前号では、濃厚なオレンジの風味が特徴で、甘味が強く食べやすい「津之輝(つのかがやき)」を取り上げた。
今週は名前が似ており、食べ頃を迎えている「津之望(つののぞみ)」を紹介したい。
津之望は平成23年に品種登録された、津之輝よりも少し新しい柑橘。開発されたのは昭和49年のこと。約40年の月日を経て、世に送り出された品種である。育成されたのは津之輝と同じ、長崎県にある農研機構の果樹試験場。育成地である「口之津」という地域の名前と、柑橘における農業振興の希望の意味を込めて名付けられたという。
果実のサイズは200g程度。果皮は薄く、容易に手で剥くことができる。じょうのうも薄く食べやすいが、果肉に種が入ることが多いため注意が必要。オレンジのように、ナイフでスマイルカットに切れば、種を気にすることなく食べることができる。
食してみると果汁の多さに気付く。「清見」と「アンコール」を交配したもので、津之輝と比べ、温州みかんの系統を含まないことから、酸味が弱く、甘さが先行する特徴がある。果肉は濃いオレンジ色をしており柔らかい。
12月下旬には糖度が12度を超え、クエン酸の含有率は1%となることから、年内の収穫が可能。早ければ年末から店頭に並び、年を越して2月上旬まで出回る。
糖度が高いものでは15度を超えるものも。柑橘に酸味を求める方にとっては少々物足りない味わいかもしれないが、果汁の多さや甘さを重視する方にはおすすめしたい逸品である。
農水省の統計によると、収穫量の第1位は和歌山県(約32t)、第2位は長崎県(約19t)となっており、和歌山県は全国の約6割のシェアを誇る。
今が食べ頃の津之望。ぜひ、味わってみてほしい。
(次田尚弘/和歌山市)
今週は名前が似ており、食べ頃を迎えている「津之望(つののぞみ)」を紹介したい。
【写真】果汁たっぷりの「津之望」
津之望は平成23年に品種登録された、津之輝よりも少し新しい柑橘。開発されたのは昭和49年のこと。約40年の月日を経て、世に送り出された品種である。育成されたのは津之輝と同じ、長崎県にある農研機構の果樹試験場。育成地である「口之津」という地域の名前と、柑橘における農業振興の希望の意味を込めて名付けられたという。
果実のサイズは200g程度。果皮は薄く、容易に手で剥くことができる。じょうのうも薄く食べやすいが、果肉に種が入ることが多いため注意が必要。オレンジのように、ナイフでスマイルカットに切れば、種を気にすることなく食べることができる。
食してみると果汁の多さに気付く。「清見」と「アンコール」を交配したもので、津之輝と比べ、温州みかんの系統を含まないことから、酸味が弱く、甘さが先行する特徴がある。果肉は濃いオレンジ色をしており柔らかい。
12月下旬には糖度が12度を超え、クエン酸の含有率は1%となることから、年内の収穫が可能。早ければ年末から店頭に並び、年を越して2月上旬まで出回る。
糖度が高いものでは15度を超えるものも。柑橘に酸味を求める方にとっては少々物足りない味わいかもしれないが、果汁の多さや甘さを重視する方にはおすすめしたい逸品である。
農水省の統計によると、収穫量の第1位は和歌山県(約32t)、第2位は長崎県(約19t)となっており、和歌山県は全国の約6割のシェアを誇る。
今が食べ頃の津之望。ぜひ、味わってみてほしい。
(次田尚弘/和歌山市)
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