サイトウ歯科 院長ブログ

西宮市門戸厄神駅前「サイトウ歯科」の院長が歯科に関する記事を綴っています www.saitodental.jp

ジルコニアという新素材

2020-12-07 10:20:35 | 審美歯科

今日はまた新素材の話です

最近ジルコニアを使って歯を直す機会が増えてきました

ジルコニアとはジルコニウムを酸化させた化合物でセラミックの一種で人工ダイヤなどにも使われています

写真では真ん中のはは金属で治療していますがその両側の被せ物と詰め物がジルコニアになります

健康保険で白い被せ物はすべてプラスチック(レジン)なので変色したり削れたりするのでセラミックを使用していましたが、

奥歯などに使用すると割れたり、欠けたりすることが時々あります

それに比べてジルコニアは審美性はセラミックに比べて劣るもののお口の中で使える白い素材としては最も丈夫で耐久性があります

そしてそのジルコニアにも単色で白っぽいが強度が高いものから、グラデーションがついてより見かけが自然なものまで色々と種類がでてきました

当院では前歯のような見かけが重要視されるtころはセラミックで治療していますが、力のかかる奥歯はなるべくジルコニアで治療をすることをお勧めしています

また、ジルコニアは金属アレルギーの心配がありません

30年ほどまえですが、金属アレルギーがひどい患者さんが来院され、当時はジルコニアがまだなかったので、

当時は金属アレルギーの可能性の低いチタン で治療しました

幸い金属アレルギーは治りましたが、多くの歯が金属色でした

ジルコニアで治療するたびにそれを思いだします



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健康診断のデータの意味分かりますか?

2020-12-06 20:15:28 | 健康・病気

最近雑誌ニュートンから発売された「からだの検査数値」を購入しました

みなさん健康診断を受けたあとその数値の意味について難しくてよくわからない方は多いと思います

歯科医師は皆、インプラントや抜歯など外科処置を行うので皆こういった知識を学んではいますが

一般の人が専門的な知識を理解するのは難しいです

が、この本は最新の知見を分かりやすく端的にまとめてあるので一般の人にとっておすすめです

今や治療方針を決めるのも自分の健康を守るのも患者さんの情報収集能力にかかっていますが

インターネットではバイアスのかかった情報が多くかえって訳がわからなくなることが多いと思います

まずは一つのことを調べるにはそれに関する本を5冊は読むとビルゲイツも言っていましたが

健康診断のデータを読み解いて医師の言葉を正しく理解するための一冊としてこの本はオススメです

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CTで診断レベルが圧倒的に上がりました!

2020-12-05 20:05:57 | 歯科

昨年導入したCTですが1年使った感想は「よく今までCT無しでやってきたな」です

インプラント治療の時は外部の病院で昔からCTを撮影してもらっていたのですが、最近保険治療でもCTを撮影することが一部できるようになり

歯の根の先の病変や親知らず、矯正治療、もちろんインプラント治療においても圧倒的に診断能力があがりました

見つからなかった病変が見つかる、インプラントや矯正治療が安全に行えるなどなくてはならない装備といった感があります

以前より獣医さんも犬や猫の病変を早期に見つけるためにCTを診療に使っているとのこと、、、、

獣医さんより歯科医療がいつも遅れている感があるのはやはり保険制度の問題ですね

写真は普通のレントゲンではわからなかった歯の根の先の病変がCTでははっきり確認できる様子です

これによって以前よりも患者さんの重症化を防ぎ、治療方針も立てやすくなりました

また、多くの歯科医師がCTを使うことによって学会でのデータも蓄積が進んできているので

またまだ、日本の歯科医療のレベルが上がると思われます

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歯医者はなぜ歯を抜く?

2020-12-04 19:23:23 | 歯科

上の写真は男の人(あえて歯医者とはいいません)がペンチで歯を抜いているシーンです

怖いですね 考えただけでゾッとしますね

歯医者にこのイメージを持っている人は多いと思いますがその中に二つの大きな間違ったイメージが含まれています

一つ目の間違ったイメージですが、この歯を抜いている人は歯医者ではありません

近代歯学は18世紀、ピエール・フォシャールによって広められました

それまでは虫歯がひどくなると床屋さんが歯を抜いていました

床屋さんの前で回っている血と包帯の色である赤白青のグルグルはそのときの名残です

二つ目の間違ったイメージはこの歯を抜いている人はサディストではありません

虫歯になった歯をそのままにしておくと痛みだけではなく膿がが全身に巡って最悪命を落とすこともあります

当時、虫歯の治療方法が抜歯しかなかったので人の命を救うために歯を抜いているのです

抜かれている方は麻酔がないので想像を絶する痛みだったと思います

それと同時に痛がっている人の歯を抜くことは相当ストレスだったと思います

この抜いている人も「俺だって抜きたくない!でも死にたくないだろ!がんばってくれ〜」みたいな感じだったと思います

現代ではずいぶん歯科治療のレベルも上がり、予防も進んできたので抜歯の機会は当時にくらべると随分減ったと思います

また、麻酔技術の進歩によって痛みなく歯を抜くことも可能になりましたが

まずは定期検診、早期発見、早期治療で抜歯処置を防ぎましょう!










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白いワイヤー

2020-12-03 18:45:57 | 歯列矯正

今日は地味なのですが少し歯列矯正のための材料を更新したのでそのお話です

歯列矯正のための矯正装置は白いのですがワイヤーが金属色だと審美性が半減してしまうので

白いワイヤーを使用しています

ただこのコーティングがあまりにもすぐ剥げてしまうのでワイヤーの種類を変えました

以前使っていたものはワイヤーのコーティングが一層だったのですが

今度は二層になってより白いコーティングが剥がれないことはないですが剥がれにくくなりました

地味なマイナーチェンジですが(患者さんは気づいていない、、)こういったことを繰り返していくことが大事かなと、、、、




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骨の少ない人は小さいインプラント!

2020-12-02 16:52:22 | インプラント治療

当院では4、5種類のインプラントを使ってきましたが

数年前よりバイコンという会社のショートインプラントと呼ばれる短いインプラントを使用しています

日本では有名な教授とか先生が使っていないせいかシェアーはあまりありませんが

アメリカでは30年以上前から結構多くの先生に使われており知らないひとはいないぐらい有名なインプラントです

僕の知る限り日本で認可の取れているインプラントのなかで最小サイズだと思われます

昔はインプラントは長くないと噛む力に耐えれないからダメといわれていたのが

最近は短くても大丈夫とエビデンスが変わったのはこのインプラントの実績のせいです

実際、写真のように半分の短さでありながら骨と接触する面積が変わらないため

通常のインプラントでは骨が足りず、骨を作らなければ埋入不可能な場合でも使用できます

実際、当院でも昔は骨が足りずに骨を作ってからインプラントをしていたようなケースでも

このインプラントでそのまま埋入できるので骨を作る手術と併用したインプラント手術に比べて

手術が簡単で、費用面でも患者さんの手術の負担も軽くなり色々と利点が多いインプラントです

また、国産で直径3mmという細いインプラントも好成績をあげておりこれも同じように骨の少ない患者さんにはかなり有用です

色々と便利なものが出てきて患者さんにとってはいい時代になったと思います

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入れ歯すると顎の骨が失われる!

2020-12-01 16:33:42 | インプラント治療

インプラントと違って歯のないところに健康保険で安価に歯を入れることができる入れ歯ですが、実は長期間入れ歯を使用すると顎の骨が徐々に失われていきます

古い論文ですがR. LyndsayCampbellD.D.S.* が書いた論文 「義歯装着者と非義歯装着者の歯槽堤の吸収に関する比較研究」
A comparative study of the resorption of the alveolar ridges in denture-wearers and non-denture-wearers

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0002817760020011

は有名で義歯をすることによって歯槽骨(顎の骨)が吸収することは昔から知られていました

アメリカでは学生に普通に教えていることですが僕が学生の頃は日本では教えてもらったことはありませんでした

むしろ「インプラントをするような歯医者にはなるな!」と義歯の教授から強く言われていました(笑)

実際、義歯を歯医者で作ってしばらくすると合わなくなってまた樹脂で裏打ちが必要なのはこれが原因です

最終的に顎の骨の大部分が失われると入れ歯も安定を失ってしまいます

インプラントのリスクはよく聞きますが、入れ歯にもリスクがあるので、それを踏まえた上で

失ってしまった歯の治療方針を考えていくことが大切です




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