サイトウ歯科 院長ブログ

西宮市門戸厄神駅前「サイトウ歯科」の院長が歯科に関する記事を綴っています www.saitodental.jp

100歳まで歯を残して困っている人がいる!

2019-10-31 19:42:39 | 歯科

今回の公演で高齢者に対するインプラント治療について実際に介護の現場で働いている歯科医師によるリアルな意見を聞くことができました

日本では8020運動で80歳でも20本の歯を残そうというスローガンかかげ実際効果は上がってきました

ところが介護の現場では困ったことが起きているそうです

昔よりも寿命がのびて100歳まで生きておられる方がすでに6万人を超えてそのなかには介護を必要とする方も少なくありません

当然、歯ブラシが自分でうまくできればいいのですが、できないとどうしても人の手を借りることになります

しかし、日本の介護の現場では毎食後にその道のプロである歯科医師や歯科衛生士が歯磨きをしてくれるわけではなく普通の人が歯を磨くことがほとんどです

介護の現場に日常的に歯科医と衛生士がいないことが問題なのですが国の政策なのでどうにもならないと言われていました

結果として、虫歯や歯周病が一気に進行し、歯やインプラントがたくさん残っている人ほど問題が生じてしまう

これが現実だそうです

介護の現場では、歯やインプラントよりも取り外しが可能な入れ歯の方がお口の中を清潔に保ちやすいそうです

しかし入れ歯は歯科医師による調整が頻繁に必要となるため良い状態を維持することも難しいとのこと

なので2〜4本のインプラントを使用しそれによって入れ歯を固定する「取り外し型のインプラント義歯」が、しっかり咬めて清掃しやすくていいのではないかと言われてました

前歯の部分にインプラント が数本あるだけなので介護する人も簡単にお口の中を清掃できますし、入れ歯は外して外で洗えます 

インプラントはインプラント周囲炎(インプラントの歯周病)になりますが、虫歯にはならないのでそういった意味では歯に比べてリスクが小さいそうです

もちろん100歳でもしっかり歯ブラシと歯間ブラシを使用できれば問題ないのですがなかなか現実には難しいようですのですので、ひとによっては悪くない治療だとぼくも思います

現在、ほとんどの歯科医や衛生士は患者さんが入院したり施設に入ってしまうとそのあとどういう状態になっているのか想像もつかず盲目に歯を残すことだけを考えています

しかし、80歳を超えて100歳近くまで生きられる超高齢化社会においては、どうしても身体に不具合のでる患者さんが増えてくるため、

多くの歯が残っているが故に患者さんが不幸になってしまうケースもあるということでした

社会制度の問題もあるので難しい問題ですね

もちろん、100歳まで元気で歯磨きができて、歯もそろって、なんでも食べることができることが理想です

しかし皆が理想的な状態ではありませんから、それぞれの患者さんの身体状況や年齢やライフスタイルを考慮した上で治療方針を柔軟に考えないといけないと再認識させられました



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物を飲み込む仕組みとは?

2019-10-30 19:23:12 | 歯科

引き続き専門医技術向上講習会で高齢者のインプラント治療についての話題です

先日、カレーは飲み物か食べ物かというブログをあげましたが、今回は物を飲み込む仕組みについて詳しくお話していきます

実は咬むということは咀嚼するいうことで食べ物を粉砕して細かくすることです

そのあと食べ物を食道へ飲み込むことを嚥下といいいます

嚥下の瞬間、気管に食べ物を入れないようにお口の中の筋肉や舌などががうまく連動することが必要になってきます

ところが歳をとるとそのお口の機能が落ちてきて気管に食べ物が落ちてしまいます

これが誤嚥です

この誤嚥が原因で肺炎で亡くなる方が、肺炎で亡くなる方の70%に及ぶそうです

ではどうしたら誤嚥を防ぐことができるかというと年齢を重ねた時にお口の機能をなるべく落とさないことが大切になります

そのためには日頃から食事の際に咬むことで、お口の筋肉や舌などを鍛えておくことが重要です

高齢化して身体が弱ってしまわないように運動が必要なのとおなじように、食事の時にしっかり咬むことが大切になってきます



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咬めてもうまく飲み込めない!

2019-10-29 20:04:01 | 歯科


専門医技術講習会での話題を最後にもう一つ

先日、食物を噛み砕くことを咀嚼、飲み込むことを嚥下という説明をしました

実はその咀嚼と嚥下の間にもう一つお口の中で行わないといけない作業があります

「食べ物をまとめる」作業が必要になってきます

いろいろな食材をお口のなかに入れて一旦細かくして飲み込む瞬間にその食べ物をまとめておかないと、食べ物が一気に食道に入っていきません

セミナーでは入れ歯を入れた状態と入れなかった状態で食事をしていだたき、それをレントゲンで撮影した動画を紹介していただけました

確かに食べ物をまとめることができないとお口の中で食べ物がバラバラのままで食道に一気に入らず気管の方にも散っていました

歯の機能というのは咬むことだけではなく「食べ物をまとめる」ためにも役立っているとのことでした

日頃いろんな食材をなにも気にせずにスムーズ食べていますがそれを行うためには正常な組織と機能が必要なことが改めて確認できました

普通に食べれることは素晴らしいことですね

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高齢者でもインプラント治療は可能?

2019-10-29 19:15:35 | インプラント治療

今回の日本口腔インプラント学会の専門医臨床技術講習会でのテーマは高齢者に対するインプラント治療についてです

現在日本は高齢化社会から朝高齢化社会に移行しつつありインプラント治療を必要とされる患者さんの年齢が上がってきています

それに対してどういった姿勢でインプラント治療を行うべきかについて何人かの先生によって講演がありました

実際、患者さんにも「年齢が進んでからインプラント治療を受けるのが怖い、インプラント治療を受けても大丈夫?」という質問を時々受けます

まず、結論からいうと年齢が進んだのでインプラント治療が危険なのではなく、年齢が若くてもなにか疾患があったらインプラント治療を含む外科処置が全て危険ですので

年齢ではなく健康状態の方がインプラント治療において確認すべき優先事項ということです

逆に全身的に健康であればインプラント治療を受けてしっかり噛めるほうがフレイル、オーラルフレイルと呼ばれる筋肉や骨の衰えを防ぐことができるというデータがあるそうです

インプラント治療に限らず、お口の健康を若い頃からしっかり維持することが年齢を重ねた時に違ってくるということは間違いなさそうです


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カレーは飲み物?噛む物噛まない物

2019-10-21 18:52:16 | 健康・病気

日曜日は東京で日本口腔インプラント学会の専門医臨床技術向上講習会に参加してきました

この講習会、専門医を更新する際のポイントになるため遅刻するとドアを閉められて入れなくなるので土曜の夜から前乗りです

夜、小腹がすいたの水道橋駅の近くの噂の濃厚鳥スープのラーメンを食しに行きましたが噂通りおいしかったです

ふと見ると隣にはカレー屋さんがあり残念ながらもう閉店されていてカレーは食べれなかったのですが店名が「カレーは飲み物」

その時は面白いなと思うだけであまり気にしていなかたのですが、次の日、講習会でうどんも飲み物とのお話がありました

確かにうどんは喉ごしがスッキリとか表現されることもありますね

講演では、うどんを飲み込む瞬間を内視鏡で撮影したシーンがを見せてもらったのですがうどんが一本そのまま喉に吸い込まれていきます

ところがスパゲッティはそうはいかず咀嚼してから食べることになります

どうも飲み込みやすさを僕たちは無意識化で瞬間的に判断して咀嚼したり嚥下しているようです

やはりカレーは飲み物、うどんも飲み物、スパゲーティとラーメンは食べ物ということになりますね









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矯正治療がわかりにくい理由

2019-10-15 09:30:19 | 歯列矯正

今回の矯正セミナーでも分析方法や矯正のシステムの説明でしたが、聞けば聞くほど種類が多すぎてわかりにくいです

そしてこのセミナーのタイトル!

なぜわかりにくいのかを説明してくれました

ざっくりいうと素材や検査方法の進化、地域による患者さんの好みによる治療方法の流行、それに伴う理論の多様化が原因だそうです

それらの歴史を聞いて思うのは現代からみれば昔の治療が稚拙にみえますが、現在の治療も未来からみたら稚拙に見えるということ、、、

消えてしまった治療理論や治療方法が素材の進化で復活してきたり、、、

それらを想定しながら治療理論を組み立てていかなければいけないですからやはり歴史を踏まえた上で常に学び続けないといけないですね

頭を使って疲れたのでちょっと活力をつけに韓国料理を新大久保に食べに行きました

ここはまるでソウルの一番賑やかな街「明洞」ですね

明日も頑張ります



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台風19号の影響

2019-10-15 08:56:55 | ブログ

最近台風と学会がよく重なります

台風19号がきていましたが東京での矯正セミナーは開催です 

幸い東海道新幹線は台風一過で天気もよく遅れたもののなんとか東京まで行けました

JR東日本は被害が大きく東京都内は在来線も止まっていたので日頃見かけない新幹線が止まっていたり駅前が閑散としていたり影響は大きかったようです

セミナーも半分近くの先生がお休みしていました

また、クリニックが冠水被害をうけてしまった先生のいるとのこと

被害に遭われた方のすみやかな再建をお祈りします

写真は天気のいい富士山ですが川べりは荒れた跡が残っています





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マウスピース型矯正の功罪!

2019-10-08 18:07:17 | 歯列矯正

マウスピース矯正、人気ですね

当院でもインビザラインというマウスピース型矯正装置を導入していますが、

症例としてて満足のいく治療結果が望めない場合はマウスピー矯正をお断りさせていただき従来のブラケット型の矯正装置を使用していただいていおります

そんな折、日本矯正歯科学会よりマウスピース型矯正装置による治療に対してポジションステートメント、すなわち治療指針が発表されました

公的な機関がマウスピース型矯正装置について見解を示してくれたのでこれからは患者さんへの説明が楽になります

以下 公益社団法人 日本矯正歯科学会 アライナー型矯正装置による治療指針 からの抜粋です

1)歯科医師が介在しない形でマウスピース型製品は歯科医学的にも非常に危険であるため絶対に避けてください

2)マウスピース型矯正装置の欠点

歯の移動量の少ない症例に限られる(軽度の乱杭歯、軽度の歯の空隙、矯正治療後の軽度の後戻り等)

毎日長時間の装着を必要とし、使用状況によって効果が大きく異なる

小児や骨格性要因を含む症例には適さない

現在の医療水準で考えれば精密な歯の移動は原則として困難で、満足のいく治療結果が得られない可能性がある



先日、他院でマウスピース型矯正で治療不十分のまま治療が終了された患者さんが来院されました

しかし当院でマウスピース型矯正装置でしっかり治った患者さんももちろんおられます

マウスピース型矯正は適応できる患者様には画期的ですが、歯並びの悪い方すべての人に適しているわけではないことをご理解ください







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スポーツマウスガード

2019-10-08 17:28:40 | 歯科

ラグビーのにわかファンですがW杯 日本対サモア戦 感動しました

そして選手の口元がやはり気になります(職業病です)

ラグビーは接触が多いので歯の外傷を防ぐためにマウスピースを使用しています

それとマウスガードを使用し噛んだときの顎の位置を固定しバランスを整えることによってパフォーマンスも上がることが知られているので接触がないスポーツでも使用することがあります。

ちなみに競技連盟によってマウスガードの使用についての規定があります

あくまでも競技の場合ですが格闘技やラクロスなどは義務化されており、他のスポーツは着用可能、ゴルフは禁止されています

あと色についても競技連盟によって規則が異なります

野球、柔道はホワイトとクリアのみ、バスケットボール、空手はクリアのみ、アメフトとラクロスはホワイト、クリアを除く、テコンドーはホワイト、クリア、レッドのみ

ラグビーは出血と紛らわしいのでピンクとレッド以外の色はOKです(ワールドカップの規定はまた異なるようです)

当院も近くに大学が多いのでラクロスやラグビーをする生徒さんが作りにやってきます(健康保険外です)

逆にバスケットボールは義務化されていないため、ボールを持った選手が振り返りざま肘で後ろの選手の前歯を折ってしまい来院された高校生が来られたことがあります

歯のことを考えると接触のあるスポーツをするときには義務でなくてもマウスガードの使用をおすすめします

市販のものは歯にあっていないのですぐに落ちてきますが、型をとって作るとフィットもよく違和感が少ないので快適です

ちなみにマイケルリーチ選手のマウスガードは白でしたね



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最重量、最厚の歯科学術誌!

2019-10-07 12:38:26 | 歯科

福岡のインプラント学会で購入した学術誌が到着しました!

学会にいくと歯科関係の本の展示もされており、日頃手にすることもできない専門書をたくさん見ることができます

なのでいつもついつい何冊か購入してしまいますが、持って帰るのは重いので送ってもらいました

残念ながらブログで中の写真や絵を勝手に使うと著作権の問題が発生するので中身はお見せできませんが、

両方とも写真が綺麗で大きく、審美領域でのインプラントや歯周病の形成手術ではこれ以上詳しい本はないのではないと思います

ちなみにピンク色の本のタイトルの審美形成手術とは歯周審美外科手術ともいいます

歯周病で歯肉が下がってしまい歯が長くなったり隙間が目立つようになった、

歯を抜いた後にインプラントにしたいが骨がなくて歯が長くなってしまう

などの審美的な問題を精密手術によって再生、回復させる手術などがこれにあたります

口元を自然な状態にするには歯と周囲の歯肉の両方を回復することが大切になります

ちなみにピンク色の本の厚さは5cm以上、重さ3.7kgで僕の持っている学術書の中で厚さ、重量共に一番でした

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