週末は母校の愛知学院大学病理学講座同門会に参加してきました 今回、愛知学院大学微生物学教室の長谷川教授にお話をしていただきました。
タイトルは「歯周病の病因に関する最近の話題」です。その中で歯周病が全身にいろいろな病気を引き起こしているといわれるデータを示していただきました。
それと今回興味深かったのは歯周病の病因、すなわち歯周病の原因についての新しい知見です。
よくテレビで「歯周病の原因は歯周病菌」と言われていますが、実際には口の中には約700種類の細菌がいてその中でRED COMPLEXと呼ばれる重度の歯周病に関連のある三種類の菌、
A.actinomycetemcomitans、P.gingivalis、T.forsythensisが重要視されてきました。
ところがここにきてKeystone pathogen(キーストーン病原体)と呼ばれるその数の割には,無害な微生物叢を病気を引き起こしうるものに
転換するのに非常に大きな役割を演じている細菌がいるということが分かってきたそうです。
歯周病に対する標準的な治療は歯垢除去とデンタルフロスを用いた歯間清掃の徹底だが,これによって口中の細菌数は一時的に減るものの,
白血球の殺菌能力は回復しないので炎症の再発をうまく防げないのですが、もしそのKeystone pathogen(キーストーン病原体)を叩くことができるようになれば
歯周病治療が大きく前進することになります。逆に言えば今はまだ歯周病の原因菌が絞りきれていないということです。
ちなみに殺菌剤の含まれている歯磨き粉やデンタルリンスはお口の中の良い菌も殺してしまうので注意が必要です!