「思い通りの死に方」中村仁一/久坂部羊(ひつじじゃないよ、”よう”だよう) 2012幻冬舎新書
まあね、あとがきにも書かれている通り、これまでと同じことを繰り返すだけなんですが、それまでの本の再販が出ないということで需要があるらしいです。
ってか、わたしは「大往生したけりゃ医療とかかわるな」「思い通りの死に方」「どうせ死ぬなら「がん」がいい」の3冊と、石飛幸三さんの「「平穏死」のすすめ」をまとめて買ってしまったわけですが。(この本は図書館で借りてから持っていることに気付いた)
対談方式はね、読みやすくていいです。
寝る前の酒の肴にどうですか。(私は飲まないけど)
一緒に世間話をしているつもりになれそうですよ。
お二人とも少し癖があるので100%傾倒することは無理ですが、まあ、参考にはさせてもらいましょう。
病人の捏造
年のせいなのに認めたくない年寄りと、症状を病気として名前を付け(健康的な人まで病気扱いし)て儲ける医者。安心(勘違い)を売るということで利害が一致してしまうんですね。不幸なことに。
医者の「助かる」は命の延長
患者の「助かる」は「元に戻る」
生活習慣病は治らない。
自分の力で助かり、医者はそれを補助するだけ
なのに、医者が助けたと勘違い
死なせる医療を
自分には延命療法を拒否する医者
末期に熱が出るのは当たり前、当人は苦しくない。
1週間くらいの便秘も当たり前、食べていないのだから。
それまでに何もしてこなかったから、間際に罪滅ぼしで「できるだけのことをしたい」として当人を苦しめる家族。
布団の中で見つかる孤独死は苦しまなかったはず。
孤独死を防ごうとするのは行政と大家の都合。当人はそれを望んでいるかもしれない。
がんのイメージが苦しみになるのは治療のせい。
有名人たちの闘病はマスコミとぐるになった自己表現・自己満足、一般人には同じようなモチベーションは持てない。
治療をせずに自らの仕事に打ち込んだ生き様こそが、本来見せるべき姿だろう。
(どちらも認めるべき選択であり、一般人が参考にできるようにバランスよく報道してもらいたい)
がんにならない方法は、がんになる前に死ぬことだけ。
または年を取らなくなること。
今更「効果がない」と言えない厚生労働省と、検診事業を生業とする人たち。
不安を煽っての恫喝産業。
尊厳死
延命処置を始めても途中で中止できる制度を。
あす死ぬかもしれないからこそ、今日を大切に生きられる。
老いを認め、受け入れ、コントロールしてうまく付き合っていく。
死はワンチャンス。
やり直しは利かない。
根拠のない見せかけの安心が蔓延する社会。