サイトウ歯科 院長ブログ

西宮市門戸厄神駅前「サイトウ歯科」の院長が歯科に関する記事を綴っています www.saitodental.jp

ボーンキャビティー ・ 歯の痛みが引いたので大丈夫!?

2023-03-31 16:12:17 | 歯科

歯が悪くなったり、歯周病になると周囲の骨に炎症が生じます 

虫歯や歯周病が全身に悪影響があるのは今までお話ししたとおりですが

ここからは歯を治療したり、抜いた後の話です

身体は細菌感染を防ごうと歯根の周囲の骨を硬化させます

また歯根と骨を繋ぐ歯根膜も感染病巣になります

それらは歯の根の治療をしても抜歯をしても骨に残り続け感染源となります

それを「ボーンキャビティ」と呼びます

「ボーンキャビティ」には毒性があり、心疾患、アレルギー性疾患、慢性関節リウマチ、腎臓疾患)、

自己免疫疾患、喘息など多くの疾患の原因となります

ただ、歯には症状がないことがほとんどです

なので痛くない歯の治療はあまり気が進まないかたが多いと思いますが

歯医者で「抜いた方が良いけどどうしますか?」「痛くないけど治療した方が良いです」と言われた時

「痛みがないのでちょと様子みます」と言っていませんか?

そんな時今の話をちょっと想い出してください

もしかしたら顎の骨に細菌や炎症が残ってしまう可能性があります

「ボーンキャビティ」は健康に気をつけて食事や運動に気を使っているあなたの身体を蝕む可能性があります

痛みのある無しではなく判断できないことも多くあります

かかりつけの歯科医師の先生によくご相談ください








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大人の歯列矯正治療

2023-03-25 17:45:48 | 歯列矯正

最近増えてきたと感じる40代から50代の女性の患者さんの歯列矯正

今年の日本臨床矯正歯科医会のアンケートでも50代以上の患者さんが

「見た目の改善」「長期的な口の健康維持」が目的で歯科を来院されるかた増えてきているとのこと

一昔前は歳を取ったら歯は悪くなるのは当たり前と考える方が多かったのですが

年齢を重ねても口元を綺麗にして歯の健康を守りたいという方が増えてきたようです

実際60代以上の体力は厚生労働省の調べても年々増しており

若々しく元気なシニア層が普通になってきています

歯列矯正は子供のものでもなく年齢制限はありませんし

良い歯並びになると歯磨きをしやすく歯周病にもなりにくく

噛み合わせを治すことで歯の持ちもよくなります

健康寿命を伸ばすためにも大人の歯列矯正はお勧めです







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その鼻詰まりは歯が原因かもしれません!上顎洞炎のお話し

2023-03-23 13:07:02 | 歯科

花粉の季節は鼻が詰まったり、頭が重かったり、身体がだるかったり色々不具合が出ます

でも、花粉の季節じゃなくてもそれらの症状がある場合、可能性として副鼻腔炎が考えられます

副鼻腔炎は蓄膿というと馴染みがあるかもしれません

上のイラストにもあるように頭蓋骨にはいくつか洞と呼ばれる空洞があり、何らかの原因で炎症が起きて膿が溜まった状態を

副鼻腔炎と言います

その中で歯が原因で上顎洞に炎症が起きそれを歯性上顎洞炎と呼びます

重症化すると視力障害、髄膜炎(脳や脊髄などを覆う粘膜に炎症が起こる) や脳膿瘍など、死に至るケースもあります

慢性化していると症状のないこともあります

当院ではレントゲンやCTで問題が見つかった場合、口腔外科にご紹介して必要であれば耳鼻科と連携をとって治療にあたっています

何はともあれ定期的な歯科検診をお勧めします




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歯周病は大腸ガンのリスクを増やします

2023-03-20 08:37:17 | 歯科

現代人の多くが罹患している歯周病が心臓病、糖尿病、など色々な病気のリスクになることが昔から言われています

お口は消化器系の入り口ですから当然、消化器系にも影響があることは統計で示されていますが

最近そのメカニズムが色々わかってきました

口腔内に常在する菌であるフゾバクテリウム・ヌクレアタムが大腸の組織に存在すると大腸癌の発生や進行を早める可能性があるとの論文が

熊本大学の諸石寿朗教授らの研究グループによって「JCI insight」に掲載されました

そして論文によると歯周病の治療が大腸ガンのリスクを減らすこともわかってきました

また、歯周病の治療ができなかった人は大腸ガンのリスクは減りませんでした

歯周病は自覚症状はほとんどありません

なので症状がなくても歯周病の有無や治療は、かかりつけの歯科医に相談しましょう







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レジン治療の功罪

2023-03-18 16:59:57 | 歯科

最近患者さんのお口の中を見ていて気になることがいくつかあります

昔は奥歯の治療は金属で治すのが常識でいわゆる「銀歯」を多くの患者さんが装着していました

最近、保険治療でレジンの性能が上がりレジンによる奥歯の治療が増えてきました

安くて早く治療が終わってしかも白いので多くの患者さんがレジンによる治療を望まれます

ところが性能が上がったとはいえレジンは樹脂、いわゆるプラスチックです

写真のようにアクセサリーでもよく見かけますよね

レジンは金属に比べると耐久性が低く、人によっては2、3年ですり減ってしまい原型を保っていない状態になっています

それだけならいいのですがすり減った部分に噛み合わせの相手の歯が移動してきたり、

たくさんレジンで治していると残っている歯に負担が集中してその歯が壊れたり

レジンが分解して汚れが溜まり口臭や虫歯や歯周病が発生したり

色々問題が起きている患者さんをお見かけします

むしろ金属で治している患者さんはそれらの問題が起きていません

セラミックやジルコニアのような白い耐久性のあるものは保険が効かないので

安く綺麗に治せるレジン治療は魅力的ですが壊れてしまうと大切な歯を失う可能性もあることを

考えて検診や治療を受けることをお勧めします

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先生!歯磨き粉はどれが一番いいですか?

2023-03-13 08:53:00 | #歯磨き

テレビをつけると虫歯ケア、歯周病ケア、口臭ケアには、、、、、とたくさんの歯磨き粉、デンタルリンス、歯ブラシの宣伝が流れており

患者さんもどれが効果的か新しいのがいいのか迷いますよね

それで歯医者に行ってどれがいいか聞いてみると決まって「まずは正しく磨けているかチェックしましょう」と言われます

特効薬が欲しい患者さんとそれが無いことを説明する歯医者とのせめぎ合いが延々続きます

そんな問題を解決する方法が一つあります

お口の健康のために歯の汚れをしっかり取り除きたいのは患者さんも歯科医師も同じ!

ではしっかり汚れが取れているかどうか確認することが一番大切です

いくら高価な歯科グッズを買っても汚れが取れていなければ意味がありません
 
その歯の汚れをチェックするには歯の染め出し液が薬局やアマゾンでも売っています

まずはこれでお口の中を染め出して汚れを確認します

小さなミラーもあると歯の裏側もチェックできます

歯と歯の間も全てチェックしましょう

あとはご自分のいつもの方法でいいので染め出した汚れを取り除いてみてください

デンタルリンスで全部汚れが取れているならそれで構いません

ウオーターピックやシャワーだけで全て汚れが取れたらそれでも構いません

新しい歯磨き粉や歯ブラシを試しても構いません

ただ、もし汚れが残っているのが確認できればやり方を変えましょう

そうしないとその部分は一生汚れが残ったままで悪くなってきます

取り方がわからない時は歯科医院で相談すれば教えてくれます






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子供の拡大床を勧められたら、、、

2023-03-06 11:11:19 | 歯列矯正

歯並びが悪くて歯科医院を訪れると「顎が小さくて歯が並ばないので抜歯するか顎の拡大して歯が並ぶスペースを作りましょう」と提案されることがあります

この歯を並べるために顎を拡大する装置を入れ歯の様にピンク色の床が付いているので「拡大床」と呼びます

色々種類がありうまくいけば抜歯をせずに歯を並べることができます

ただし、いくつかデメリットもあります

1 上顎しか拡大できないので下顎との噛み合わせが悪くなる

2 顎の骨に対して歯が頬側(外側)に並ぶことによって歯の頬側の歯肉や骨が薄くなり将来、歯周病のリスクが高まる

3 動かしすぎると鼻が横に広がる可能性がある
 
もちろんデメリットもありますがケースによってはメリットも大きいので最初のしっかりとした診断が必要になります

「歯を抜きたくないから拡大床!」と安易に取り掛かるのは避けたほうがいいでしょう



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マウスピース矯正について(3)

2023-03-02 11:52:38 | 歯列矯正

では実際にマウスピース矯正での失敗にはどんなものがあるでしょうか?

1、歯並びが治らない

2、治療期間が伸びる

3、歯茎が下がってしまう

1、2についてはブラケットとワイヤーを使用した矯正によってリカバーが可能ですが

問題は3の歯茎が下がってしまうという問題です

これはマウスピース矯正の問題というよりも無理な歯列拡大の弊害と言えます

マウスピース矯正や拡大床などを使用して抜歯を避けるために安易に歯列(歯の並ぶアーチ)を拡大すると

歯は綺麗に並んでも歯の外側の根の周囲の骨が歯茎失われてしまい

それによって歯茎が下がる、歯周病の進行が早くなる、最悪抜歯になる可能性もあります

なのでマウスピース矯正においてはより術前のレントゲンやCTの綿密な診断によってそれらのリスクを考慮する必要があります

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