「京とれいん雅洛」を桂駅で下車した。隣のホームの4両編成に乗り換えて桜花爛漫の渡月橋を訪れる。
上桂、松尾大社、嵐山、阪急・嵐山線の3駅はすべて桜並木の中。すでに車窓からお花見気分なのだ。
『くまなき月の渡るに似る』と亀山上皇が詠われてから750年、桜の渡月橋は京都を代表する景色だ。
保津川の渓谷にはぽつりぽつりと「ヤマザクラ」が点滅している。
嵯峨野に向かって延びる渡月橋、南詰の堤には「ソメイヨシノ」が今が盛りと咲き誇る。
恋人たちが語らう中ノ島公園には「シダレザクラ」が薄紅の花糸を垂らして美しい。
そして嵐山駅、マルーンの電車の窓に映る満開の桜並木。遠い日は二度と帰らない、夕やみを迎える桂川。
阪急電鉄・嵐山線 桂~嵐山 4.1km 完乗
京都慕情 / 坂本冬美