ねこ吉のよしなしごと

どうでもいい事ばかり書いていますが・・・。すっかり備忘録になってます。

懐かしい名前

2022-05-07 20:27:49 | 思い出


(ポートライナーから撮った写真です。)

知床観光船沈没事故のニュースを見て、言いようのない腹立たしさで、桂田社長の顔を見るだけでも気分が悪くなる。
もう、2週間も経つんだねぇ・・・。

未だ行方不明のままの方もいる。
沈没した船を引き上げるのには、莫大な費用がかかるらしい。

4,5日前、国土交通相が、引き上げを民間企業に依頼したというNHKのニュースを見た。
NHKだから、企業の名前は伏せているんだなぁと思っていたら、「FUKADA SALVAGE」と書いた船が航行していく様子が写った。

深田サルベージ・・・。懐かしい名前だ。




ねこ吉は、短大を卒業して、損保会社に就職。神戸支店船舶課に配属された。
主に神戸にある船会社の船の保険を扱う課だった。

仕事は船の保険の証券依頼書を書いたり、営業社員がもらってきた保険料(小切手だった)を会計課に持って行ったり、請求書を書いたり、お客さんが来たらお茶を出したり。その他諸々・・・。

前任者の女性社員Yさんは入社1年で寿退社することになり、2代目がねこ吉だった。

Yさんは、4年制大学を卒業したおっとりしたお嬢様だった。
意地悪もせず、自分の失敗も話しながら優しく指導してもらった。

「証券依頼書を書く時には、「苫小牧」と書いてね。苫小牧の牧を、私は苫小枚と枚数の「枚」と書いてしまって、本社から課長に、『間違いが多くて困る。全く大学を出てるのかね!』とお叱りの電話がかかって来たのよ。」と笑いながら言ってた。

今考えると、随分酷い言い草だと思う。「大学を出てるのかね!」なんて言う必要があるのか。
Yさんは、立派な4年制大学を出ているから気にもならなかったかもしれないけど。



話がかなりそれてしまったけど、ねこ吉が何故「深田サルベージ」が懐かしいかというと・・・。

船舶課の隣に、海損課という、船の事故を調べて保険金を払う手続きをする課があった。
ここは、男性4人の課だった。
海損課にお客さんが来たら、ねこ吉がお茶を出す。

台風などの後は、船の事故が多い。

どんな事故かと船名を書いた赤いラインの入ったカードのような紙が海損課から回って来る。

ねこ吉が、船の明細を書き入れる。
苫小牧港では、よく事故が起こった。
Yさんを思い出しながら、慎重に事故報告書を書いた。

そして、海損課はよく事故の調査等を「深田サルベージ」に頼んでいた。
皆「深サル」と略していた。

ここまで来るまで、延々と脇道にそれたが・・・。

「深田サルベージ」の船を見て、遠い、遠い昔を思い出した次第。