国営ひたち海浜公園のHPでネモフィラが見頃だと知って、ひたち海浜鉄道湊線を往く。
連続テレビ小説「ひよっこ」で注目の茨城を訪ねるには、“ときわ路パス” が便利だ。
ひたち海浜鉄道は茨城交通から湊線を引き継いだ第三セクター会社。
様々趣向を凝らしたディーゼルカーが、勝田から阿字ヶ浦までの14.3kmを走っている。
日立の工場群と住宅街をほどなく抜けると、田起こしに忙しい一面の田圃風景が広がる。
田植え後の緑の絨毯もキレイだろうと眺めるうち、舟運で栄えた歴史の街那珂湊に到着。
早いお昼に美味いものを探しに途中下車する。
新鮮な海の幸の販売店や魚料理屋が軒を連ねる「おさかな市場」へ続く県道は大渋滞。
たくさんの家族連れで賑わう市場、めざす魚料理屋は案の定長蛇の列なのだ。
一筋入った町の寿司屋さんに席をみつけたが、"海鮮丼" が運ばれてきたのは1時間後。
良いところを切ってもらった上等な丼ですが、やや興ざめだ。
気を取り直して那珂湊から阿字ヶ浦に向かう。
那珂川に沿って河口をめざした湊線、那珂湊を過ぎると北に転じて台地を上って往く。
平磯を越えると右手に青い太平洋を臨み、10分ほどで終点の阿字ヶ浦に到着する。
阿字ヶ浦は遠浅の美しい海岸の海水浴場で、シーズンは海水浴客で賑わう。
国鉄時代は上野から直通の急行「あじがうら号」が乗り入れていた。
静かな終着駅にバスが3台、「ネモフィラハーモニー」の無料シャトルバスだ。
北アメリカ原産の一年草の和名は「瑠璃唐草」、英名は「ベイビーブルーアイズ」だ。
可憐なネモフィラがみはらしの丘を青一色に染める。
やがて丘上で空の青と溶け合う風景は初夏の輝きに満ちている。
ひたちなか海浜鉄道湊線 勝田~阿字ヶ浦 14.3km 完乗
気まぐれヴィーナス / 桜田淳子 1977