ねこ吉のよしなしごと

どうでもいい事ばかり書いていますが・・・。すっかり備忘録になってます。

「ブティック・リリー」の思い出

2025-02-13 17:50:06 | 思い出
 


今朝、起きようと思ったら左足大腿部から足先にかけて痛い。

かなり痛い。どうしたのかなぁと考える。
多分、昨日久しぶりにロングブーツを履いて洋裁に出かけて行ったからだわ。
 
かぶれるのを承知で、大きな湿布を3枚べったり貼った。
 
今日は、今回作ったオーバーのことで思い出した事を書いておきたい。
 
上の写真は、オーバーの袖の部分。
姫袖というかベルスリーブ。
裏側にフェイクファーをつけて折り上げて七分袖のようにして着る。
 
布は毛布のようなカーキ色。梅田阪急のセッセでセールで買った。
 
難点は重いこと。
 
ねこ吉が幼い頃、押し入れにこんな色の毛布があった。
母から、アメリカ軍の毛布だと聞いた。端っこに黒の星のマークがあった。
何故、うちの家にあったのか判らない。
 
この布でコートを縫いながら、そんな遠い昔のことも思い出した。
 
 
折り返さなければ、こんな感じ。用尺が少ないので丈を長くしようと思えば袖は短くせざるを得なかった。
 
袖にボリュームを出すため、衿無しにした。
 
何故、こんなコートを縫いたかったのか・・・。
 
 
損保会社の船舶課のOL(死語)をしていた頃、元町商店街に「ブティック・リリー」というブティックがあった。
会社帰りにお洒落なマネキンがいるウィンドウ見ながら駅に向かう。
 
マネキンが後姿なのが特徴で、後ろが凝ったデザインだったり、工夫があって何通りにか変化させて着られる服が多かった。当然高かった。
 
当時のねこ吉は、主に三宮や梅田のSUZUYAや三愛で服を買っていた。
 
会計課のお局様のカメノさんは、ブティック・リリーの服を着ていた。そして自慢していた。
 
英文タイピストのカワイさんが、ブティック・リリーでオーバーを買った。
ケープがついた深緑のコートは素敵なデザインで、黒のロングブーツを履いてカワイさんは得意げだった。
カワイさんは芦屋のお嬢様だった。
 
あんなコートは、SUZUYAにも三愛にも売ってない。
 
ねこ吉も欲しい。
 
会社帰りに恐る恐る店に入った。
 
おじいさんみたいな店の人が、水色とオフホワイトの千鳥格子のテントラインのオーバーを出してきた。
袖が広がっていて、折り返すとベージュのファーがたっぷりついていた。
何か中世のお姫様のローブみたい。
小さなスタンドカラーで、真鍮色のコロンとしたボタンがたくさんついていた。
 
背が低いねこ吉には丈が長かった。
裾上げは後ろを長く前を短くしてくれた。前後差をつけることで低身長がカバーできるということを知った。
 
脇に穴をあけてそこにベージュのベルトを通せるようにしてくれた。
前から見たらベルトを締めているように見えるけど後ろはベルトは見えずたっぷりフレアーがある。
クルッとターンしてみた。凄く気に入った。
 
お直し、ベルト込みで5万円ぐらいだった。
 
今から50年近くも昔の話である。今でも5万円のコートなど買えません。
 
ねこ吉は清水の舞台から大ジャンプしたんです。
 
結婚して松戸に住み、子育てが続き、このオーバーを着て東京に行くこともなく、管理が悪くて虫に喰われ・・・。泣く泣く捨てたんです。
 
まるで同じオーバーを作ることは出来ないけど、せめて袖だけでも再現してみたい。
フェイクファーはユザワヤで980円で手に入れた。ベージュと迷ったけど茶色にした。
随分安上がりで、似たようなオーバーが出来上がった。
遠い遠い昔に思いを馳せながら・・・。
 
 
ポケットに、ねこ吉が作ったブローチをつけてみた。
バックルにお気に入りのリボンを通しただけ。
 
追記
 
ブティック・リリーのオーバーを着て、踵の高い編み上げブーツ履き、1976年2月7日から8日間、南回りの飛行機でヨーロッパに行った話は、その内書くかもしれません・・・。
 
 
 
 
 


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