今日から先週水曜日から日曜日にかけてラスベガスで開催されていたアメリカインプラント学会に参加してきたのでそのお話です。
やはりインプラントの世界のトップを走るのはアメリカで実際にどのようなコンセプトで治療方針を立てているのか、また、今最新の機械や材料はどうなっているのかをこの目で確かめたくはるばるアメリカに渡りました。
まず学会に参加して驚いたのは学会の開催時間です。
朝8時から夜の7時まで延々講演が毎日続きます。日本だと9時スタートの5時終わりが多いのですが欧米人は勉強するにも体力があります。
ぼくも朝から学会場に用意されたベーグルをかじりながら講演を聞きました。
どの発表もハイレベルで勉強になりますがその中でもいくつか印象に残った話があります。
例えば、「歯を無理に残すな!歯周病の手術をするな!」という先生がいました。
一見乱暴なように聞こえますが、前歯部分のインプラント治療の際に無理に歯を残すと歯の周囲の骨が吸収してしまい審美的にとりかえしのつかないことになってしまう可能性があること。
また、歯周病の手術によって歯の周囲の歯茎が吸収してしまい、これもまた審美的に取り返しのつかないことになってしまうこと。
日本では「歯をなるべく残す」という事ばかりが優先されてしまい、「歯の周囲の歯茎や骨を残す」といった発想はまだあまりありません。
ましてや一般人に痛くもない歯を抜いてインプラントにするといった発想はまずついていけないでしょう。
最後にその先生が「たまにこういった状態でも歯をなるべく残してくださいというような感情的な患者さんもときどきいますね」といったとき会場の約4000人の欧米人の歯医者は笑っていましたが、日本ではそういった患者さんは少なくありません。
そのとき僕は日本人をばかにされているような気がして笑えませんでした。