからない。
途中までしゃれだって事にも気付かなかったんだから。
押井マニアには面白いんだろうな。
あと歴史の好きな人間には楽しめるかもしれない。
私には、解説本が必要だ。
映画になるそうだけど、DVDになってからでいい。見ないかもしれない。
ラストシーンを見るためだけに借りるかもしれないけれど。
屋台のそばから始まってファーストフードへ、カレースタンドはおまけだろう。そして最終章なるものは載っていない。映画化のためか?
内容のほとんどは歴史・風俗解説であり、ストーリー的な部分はわずかである。
その中でベトナム戦争時の日本が戦争に反対しながらもアメリカに理解を示す立場の2重構造は、現在のイラク政策に通じるところがあり、その偽善的立場は国民に精神的ジレンマを起こさせているところも同じだろう。
私としては「デパートの試食」や「食べたら無料」も取り上げて欲しかった。年代順に追って来た事と、カレースタンドを登場させたのならば、その先にあってもおかしくないものだろう。もしや、これが最終章の正体?そんなわけはないよな。だって、最終章は銀二の筈だから。
さて、この立喰師を押井守に置き換えてみると、その作品制作の過程が重なって見える。映画では表現しないだろうが、この本の中には押井自身の自嘲めいたものがあるのかもしれない。
この本は笑えない、わからないと書いたが、読んでいるうちに食い逃げをする自分を想像していたことに気づく。いまの飲食店ならば簡単にできる。それでもやらないのはなぜか?「原則なるものを保持しない機会主義」の徒であり、そんなところに自己実現を求めてはいないし、そこまで思想も人格も出来上がっていないからだろう。
え~と、引用の中心となる創作の人物、犬飼喜一とは荒俣宏のことだろうか?ただ単に「不連続線上の系譜」からヒットしたからだけど。
その他にも8人がイメージモデルとして登場する。
吉祥寺怪人:模型雑誌の編集長らしい。
兵藤まこ:俳優、声優、ナレーション
石川光久:プロダクションI.G社長
鈴木敏夫:プロデューサー(スタジオジブリ)
樋口真嗣:特撮マルチクリエータ
川井憲次:音楽家(BGM)
寺田克也:イラストレーター(キャラデザイン)
河森正治:アニメ監督、メカデザイナー
読めなかった漢字
詔(みことのり)、双眸(そうぼう)、窺う(うかがう)、曝される(さらされる)、訝る(いぶかる)、陥穽(かんせい)、煩雑(はんざつ)、横溢(おういつ)、膾炙(かいしゃ)、瞑す(めいす)、如く(ごとく)、如かず(いかず)、所謂(いわゆる)、痛罵(つうば)、煩瑣(はんさ)、屹立(きつりつ)、邪慳(じゃけん)、禁厭(きんえん)、準える(なぞらえる)、質す(ただす)、憚る(はばかる)、礫(こいし)、忌避感(きひかん)、沛然(はいぜん)、耳朶(じだ)、縋る(すがる)、慌しく(あわただしく)、須臾(すゆ)、攫う(さらう)、爾後(じご)、箴言(しんげん)、寛恕(かんじょ)
意味のわからなかった用語
ペダンチック :衒学的、知識をひけらかす傾向
ドラスティック:徹底的で激烈なさま
アポリア :論理的難点
アイロニー :皮肉、あてこすり
レゾンデートル:存在価値(理由)
ストイシズム :克己禁欲主義、厳格主義
デスペレート :絶望、自暴自棄
バイアス :偏った影響
ルサンチマン :奴隷道徳、怨恨。
押井守が戦後の歴史を角度を変えて(本気の冗談)見ようと言うものらしい。
はっきり言って疲れる作品。
戦後になぞって冗談を書いているのだろうが、全然わからない。笑えなかった。
だって、基になる知識がないから、なにをもじっているかもわからない。
途中までしゃれだって事にも気付かなかったんだから。
押井マニアには面白いんだろうな。
あと歴史の好きな人間には楽しめるかもしれない。
私には、解説本が必要だ。
映画になるそうだけど、DVDになってからでいい。見ないかもしれない。
ラストシーンを見るためだけに借りるかもしれないけれど。
屋台のそばから始まってファーストフードへ、カレースタンドはおまけだろう。そして最終章なるものは載っていない。映画化のためか?
内容のほとんどは歴史・風俗解説であり、ストーリー的な部分はわずかである。
その中でベトナム戦争時の日本が戦争に反対しながらもアメリカに理解を示す立場の2重構造は、現在のイラク政策に通じるところがあり、その偽善的立場は国民に精神的ジレンマを起こさせているところも同じだろう。
私としては「デパートの試食」や「食べたら無料」も取り上げて欲しかった。年代順に追って来た事と、カレースタンドを登場させたのならば、その先にあってもおかしくないものだろう。もしや、これが最終章の正体?そんなわけはないよな。だって、最終章は銀二の筈だから。
さて、この立喰師を押井守に置き換えてみると、その作品制作の過程が重なって見える。映画では表現しないだろうが、この本の中には押井自身の自嘲めいたものがあるのかもしれない。
この本は笑えない、わからないと書いたが、読んでいるうちに食い逃げをする自分を想像していたことに気づく。いまの飲食店ならば簡単にできる。それでもやらないのはなぜか?「原則なるものを保持しない機会主義」の徒であり、そんなところに自己実現を求めてはいないし、そこまで思想も人格も出来上がっていないからだろう。
え~と、引用の中心となる創作の人物、犬飼喜一とは荒俣宏のことだろうか?ただ単に「不連続線上の系譜」からヒットしたからだけど。
その他にも8人がイメージモデルとして登場する。
吉祥寺怪人:模型雑誌の編集長らしい。
兵藤まこ:俳優、声優、ナレーション
石川光久:プロダクションI.G社長
鈴木敏夫:プロデューサー(スタジオジブリ)
樋口真嗣:特撮マルチクリエータ
川井憲次:音楽家(BGM)
寺田克也:イラストレーター(キャラデザイン)
河森正治:アニメ監督、メカデザイナー
読めなかった漢字
詔(みことのり)、双眸(そうぼう)、窺う(うかがう)、曝される(さらされる)、訝る(いぶかる)、陥穽(かんせい)、煩雑(はんざつ)、横溢(おういつ)、膾炙(かいしゃ)、瞑す(めいす)、如く(ごとく)、如かず(いかず)、所謂(いわゆる)、痛罵(つうば)、煩瑣(はんさ)、屹立(きつりつ)、邪慳(じゃけん)、禁厭(きんえん)、準える(なぞらえる)、質す(ただす)、憚る(はばかる)、礫(こいし)、忌避感(きひかん)、沛然(はいぜん)、耳朶(じだ)、縋る(すがる)、慌しく(あわただしく)、須臾(すゆ)、攫う(さらう)、爾後(じご)、箴言(しんげん)、寛恕(かんじょ)
意味のわからなかった用語
ペダンチック :衒学的、知識をひけらかす傾向
ドラスティック:徹底的で激烈なさま
アポリア :論理的難点
アイロニー :皮肉、あてこすり
レゾンデートル:存在価値(理由)
ストイシズム :克己禁欲主義、厳格主義
デスペレート :絶望、自暴自棄
バイアス :偏った影響
ルサンチマン :奴隷道徳、怨恨。