旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

高遠そばと会津中将と鶴ヶ城と 野岩鉄道・会津鉄道を完乗!

2017-02-21 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 温泉と会津の酒肴を求めて日光から会津へ抜ける。野岩鉄道の起点は新藤原、
会津田島まで直通する東武鉄道の快速は観光客とスノーボーダーを乗せて満員だ。

野岩鉄道は会津高原尾瀬口まで、その先は会津鉄道になる。快速の終点会津田島で
後続の “AIZUマウントエクスプレス1号” にリレーして大内宿最寄りの湯野上温泉へ。
茅葺駅舎と足湯の魅力的な駅だけど、数少ないタクシー確保のため足早に改札を抜ける。

      

雪景色の大内宿を訪ねた。
会津城下と下野の国・今市を結ぶ32里の下野街道に1640年頃に整備された宿場町。
近代、国道121号線が阿賀野川の谷沿いに整備され、大内宿は時代に取り残された。
故に、今日に街道時代の景観を残している。

 

“高遠そば” 三澤屋の茅葺屋根の板戸を開けると囲炉裏で岩魚を焼くかおりが漂ってくる。
そばを待つ間、大根と麩の煮物をアテに花春酒造の特別純米酒 “大内宿” を愉しむ。

     

“高遠そば” とは、会津の殿さまが信州高遠藩で育ちであったことに因んでいる。
大根おろしそばを長ネギを箸がわりに用い、薬味をかねていただくのが大内宿流だ。

 

2両編成のディーゼルカーで雪景色の中をさらに北へ向かう。目的地は芦ノ牧温泉。
芦ノ牧温泉駅には名誉駅長が居る。「らぶ」と云う名前の雄のアメリカンロールだ。
なんか猫の駅長ってよく聞く気がする。でっ今宵は芦ノ牧温泉・大川荘で地酒に酔う。

 
 

今宵の肴、膳菜(前菜)は十念豆腐、鰊山椒漬、エゴ酢味噌和え。
季節の御造り。
鍋物は蒸し鮑と大根の蟹あんかけ。
台の物は福島牛リンゴソース。
山菜の天婦羅。

 

鶴乃江酒造の “会津中将 純米吟醸 夢の香” 、すっきりしたやや辛の旨い酒だ。
伊勢海老のタルタルとサーモンマリネ、会津蕎麦にも満足。
ここのところ立ち飲みが続いた「呑み鉄」なので、たまには贅沢に愉しもうと思う。

そして夜明けの雪見露天風呂を独占。もちろん源泉かけ流しの温泉なのだ。
大川の渓谷に向かってせり出す景観抜群の「空中露天風呂」に浸かって至福のひと時。

会津若松に向かってラストスパート。さすがに普通列車は単行ディーゼルカーなのだ。
ところで会津鉄道は、国鉄会津線を引き継ぐ目的で設立された第三セクターの鉄道会社。
開業が1987年7月と云うから、僅か3ヶ月をJR線として走った訳だ。

旅の終わりは西若松駅、新潟県小出から秘境を抜けてきた只見線と合流しての終了となる。
駅から東へ1.5キロ、難攻不落の名城とうたわれた会津若松城(鶴ヶ城)に行き着く。
昨冬は雪がなくてがっかり、今日は雪の中を凛として聳える望楼型七重の天守閣を見上る。

野岩鉄道 会津鬼怒川線 新藤原~会津高原尾瀬口 30.7km
会津鉄道 (旧会津線) 会津高原尾瀬口~西若松 57.4km 完乗 

沢田研二 / さよならをいう気もない 1977