先週は母校の愛知学院大学歯学部のセミナーにwebで参加していました
今回は歯内治療学講座の諸富先生が演者で歯内治療の新材料の開発のお話でした
まず最初に歯内治療とは何かですが、歯が痛くなって歯医者に行くと「歯の神経を取りますね」と言われます
あるいは神経をとった歯がしばらくして痛くなったり腫れてきて歯医者に行くと「歯の根の先が膿んでますね」と言われます
これらの治療を歯内治療と呼びます
ところがこれがなかなか上手くいかないのです
そのわけは諸富先生曰く「近年、生物学的 研究の進展やコーンビーム CT、歯科用マイクロスコープ、そして Ni-Ti ファイル等 の機器・器材の発展と普及により、根管治療の確実性と効率化が向上しつつある と言われます。しかし、今でもなお根管治療は高頻度歯科治療の中でも特に再発 率の高い疾患であるとされ、本邦では抜髄根管の 1/2 以上が再治療の対象となっ ていることが報告されています。」とのこと
そしてその原因は「多くの根管は側枝や根尖分岐、イス マス、フィンなど複雑な解剖学的形態を有しており、根管形成用器具を用いた機械 的な形成が可能な範囲は根管系の 60〜80%程度とされています。また、狭くて 暗く、多様な微生物が多数存在する口腔内で、ほぼ直視不可能な根管内を適切に 処置することは容易なことではありません。」
とのこと
要約すると歯の神経の入っている管は複雑な形をしているので完全に取り除くことは難しくどうしても治療しても悪くなることが避けられないことが多いということです
なのでダメになった神経を取り除いた後、もう一度神経を再生させる薬を現在開発中とのことです
歯の根の治療がうまくいかず最終的に歯を抜かないといけないケースが結構あり、歯医者としては敗北感を感じます
なのでこの薬ができると患者さんの歯の寿命は一気に伸びるので、ぜひ開発がうまく行くことを切に願います