サイトウ歯科 院長ブログ

西宮市門戸厄神駅前「サイトウ歯科」の院長が歯科に関する記事を綴っています www.saitodental.jp

ミイラの歯も治したい

2022-02-07 16:04:17 | ブログ

このミイラ展では最新の棺の中のCT画像に加えて、今までわかっていた社会的な立場や家族構成、生活様式も併せて展示されており

当時の故人の様子がよりリアルに伺い知れました

物言わぬミイラですがきっと歯科治療を受けたかったに違いありません

気がつくと目の前のミイラが一人の人間であるということはもちろん、治療しなければいけない患者のように思えてきました

「全身状態に影響のある歯を最初に抜歯して傷が治る間にこっちの歯は保存できそうなので根の治療を行ない

並行して歯ブラシのやり方を説明し歯が削れてしまっているので夜間は歯軋り防止装置を使用しましょう

歯を抜いたところの傷が治ったら治療方針を相談し、部分義歯を製作するならこの歯とこの歯にバネをかけるように設計し義歯を製作

もし義歯が気に入らなくて固定式の歯を希望されたら再度CTを撮影して、こことここにインプラントを埋入して

前歯はセラミックで綺麗に治して、、、、」

ブラックジャックが発掘されたミイラの開いたままの傷を放って置けなくて手術をした話がありますがその時の気持ちがわかったような気がします

職業病?ちょっと病気ですかね

(ミイラ編ー終)



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ミイラから分かる歯の大切さ

2022-02-07 11:20:12 | ブログ

この写真はネスペルエンデブウさんのミイラのCT画像のパノラマ画像をとりだしたものです

患者さんの中にはこのパノラマ像を歯科医院で見たことある方もいるのではないでしょうか?

ちょうど正面から見た感じの像ですが奥歯は全て削れてしまい神経が露出している歯が多くあります

またその結果歯の神経が壊死してしまい、それが原因で歯の根の先周辺の骨が溶けてしまっている状態(根尖病変)のが確認できます

しかし、残ってる歯が全てすり減っていることから不正咬合はなく噛み合わせは良かったものと思われます

なので残っている歯で結構なんでも噛めたのかもしれません

また、歯石もあまりないので歯周病もあまりないので口臭もあまりなかったかもしれません

公式本によれば他のミイラに比べて虫歯が多すぎるのはハチミツなど甘いものを食べすぎた可能性やかなりの不快感があった可能性などが示唆されています

ただ、ぼくの経験から同じような状態の患者さんを見たことがありますがみなさんあまり自覚症状はなく、痛み対して慣れていたような感じでした

しかし公式本によると28本中15本に根尖病変があり敗血症で死に至った可能性も示唆されています

それは同意できるところでこれだけ根尖病変があると痛みに耐えられても、敗血症だけでなく糖尿病、心臓疾患のリスクが上がっているため

間接的に健康を害していた可能性は高いと思われます

当時は歯科医師などいませんから歯で死んでしまうことも普通のことだったのかもしれませんね

続く、、、、






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5000年前のミイラの口腔内

2022-02-07 11:09:50 | ブログ

今月より神戸市立博物館で大英博物館のミイラ展が開かれています

このミイラ展では実物のミイラと共に最新のシーメンス社のCT(この前僕も人間ドックでこれに入りました)でミイラをスキャンして内部をCGで見せてくれます

以前からミイラをレントゲンでは検査していたようですが、レントゲンだと三次元のものが二次元に全て重なって写ってしまうので実態が掴みにくいです

今回は最新のCTを使用することによって5000年前のミイラの内部の状態が確認できる、、、

ということは口腔内の状態がみれるということなので歯科医師としては学術的に興味深く早速行ってきました

続く、、、

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コロナ禍で高額治療に誘導する悪徳歯科が増殖中…「歯の駆け込み寺」の医師が注意喚起?  その4

2022-02-02 11:52:04 | ブログ

最後に歯科医院が多すぎるといういつもの話題です

厚労省の医療施設動態調査によると、まだコロナの影響が出ていない20年1月末の歯科診療所総数は6万8327院。21年10月末は6万8028院で、わずか0.4%の減少にすぎない。歯科診療所の数を評する際によく使われる「コンビニより多い」という状態は現在も継続中。なお、コンビニ総数は5万5950軒(21年12月、日本フランチャイズチェーン協会調べ)となっている。

そうです 歯科医院はコンビニより多いので経営が苦しい→なので高額な治療を勧める  といういつものフレーズです

なぜ業態が全く違うコンビニと数を比較されるのかよくわかりません

ちなみに、あん摩・マッサージ指圧・はり・きゅう・柔道整復の施術所数が全国で14万 歯科医院はその半分以下

美容室は全国で25万 歯科医院はその4分の1以下しかありません

むしろ1対1で時間をかけてサービスを提供することにおいては施術所と美容室に近いと思うのですがなにか意図があるのでしょうね(笑)

もし数が多いので苦しい、なので悪徳という理論を当てはめると歯科医院より多い職種はもっと悪徳業者になってしまいますがそれはないでしょう

ちなみに厚生労働省が数年前より歯科医師国家試験の合格率を下げたため、以前は毎年3000人歯科医師が生まれていましたが

今は毎年1600人に抑制されているため、団塊の世代、団塊ジュニア世代が引退すると歯科医師不足がしばらく続きます
 
この記事を書いたジャーナリストは最後に「窮状はわかるが、患者を食い物にして乗り切ろうとするような考え方では、歯科業界の未来は暗い」

とまとめていますが実際には「将来的にはより一層の保険治療の弱体化と歯科医師不足により多くの歯を治す必要のある患者さんの未来は暗い」の間違いです

なので、今のうちからしっかり予防して治療が必要な時は長期的な考え方をもとにしっかりとした治療を受けてメインテナンスを続けて将来に備えましょう








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コロナ禍で高額治療に誘導する悪徳歯科が増殖中…「歯の駆け込み寺」の医師が注意喚起?  その3

2022-02-02 11:10:33 | ブログ

そしていつもの「抜かない治療」のお話です

「必要もないのに、インプラントを勧める歯科医師が少なくない。特にコロナ禍になって、その傾向が強まっているんです」

「まだ十分に使える歯を抜いてまで行う治療ではないと考えている」

こういった話は歯を抜きたくない患者さんの心につけ込むことは可能ですがこれは論理のすり替えです

インプラントをしない先生=歯を残すことを考えている VS インプラントをする先生=歯を必要ないのに抜く という構図を作り上げていますが

インプラント治療をしっかり学べばわかることですが、インプラントの弱点として天然の歯のように噛んだ感じがないため天然の歯に比べて

大きな噛む力がかかってしまう可能性があります

そのためなるべく残せる歯は残してインプラントに強い力がかからないようにするのがセオリーです

インプラントで残りの歯の負担を減らして歯を守り、残りの歯でインプラントに過大な力がかからないようにしてインプラントを守る

これが基本です

また、インプラント学会ではインプラント治療と他の治療の提案は必ず勧めるように指導しており、治療方針を決めるのは基本患者さんです

そしてなによりも「極力、歯を抜かない治療」といった先生のところに長期間通って抜くべく歯を保存することによって歯の周囲の骨が溶けてしまい

インプラントどころか義歯さえも安定しなくて困っている患者さんや、むやみに歯を残してその膿が全身に回って掌蹠膿疱症など他の病気になってしまった患者さんも

実際におられます

今は抜歯するかしないかの基準も、インプラント治療の適応も学会で治療指針が作られて学会に参加している歯科医師はその治療指針にそって治療をしています

当然、大学病院でも抜歯もしますし、保険が効かない治療を勧めますし、治療に何年もかかることがあります 
  
他の歯医者で抜いた方がいいと言われた歯を残せます、うちは保険で治療できます、うちは短期間で治せますと言えば

一部の患者さんの評判は上がり患者さんは集まってくるでしょう

それこそ患者を集めるのに腐心して"貧すれば鈍する"状態になっていないでしょうか?

その4に続く、、、
















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コロナ禍で高額治療に誘導する悪徳歯科が増殖中…「歯の駆け込み寺」の医師が注意喚起?  その2

2022-02-02 10:51:08 | ブログ


前回の続きです

次に技術面での話です

安易にインプラントをやりたがるのは、歯科医師にとって「手っ取り早く稼げる方法」だからだ。という発言についてですが

安易にインプラントができるならなぜ歯医者はみなインプラント治療をしないのでしょうか?

そんなに簡単な治療ならなぜ普通の治療にならないのでしょうか?

それは歯科医にとってインプラント治療が「手っ取り早く稼げる方法」ではないからです

インプラント治療を患者さんに提供するにあたって患者さんの全身的、局所的な状態の把握、そして手術時に偶発症が発生した時の対処方法の準備

設備の充実、手術の介助にあたるスタッフの教育、そしてなによりも治療技術の獲得のための勉強が必要となります

今や歯科医師国家試験でもインプラントの問題が出題され、かなりの勉強が必要です

インプラント治療をクリニックに導入しようとする開業医の先生は日頃の診療以外に学会やセミナーに休日返上で自腹で参加して勉強しなければいけません

そして最新の技術を維持するにはそれを続けなければいけません

「手っ取り早く」インプラント治療ができると発言している歯科医師はインプラント治療に関する知識が全くないという裏返しです

まあ「手っ取り早く」インプラント治療して失敗している先生もいることはいるのですが、

少なくとも学会で専門医取得、あるいは取得しようとしている先生はそうではありません

また、学会ではインプラント治療レベルの向上のために勉強だけでなく学会の運営や雑用にほぼ無休で奉仕してくれる先生方もたくさんおられます

患者さんのお口の健康、そして安心、安全なインプラント治療を提供するためにがんばっている多くの先生に対して

安易にインプラントをやりたがるのは、歯科医師にとって「手っ取り早く稼げる方法」だからだ。という発言した先生には謝罪が必要です


その3に続く、、、、


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コロナ禍で高額治療に誘導する悪徳歯科が増殖中…「歯の駆け込み寺」の医師が注意喚起?  その1

2022-02-02 09:46:48 | ブログ

ネットの記事ですが、コロナ禍で高額治療に誘導する悪徳歯科が増殖中…「歯の駆け込み寺」の医師が注意喚起 だそうです

あまりにも悪意に満ちているので何回かに分けて反論です

まず1回目はお金の話です

記事の内容は「安易にインプラントをやりたがるのは、歯科医師にとって「手っ取り早く稼げる方法」だからだ。

保険外治療のインプラントの相場は1本35万~40万円。もっと高いケースもある。何本も治療しているうちに、高級車が購入できる費用がかかることもめずらしくない。」とのことでした

国立大学を含む歯科大学病院においてインプラントの相場は40万から50万です(学会による調査報告)

費用がかかるのは健康保険が使えないだけで人工股関節や白内障のレンズなどでも保険が使えなければ治療費は高額になります

また歯が少なくてたくさんインプラントを入れると当然金額は多くかかります

インプラントで美味しいものをしっかり噛んで食べれるようにして健康を維持することは高級車を買うことよりも価値が低いのでしょうか?

価値観は人それぞれなので健康より高級車に価値を求めることは別に否定しませんがそれは患者さんが決めることです

患者さんの健康を第一に考えれば「何本も治療しているうちに、高級車が購入できる費用がかかることもめずらしくない」という発言はできないはずですが、、、、

その2へ続く、、、








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