サイトウ歯科 院長ブログ

西宮市門戸厄神駅前「サイトウ歯科」の院長が歯科に関する記事を綴っています www.saitodental.jp

インプラントオンライン講習会でも修了証!

2020-10-31 11:51:54 | インプラント学会

日本口腔インプラント学会から封筒が届いて開けてみらた技術向上講習会の修了証が入っていました

いつも学会会場まで行って講習会を受けて移動や宿泊で多くの時間をかけていましたのでこれをもらうと

「うん、頑張ったかいがあった!」みたいな気持ちになったのですが

家で講習会をネットで受けてこれをもらうと「え!なんかズルい?」みたいな後ろめたい気持ちになりました

よく考えるとしっかり講義内容を聞いて身につけていけば同じことで

むしろ効率的、合理的でこちらの方がいいに決まってます

ちょっと自分の感覚が古いことを思い知りました
 
ちなみに学会会場に行って新型コロナに感染していては本末転倒ですので

しばらく学会は全てオンラインで受けて僕自身が感染源にならないようにしています



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歯周病は認知症を悪化させる!?

2020-10-26 09:34:10 | 歯科

先日、ネットで九州大学で「世界初ヒト歯周病の歯茎で脳内老人斑成分が産生されて いることが判明 」という記事を見ました

実は歯周病が認知症、とくにアルツハイマーに関係のあることはずいぶん以前から言われていることなのですが初耳の患者さんも少なくないのでちょっとそのお話を、、

僕の先輩で松本歯科大学歯科保存学講座の吉成教授の論文がわかりやすく解説してあるので参考にurlを載せておきます

https://www.jstage.jst.go.jp/article/perio/60/3/60_147/_pdf/-char/ja

上記の論文の要点をまとめると

「歯周病菌が体に入るとそれを攻撃するために体のあちこちに炎症が起きて歯周病や糖尿病もひどくなり、それによって歯周病もひどくなるので負のスパイラルが進みます」

ということです。

そして最初に書いた九州大学ではそのメカニズムの一部を解明し国際学術誌のオンラインジャーナル「Journal of Alzheimer’s Disease」に掲載され、また、重要な論文としてジャーナルのEditor's Choiceにも選ばれました。

誰もがなりたくない認知症の原因が歯周病にあるとしたら逆に徹底的なお口の健康管理がそれを防いでくれる可能性が高いということです

歯周病はほとんど自覚症状がないため歯科での検診と治療をお勧めします

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Go to デンタル!

2020-10-19 10:44:42 | 歯科

先日、口腔保険医協会より患者さん向けに啓蒙する資料が届きました

新型コロナに負けないように免疫をあげるにはお口の健康維持が大切という小冊子です

これをみにて逆にちょっと気になったのですが、新型コロナに関わず健康維持にはお口の健康維持は不可欠です

にも関わらずあまり意識されていないのでこのような小冊子を配ることになっている感があります

お口の健康維持に対して無関心なことがどれだけの病気の原因になっているかを再認識することが大切で

歯周病や虫歯の原因は細菌ですがその病気を進行させるのは「お口の健康に関する無関心」です

口腔内の健康維持は免疫アップだけでなく身体と精神の健康につながっています
 
新型コロナに関係なく日頃から「Go to デンタル」です

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あの気持ち悪い型取作業はいらない?!(インプラント学会技術向上講習会3)

2020-10-14 11:34:18 | インプラント学会

今回も学会で歯科治療のデジタル化についてのセミナーがありました

「口腔内スキャナーの多数歯欠損症例への応用」のタイトルでセミナーがありました

口腔内スキャナーとはお口の中に細長い器具をいれて歯の表面を3Dでスキャニングすることによってあの気持ち悪い型取りをしなくてもよくなる装置です

それを使ってたくさん歯をう失った患者さんの歯の治療に応用しようとするお話です

患者さんにとってはこれは朗報ですね

ところが最後、以前から行われている型取りとスキャーナーによる型取りの精度の違いについて質問があったのですがそれについては今回は検討していないとのことでした

実際当院で歯を作ってもらっている歯科技工師によると、普通に型取りしたほうがいい時もあるとのこと

今の段階ではまだ歯科治療のデジタル化についてはデジタルで行ったほうがいいところと、人の手を使ったほうがいいところがあり

治療によってはデジタルでしたほうがいいところと、アナログで手作業の方がいいところがあるのが実際です

ときどき、歯科治療はロボットやAIができる!みたいな記事を見かけますが

魚1匹捌いて刺身にすることさえロボットにまだできないのに手術を含む歯科治療すべてをロボットができるのはまだずいぶん先になると思います

ちなみに写真は今がシーズンのタチウオで近海で釣ってきて捌いて刺身でいただきました

釣れる場所や潮の満ち引き、天気などの検索、釣った写真の保存はデジタルで、

魚を捌くのはアナログですが人の手で行うのが今のところ効率的です

やはりデジタルとアナログ、それぞれ得意分野があるということですね



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インプラントの成功と失敗の基準は?(インプラント学会技術向上講習会2)

2020-10-06 18:15:32 | インプラント学会

引き続き臨床技術向上講習会からの話題です 大阪口腔インプラント研究会の坂本貴司先生が「歯周病とインプラント周囲炎の新しい診断基準」について講演されていました

この話は患者さんからよく「先生、インプラントはどのくらいもつのですか?」と質問されますが

まず、その「インプラントがもっている」という状態はどういう状態なのでしょう?

インプラントがぐらぐらになっていたり、インプラントの周囲の歯茎が出血したり腫れ上がっていたらダメなのでしょうか?

実はグラグラになっていたらインプラントを撤去したほうがいいのですが、インプラントの周囲の歯肉が出血したり腫れていても治療可能な場合が多くあります

逆に症状がなくてもインプラント周囲の骨の吸収が重篤でインプラントを撤去したほうがいい場合もあります

実はこの状態ならインプラントは成功している、あるいは失敗しているという世界的に統一された診断基準はないそうです

上記の写真はオランダで開催されたヨーロッパ歯周病学会のホームページですが

この学会で2017年にアメリカ歯周病学会との合同ワークショップで「インプラント周囲炎の分類」が提言されました

要するに、「インプラントの成功と失敗の国際的に統一された基準を決めていこう」という話で、

インプラントの成功基準は現時点では模索中でこれから引き続き更新されていくようです

なので最初の患者さんの質問に対する答えは

「インプラントの統一された成功基準が未だないため、症状の有る無しだけではそのインプラントが大丈夫かどうかは判断できません。

レントゲンやインプラントの周囲の歯肉の状態を定期的に検査し、悪くならないようにしっかりとケアしていくことが最も大切です」

となります

あと余談ですが、ホームページでインプラント何年保証と謳っている歯科医師がいますが診断基準がないので何をどこまで保証しているわかりません

言い方を変えると、インプラントが悪くなっても症状がなければ問題なしと判断されてしまう可能性がありますのでお気をつけください

日本口腔インプラント学会ではそういった表記をしないように指導しています


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インプラントで骨が足りない時に使用する人工骨について (インプラント学会技術向上講習会1)

2020-10-05 12:27:03 | インプラント学会

インプラント学会技術向上講習会で「未承認・適応外の医薬品・医療機器の使用を含む医療倫理について」をテーマに大阪歯科大学口腔インプラント学講座の馬場俊輔先生の講義がありましました

タイトルから難しいので要約していくと

インプラント治療において当たり前ですがインプラントは骨に植えることになります

その骨が不足しているケースが少なくないのですが、その場合自分の骨を移植するか人工の骨を移植した上でインプラント治療が可能になります

(厳密にはショートインプラントを使用するという手もありますがそれはまたの機会に)

今回は人工骨のお話です

インプラントに使用する人工骨は最近まですべて厚生労働省の認可がおりていませんでした

じゃあ、今までどうしていたのかというと歯科領域で顎いれても安全されている人工骨か

欧米で認可がとれていて実績のある人工骨などを「適応外医療」として使用するしかありませんでした

ちなみに「適応外医療」といっても、歯科領域で歯槽骨萎縮症、歯周疾患、抜歯窩、嚢胞様病変、骨欠損にたいしては適応がとれており

インプラント治療に使用する場合のみ「適応外医療」となります

今当院ではGCというメーカーのサイトラングラニュール(炭酸カルシウム)を人工骨として使用しています

このサイトランスグラニュールは厚生労働省にインプラント治療に使用していいという認可をとっておりますが、新しいためまだそれほど実績がありません

まとめると、現在(令和2年10月)、インプラントを希望される患者さんで骨が不足しており、骨移植が必要な場合

1)自分の顎の骨を削って移植する

2)世界的に実績があるが日本では認可のとれていない人工骨を移植する

3)厚生労働省の認可がとれている人工骨を移植する

このなかから選択することになります

個人的にはインプラントを入れるために削り取った骨とサイトランスグラニュールのブレンドが

1)と3)のいいところどりで、いいのではないかと思っています


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秋は学会シーズン! 口腔インプラント学会専門医技術向上講習会

2020-10-05 12:06:48 | インプラント学会

週末土曜日は愛知インプラント インスティチュート、日曜日は日本口腔インプラント学会、来週は日曜と月曜美に成人矯正学会と

この季節どそれぞれの学会が講習会やセミナーを開催するためたとえweb開催でも毎週忙しいです

昨日は日本口腔インプラント学会の専門医臨床技術向上講習会が開催されました

このセミナーでは今のインプラント治療の最前線の話を聞くことができます

皆さんもテレビやネットでインプラントの情報を聞くこともあるとは思いますが日本で一番信用できて新しい情報はここにあります

その中でも患者さんがご自分の受ける治療方針を考える上で役に立つ情報もあるので

いくつか要約して数回に分けて紹介していきたいと思います

写真は学会のスケジュールですが結構シビアな時間設定だと思いませんか?(笑)


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