え~っ、江戸・東京の魚市場ってーと、関東大震災までは日本橋が有名でしたね
ところが、日本橋には覆いかぶさるように首都高速が通り、ここ数年の再開発で昔の面影なんぞ見る影もなし
ここに魚河岸があったとは到底思えない変りようですな
で、いまじゃ魚河岸ってーいえば築地、築地と言えば魚河岸!というくらい
河岸が日本橋から築地に移転してからだいぶ経ちますが、こんどは豊洲に行くそうで
日本橋から築地、そして豊洲へとね。平成28年ってーいいますから再来年ですな
さて、オイラの会社がある芝浦運河界隈
最寄り駅は田町か浜松町ってーことですが、高級車ベンツの総元締めで有名なヤナセ
そのヤナセの本社あたりが芝1丁目、江戸時代、この辺りに市場があったそうです
ちょうどJR山手線の線路あたりまでが海岸線だったそうでして、ヤナセは線路よりだいぶ
海側にありますから、昔は海。当り前ですが、そんなところが埋め立てられ、ヤナセや、
ジュリアナ東京ができるとは誰も思ってやしませんよね
さて、芝の市場「芝浜」に話を戻しますが、日本橋の河岸(かし)とは比べようがない
そりゃ~小規模なもんで、扱う魚も小魚ばかり。上等なものなどありゃしない
俗にいう“雑魚”ってーやつ。それでも、文句なしの江戸前であり、生きはよかった
また、「芝浜」は”日本橋の河岸”より古く”雑魚場”と呼ばれ、庶民には人気があったそうで、
ウナギ、アナゴ、キス、ハゼ、カレイ、シャコ、スズキ、アジ、海老、蛤、アサリ等、
多くの魚貝類が商われていたそうで、江戸っ子はこうした新鮮な江戸前ものを”芝肴”として珍重されたそうで、
特に海老は特産品として将軍にも献上されるほど
そして芝で獲れた海老こそが真の「芝海老」ということになる
しかし、江戸前のキス、ハゼ、スズキ・・・・いまじゃ超!がつく上等な魚になっちまいましたね
ということで、ここまでが落語でいうところの「マクラ」
で、次から古典落語で有名な「芝浜」が始まる
芝浜と言えば三代目 桂三木助。笑点でお馴染みのキクちゃんのお師匠さんだ
その三木助が得意とした「芝浜」、主人公は「飲んだくれの勝五郎」
そんな勝五郎が再起を図るに、浜芝はおあつらえ向きの舞台だった
勝五郎は天秤棒を担ぎ、江戸前の魚の行商。通称「「ぼて」ってーやつ
ぼては、だれでも始められる手っ取り早い商いだったそうで、江戸時代には次第に増え、
しまいには収拾がつかず、鑑札(許可証)が必要となるほど人気商売だったそうだ
これ以降は高座で聴いてもらえばいいが、この芝浜の舞台となった芝・芝浦界隈も
高層のタワーマンションが立ち並び、昔の風情などありゃしない
それでも、運河があるだけでだいぶ癒されるね
今日も何種類もの渡り鳥がプカプカと運河で羽根を休めている
なんとものどかな風景だ
また、今日は満月で大潮。ちょうどこの時間が満潮で、遊歩道の低いところは冠水している
まもなく日没(16:34)、そして今日の月出は16:38!と、もうすぐ
幸い、上空には青空が見える
あと数分で満月が顔をだす・・・・クリスマスと満月
芝浜の時代、クリスマスの喧騒など必要なく、満月だけで十分愉しめたんだろうね