サイトウ歯科 院長ブログ

西宮市門戸厄神駅前「サイトウ歯科」の院長が歯科に関する記事を綴っています www.saitodental.jp

歯の噛み合わせ問題(8)

2024-09-09 17:42:46 | 歯科

歯の噛み合わせ問題についての最終回となります

ここまで噛み合わせの大切さについてお話ししました

噛み合わせがうまくいっていないと歯が失われていくことは理解していただけたと思いますが

テレビのコマーシャルでは虫歯と歯周病の話しか話題にしません

それは歯磨き粉やデンタルリンスでは噛み合わせを治すことができないからです

歯を失う大きな原因である噛み合わせを正常化させることは歯を守ることにおいて大きな意味を持ちます

それを意識できるかどうかが皆さんの歯の寿命に直結していきます




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歯の噛み合わせ問題(7)

2024-09-02 17:33:32 | 歯科

最初の記事にあった奥歯の噛み合わせが悪いと歯が失われてしまうという話に戻りますが

では歯が失われたところはどうやって治すのが一番いいのでしょうか?

噛み合わせの力を受ける歯の本数を増やすことがそれぞれの歯の負担を減らすことになりますから

第一選択はインプラントになります

インプラントがいいとか悪いとか色々意見がありますが、残っている歯の負担を減らすと言うことに話を絞れば

ブリッジや入れ歯が残っている歯に負担をかけてしまう以上、インプラントが最適となります

ただ、ここで気をつけないといけないのは歯を失った原因が噛み合わせにある場合、

そこにインプラントを入れたとしてもインプラントも失敗してしまう可能性があります

インプラント治療が全てを解決するわけではなく、噛み合わせを正常化させた上で

治療を行えばインプラントも長持ちします

当たり前のことですが、歯を失いどのような治療方法を選ぶか考える際

噛み合わせについてもう一度しっかり考えた上で治療を受けることが大切です

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歯の噛み合わせ問題(6)

2024-08-26 17:26:51 | 歯科

噛み合わせが悪いと負担がかかった歯が壊れることは今までのお話で理解していただいたと思います

ただ、この噛み合わせというのは脳からの指令で顎の筋肉を動かしているのですが

その肝心の脳に異常が出て噛み合わせの力のコントロールができなくなる場合はあります

それが「はぎしり」「食いしばり」と呼ばれるものです

こればかりは噛み合わせが悪いわけではないので歯科医師にできることは

歯を守るためのプロテクターを患者さんに装着してもらうことになります

これが、身代わり地蔵ならぬ身代わりマウスピースです

これはどこの歯医者でも作ってもらえるのでマウスピースを身代わりにして歯を守りましょう


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歯の噛み合わせ問題(5)

2024-08-21 17:20:10 | 歯科

前回、歯の詰め物の治し方で歯の寿命が変わるというお話をしましがでは被せ物ではどうなのでしょう?

最近、レジン樹脂を歯に詰めるのではなく被せ物を作る場合はレジンブロックから削り出して作るCAD CAMといった技術が開発され

保険適応されたため、安く白い歯が入ると人気です

前回までの話を読まれた方はもうお気づきだと思いますが、そうです やはり削れてしまうのです

以前から入れ歯に使う硬質レジンという人工の歯はかなり硬いにも関わらず何年かすると削れてしまい

噛み合わせが変わってしまうので長持ちさせるためにセラミックや金属の歯を入れ歯に入れることもしばしばありました

これから何年も使っていくご自分の歯ですからどういった治療方法を選ぶのかかかりつけの歯科医師の先生とよく相談してから

治すようにしましょう

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歯の噛み合わせ問題(4)

2024-08-19 17:08:14 | 歯科

前回は歯並びや噛み合わせが悪い方は歯列矯正で噛み合わせを治すことが歯の長持ちにつながるというお話をしました

では若い頃に噛み合わせを治せばあとはもう安心と思った方も多いと思いますが

その後の虫歯の治療のやり方によって噛み合わせが変わってくる可能性があります

最近、歯の詰め物は金属ではなくレジンという樹脂で詰めることが健康保険内の治療では普通になってきていますが

実はこのレジンという材料は金属と違って削れていってしまいます

耐久性が上がったとはいえ金属と比較すると圧倒的に削れていきます

最近そのレジンの削れたところに噛み合わせる反対の歯が伸びてきて噛み合わせがガタガタになっている患者さんを多く見かけるようになりました

プラスチックであるレジンと金属では耐久力が全く異なるのですが見かけは白く、しかも保険で安く治療できるレジンが人気です

でも10年、20年後のことを考えると毎日金属のフォークとプラスチックのフォークを使えばどうなるか想像すれば

結果は明らかです

歯の詰め物一つにしても少しでも長持ちするものを詰めた方が歯が長持ちすることは明白です

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歯の噛み合わせ問題(3)

2024-08-15 17:01:23 | インプラント学会

前期までに噛み合わせが歯を長持ちさせるのに大切なことを説明しました

では噛み合わせが悪い方はどうすればいいのでしょうか?

「歯列矯正」が必要です

見かけを良くする目的で歯列矯正をする方が多いのですが、

本来、歯列矯正の目的は、腕が曲がっている、足の長さが左右違う、といった病気を治すのと同じように

病気を治すのが目的です

なので一番見落とされやすいのが歯並びはいいけど噛み合わせが悪い方です

見かけがいいので治療の必要を本人は感じていないのですが

負担が集中した歯から壊れていくとは避けられません

これも今までの話て当たり前のことですがなかなか理解していただけない事案です

まずは歯科医院にて噛み合わせについて相談してみてください

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歯の噛み合わせ問題(2)

2024-08-12 16:54:06 | 歯科

前回奥歯の噛み合わせが悪いと歯が失われるといった話でしたが、

では前歯は噛み合わなくてもいいのでしょうか?

まあ、普通に考えると前歯が全部ない方が奥歯だけで食事をしていたら負担が集中するから当然歯を失いやすくなリます

ただ、ここにもう一つ前歯の大切な役割があるのです

それは「繊細な感覚」です

噛み合わせると歯を支えている歯根膜という膜が神経を通じて噛んだ感覚を脳に伝えています

それを感じた脳は顎の筋肉に指示を出して噛む力をコントロールしています

そして前歯は軟らかいものをかみ切るために敏感に、奥歯は硬いものを噛み潰すために鈍感にできています

なので前歯が噛み合っていないと鈍感な奥歯で噛み続けることにより、いずれ奥歯が壊れてしまいます

歯はそれぞれの役割があるので奥歯が大切で前歯は大切ではないということはありません

全ての噛み合わせがしっかりうまくいっていることが歯が長持ちする条件となります

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歯の噛み合わせ問題(1)

2024-08-05 16:09:49 | 歯科

朝日新聞デジタルに 「奥歯のかみ合わせの悪化、歯を失うリスクが最大6倍に 10万人調査」との記事がありました

奥歯のかみ合わせが悪いと、残っている歯への負担が増し、歯を失いやすいと臨床現場では実感されていたが、

残る歯のさまざまなパターンを考慮した大規模な追跡調査はこれまでなかった。とのこと、、、

普通に考えて奥歯がなければ前歯に負担がかかって悪くなるのは誰でもわかることです

なのになぜ、わざわざ国立大学の研究チームや歯科医師会が追跡調査をして朝日新聞で当たり前のことを記事にするのか?

それは普通に考えて当たり前のことを臨床現場で歯科医師が患者さんに説明しても理解してもらえないからです

噛み合わせの大切さを理解していただけない方が多いので

「国立大学で10万人調べた結果、奥歯が無いと歯がなくなりますよ!奥歯を失った方!あるいは奥歯の噛み合わせが悪い方!歯を治しましょう!」

ということになったわけです


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口腔インプラント治療指針2024が発刊されました!

2024-07-30 17:35:03 | インプラント学会

このたび、日本口腔インプラント学会より「口腔インプラント治療指針2024」が発刊されました。

この指針は、インプラント治療に関する最新の知見や推奨される治療方法をまとめたものです。

口腔インプラント治療指針は、インプラント治療に関する標準的な方法や治療プロセスについて詳しく解説しています。

新たに発刊された2024年版では、最新の研究成果や技術革新が反映されており、より安全で効果的な治療を目指しています。

インプラント治療に関する情報は、ネット上で様々な意見や解説が交錯しているため、患者様が混乱することも少なくありません。

しかし、治療指針は開業医が独自に作ったものではなく日本の歯科大学を始め学会の専門家によって監修された信頼性の高い情報源です。

この指針を参考にすることで、より確実で安心できる治療方法を理解し、自分に最適な治療選択ができるようになります。

しかも「口腔インプラント治療指針2024」は、どなたでも無料でダウンロードすることができます。

指針のダウンロードは以下のリンクから可能です:https://www.shika-implant.org/shika/wp-content/uploads/2024/03/shishin2024.pdf

また、具体的な治療の流れについても、学会のホームページにてご紹介しております。

また、ホームページでは患者様の近くの専門医を探すこともできます

「口腔インプラント治療指針2024」は、インプラント治療の信頼できる情報源として、患者様の治療に対する理解を深める手助けとなるでしょう。

ぜひこの機会にダウンロードし、安心して治療に臨んでください。

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オリンピック代表選手が喫煙で辞退!?

2024-07-23 10:14:17 | 歯科

オリンピック体操の日本代表選手が20歳以下でタバコを吸っていたことが問題となり、出場を辞退する事態が起こりました。

このニュースを受けて、いろいろな意見が上がっていますが

「20歳以上であればタバコを吸ってもよかったのに」という見解に歯科医師としては逆に違和感を覚えます

タバコは健康に極めて悪影響を与える危険な習慣であり、特に歯周病の進行に深刻な影響を及ぼします

もちろん口腔内だけでなく全身的にも癌などのリスクを向上させます

そのため、20歳未満であればもちろんタバコを吸うことは避けるべきですが、

20歳以上であっても健康への悪影響は同様に大きいということを認識することが重要です。

習慣化して長期間喫煙すればよりリスクは向上していきます。

オリンピックの父であるクーベルタンが唱えたオリンピックの精神は

「スポーツを通して心身を向上させ、文化・国籍などさまざまな違いを乗り越え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって、平和でよりよい世界の実現に貢献すること」

未成年に限らず、喫煙することは心身を向上させるのと目的としたオリンピック精神に反します

オリンピックが無事開催されて、皆さんの健康と世界の平和に役立ちますように

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