JTB、健康観光専門研究機関「ヘルスツーリズム研究所」を開設
JTBは、グループ内の健康観光・旅行関連事業を専門的に推進する「ヘルスツーリズム推進プロジェクト」を発足させ、この領域の研究・事業開発を担う専門研究機関として、「ヘルスツーリズム研究所」を11月9日に開設します。
高齢化の進展や健康志向の高まりを背景に、2001年に12兆円であった健康関連市場は2010年には20兆円に達すると試算(経済産業省健康サービス研究会発表)されるなど、健康需要のさらなる拡大が見込まれております。
また、旅行においても近年、旅行の健康の癒し効果についての研究がなされるなど、旅行と健康の関連性、その効果も注目されるようになり、こうした市場を捉える健康旅行商品も少しずつ増えてきました。
一方、シニア世代の旅行増加に伴い、旅行先で病気や怪我に見舞われるケースも増加傾向にあります。このため、旅行産業としてのリスク管理上、旅行者の安全確保、リスク軽減、さらにはSARS、鳥インフルエンザ等の新感染症による風評被害を未然に防ぐため、旅行医学の新しい情報や正しい知識を持つ必要があります。
こうした需要と社会的要請に鑑み、健康観光・旅行に係る調査・研究事業をベースに、科学的実証に基づく(EBH:Evidence Based Health)健康旅行商品等の開発、及び旅行医学を活用した危機管理事業等の開発を推進します。
具体的には、旅行先で体にいい食事を提供する医食同源ツアー、温泉浴、森林浴など地域固有の健康素材を保養プログラムとして活かしたツアーなど科学的実証を踏まえて商品造成し、健康ソリューションとしての旅行形態の確立を目指します。また、旅行用英文診断書、いわゆる“トラベルカルテ”の仲介・作成事業等にも着手し、シニア世代の旅行増加に対応したビジネス展開を図る予定です。
特に、旅行医学については、日本渡航医学会(大利昌久理事長、事務局:札幌医科大学保健医療学部看護学科)の教育普及委員会との連携で添乗員教育プログラムを開発し、社内教育の徹底を図るとともに、業界内の教育事業の展開も視野に入れ業務展開を図ります。
<ヘルスツーリズム研究所(HTI)ミッション>
1.ヘルスツーリズムの振興により日本や世界の人々の健康維持、あるいは健康増進を図り、人々の幸福で楽しい生活に寄与する。
2.若くても老いても楽しく健康に旅行ができるヘルスツーリズムを推進する。
3.科学的実証に基づく(EBH:Evidence Based Health)ヘルスツーリズムの研究・調査を行い、旅行として人々から認知されることを目的にする。
4.ヘルスツーリズムにより人々の生活に密着し、「生活産業としての観光」を推進する。
5.ヘルスツーリズムによ各地の個性に応じた地域の振興に貢献する。
6.斬新なアイデアに基づく新しいツーリズムのあり方を提案する。
7.自然環境に配慮し、質のいい食事の提供により日本人が健康に長生きできる新しい日本を創る。
(JTBのプレスリリースより)
「健康」あっての楽しい旅。高年齢化が進み、安心して、旅行に行けるというこの企画。とてもいいと思う。