サイトウ歯科 院長ブログ

西宮市門戸厄神駅前「サイトウ歯科」の院長が歯科に関する記事を綴っています www.saitodental.jp

親知らず問題(5)

2024-10-14 09:58:56 | 歯科

今回は「親知らずは生えてきたら抜いた方がいいの?」についてお話しします

上のイラストを見ていただくと親知らずが手前の歯に向かって横に向いて生えてきています

そして歯の頭の部分は歯茎が歯と完全にくっついていないので一部だけ顔を出した状態だと

歯の周囲にポケットができてしまい歯周病になってしまうのです

では下のイラストだと親知らずが出てきていないので放置していても大丈夫なのでしょうか?

このまま何も起きない患者さんもいるのですが、一生問題が起きないとも言い切れません

というのは高齢化して歯周病になってくると歯肉や顎の骨が痩せてきて親知らずが将来露出してくる可能性があるからです

前回、高齢になってきてから親知らずに問題を生じている患者さんのお話をしましたが、

まさにそのパターンが実際多いのです

もちろん何も起きず一生を終える患者さんもおられますが、もし問題が起きて抜歯の必要性が出てきた時は

それなりにリスクがあります

なので親知らずは生えてきたら抜いた方がいいのですが、生えてきていなくても抜けるなら抜いておいたほうが

将来的なリスクを減らすことができることを覚えておきましょう

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親知らず問題(4)

2024-10-07 09:50:29 | 歯科

前回、問題の起きている親知らずや問題を起こしそうな親知らずは早めに抜歯をお勧めするとお話ししましたが

これには理由があります

日本は長寿の国でそれは喜ばしいことなのですが高齢の患者さんで親知らずが痛いと来院される患者さんが少なからずお見えになります

ところがどうしても高齢の患者さんは親知らずの抜歯手術を受けるには体力的にきついものがあったり、

心臓病、糖尿病、骨粗鬆症などの持病をお持ちの方が多くおられ

抜歯のリスクがとても高くなっています

歯医者も親知らずをレントゲンで見つけても患者さんに抜歯を必ずしも勧めないので

何年もそのままになっていて高齢になってから問題を生じさせて困ってしまうという患者さんが

実際に来院されご本人も困っておられます

ここでよく患者さんが言われる「先生、親知らずは生えてきたら抜いた方がいいのですか?」について次回お話しします

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親知らず問題(3)

2024-09-30 09:43:17 | 歯科

親知らずに問題が生じた場合、親知らずの生えている場所に問題がある場合は抜歯処置が基本的な治療になりますが

歯が生えるべき場所ではないところに生えているのが親知らずなので一般の歯科クリニックで抜歯ができることもありますが

顎の骨に深く横たわっている親知らずや周囲に重要な血管や神経の走行が認められた場合は

大きな病院にある歯科口腔外科にて抜歯するのがお勧めです

歯科口腔外科は文字通り、お口の外科の専門医で設備も整っているのでより安全に抜歯処置が行えます

かかりつけの歯科クリニックにて相談すれば紹介状を書いてもらえると思いますので

親知らずに問題が起きている、あるいは起きそうな人は早めの抜歯をお勧めします

なぜ早めに抜歯をお勧めするのか?次回はそのお話しをしていきます

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親知らず問題(2)

2024-09-23 09:35:32 | 歯科

前回親知らずとは何か?どうして痛くなるのかお話ししましたが

実は痛みがなくても親知らずは様々な問題を引き起こします

1)歯茎の炎症(智歯周囲炎)を生じさせ、周囲の骨、リンパ節、炎症が広がっていくと敗血症や心臓病のリスクも生じます

2)隣接する歯の虫歯や歯周病を生じさせ、結果として手間の歯も失う可能性があります

3)歯列の乱れを生じさせ、噛み合わせや歯並びが悪くなってくる可能性があります

4)嚢胞や腫瘍を生じさせることもあり、より大きな外科処置が必要になる可能性があります

これらは痛みなく進行することがありますので親知らずがあるかどうか?

また、放置しておいて問題が起きそうかどうか?

歯科医院で定期検診時にチェックしてもらうようにしましょう

次回は親知らずが問題を起こした場合の処置についてお話しします

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親知らず問題(1)

2024-09-16 09:23:42 | 歯科

親知らずが痛くなって来院される患者さんが今日もこられました

ところで親知らずとは何でしょう?

親知らず(第三大臼歯)は、最も奥に生える歯で、通常17歳から25歳の間に生えます。

しかし、現代人の顎は小さくなっており、親知らずが正常に生えるスペースが不足していることが多いです。

これにより、親知らずが斜めに生えたり、埋没したりすることが頻繁にあります。

そして歯磨きがうまくできないことにより親知らずの周囲の歯茎が炎症を起こすことを

智歯周囲炎(ちししゅういえん)と言います

一番奥歯の歯周病ですね

なので抗生物質を投与すると炎症が治ることがほとんどですが

歯周病なので根本的な治療にはなりません

では放置しておくとどうなるのでしょう?

次回からは親知らずを放置しておくとどんなリスクがあるのか説明していきます


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歯の噛み合わせ問題(8)

2024-09-09 17:42:46 | 歯科

歯の噛み合わせ問題についての最終回となります

ここまで噛み合わせの大切さについてお話ししました

噛み合わせがうまくいっていないと歯が失われていくことは理解していただけたと思いますが

テレビのコマーシャルでは虫歯と歯周病の話しか話題にしません

それは歯磨き粉やデンタルリンスでは噛み合わせを治すことができないからです

歯を失う大きな原因である噛み合わせを正常化させることは歯を守ることにおいて大きな意味を持ちます

それを意識できるかどうかが皆さんの歯の寿命に直結していきます




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歯の噛み合わせ問題(7)

2024-09-02 17:33:32 | 歯科

最初の記事にあった奥歯の噛み合わせが悪いと歯が失われてしまうという話に戻りますが

では歯が失われたところはどうやって治すのが一番いいのでしょうか?

噛み合わせの力を受ける歯の本数を増やすことがそれぞれの歯の負担を減らすことになりますから

第一選択はインプラントになります

インプラントがいいとか悪いとか色々意見がありますが、残っている歯の負担を減らすと言うことに話を絞れば

ブリッジや入れ歯が残っている歯に負担をかけてしまう以上、インプラントが最適となります

ただ、ここで気をつけないといけないのは歯を失った原因が噛み合わせにある場合、

そこにインプラントを入れたとしてもインプラントも失敗してしまう可能性があります

インプラント治療が全てを解決するわけではなく、噛み合わせを正常化させた上で

治療を行えばインプラントも長持ちします

当たり前のことですが、歯を失いどのような治療方法を選ぶか考える際

噛み合わせについてもう一度しっかり考えた上で治療を受けることが大切です

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歯の噛み合わせ問題(6)

2024-08-26 17:26:51 | 歯科

噛み合わせが悪いと負担がかかった歯が壊れることは今までのお話で理解していただいたと思います

ただ、この噛み合わせというのは脳からの指令で顎の筋肉を動かしているのですが

その肝心の脳に異常が出て噛み合わせの力のコントロールができなくなる場合はあります

それが「はぎしり」「食いしばり」と呼ばれるものです

こればかりは噛み合わせが悪いわけではないので歯科医師にできることは

歯を守るためのプロテクターを患者さんに装着してもらうことになります

これが、身代わり地蔵ならぬ身代わりマウスピースです

これはどこの歯医者でも作ってもらえるのでマウスピースを身代わりにして歯を守りましょう


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歯の噛み合わせ問題(5)

2024-08-21 17:20:10 | 歯科

前回、歯の詰め物の治し方で歯の寿命が変わるというお話をしましがでは被せ物ではどうなのでしょう?

最近、レジン樹脂を歯に詰めるのではなく被せ物を作る場合はレジンブロックから削り出して作るCAD CAMといった技術が開発され

保険適応されたため、安く白い歯が入ると人気です

前回までの話を読まれた方はもうお気づきだと思いますが、そうです やはり削れてしまうのです

以前から入れ歯に使う硬質レジンという人工の歯はかなり硬いにも関わらず何年かすると削れてしまい

噛み合わせが変わってしまうので長持ちさせるためにセラミックや金属の歯を入れ歯に入れることもしばしばありました

これから何年も使っていくご自分の歯ですからどういった治療方法を選ぶのかかかりつけの歯科医師の先生とよく相談してから

治すようにしましょう

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歯の噛み合わせ問題(4)

2024-08-19 17:08:14 | 歯科

前回は歯並びや噛み合わせが悪い方は歯列矯正で噛み合わせを治すことが歯の長持ちにつながるというお話をしました

では若い頃に噛み合わせを治せばあとはもう安心と思った方も多いと思いますが

その後の虫歯の治療のやり方によって噛み合わせが変わってくる可能性があります

最近、歯の詰め物は金属ではなくレジンという樹脂で詰めることが健康保険内の治療では普通になってきていますが

実はこのレジンという材料は金属と違って削れていってしまいます

耐久性が上がったとはいえ金属と比較すると圧倒的に削れていきます

最近そのレジンの削れたところに噛み合わせる反対の歯が伸びてきて噛み合わせがガタガタになっている患者さんを多く見かけるようになりました

プラスチックであるレジンと金属では耐久力が全く異なるのですが見かけは白く、しかも保険で安く治療できるレジンが人気です

でも10年、20年後のことを考えると毎日金属のフォークとプラスチックのフォークを使えばどうなるか想像すれば

結果は明らかです

歯の詰め物一つにしても少しでも長持ちするものを詰めた方が歯が長持ちすることは明白です

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