冬晴れの日、靄がかかった筑波山を背景に田圃の中をディーゼルカーが疾走していく。
この長閑な風景は「下妻物語」の情景かな。深田恭子さんだっけ、観ていないけど。
下館を訪れたのは一昨年の秋のこと。真岡鉄道のSL列車で益子の酒を一杯やったっけ。
今回は関東鉄道常総線を鬼怒川に沿って関東平野ど真ん中を南下する。
車窓右手に見えてきた威容は常総市地域交流センター。別称を「豊田城」と云う。
平安末期から戦国時代までこの地方を支配した桓武平氏一族の豊田城なぞって命名された。
山中酒造店は石下にあって二百年以上続く古い蔵、軟水仕込みの淡麗辛口を醸している。
銘柄は "一人娘" となんとも耳触りが良い。ラベルもなかなか美しい。
本醸造から純米大吟醸まで7~8杯をたっぷり利き酒させていただいてご機嫌だ。
気になったのはワイン酵母仕込みの特別純米酒。目隠しして飲んだら判らないな。
石下駅推奨の食事処は「らーめん すすきの」、ファミレス風の店構えに一瞬がっかり。
一番人気の "味噌ラーメン" をいただいて前言撤回。これはかなり美味しい。
一人娘を愛でて、お腹もふくれたら、石下駅からふたたび車中のひとになる。
2つ先の中妻駅では下り列車と行き違う。片田舎の駅の交換風景は絵になる。
中心駅の水海道で2両編成に乗り換えとなる。乗客も増えて輸送量の違いを実感する。
なんとこの先は複線化されていた。非電化複線ってかなり貴重なのではないだろうか。
列車は夕暮れの複線区間を快調に飛ばして約30分で取手駅の8番ホームに終着した。
常磐快速の見慣れたブルーのラインが、向こうのホームに停車中だ。
関東鉄道にはもう一つ竜ヶ崎線と云う路線がある。常磐線で2つ先の佐貫が起点になる。
終点の竜ヶ崎までは僅かに2駅、4.5kmの路線だ。
龍ケ崎市はコロッケで街おこしをしている。竜ヶ崎線の車内にもコロッケがいっぱいだ。
終点の竜ヶ崎までは僅かに7分。単行ディーゼルカーは一服する間もなく折返して行く。
改札を抜けて30秒ほど。ちょうど17時、居酒屋「ふくろう」に暖簾が掛かる時間だ。
独りカウンターに座るが、ほどなく一人二人と常連さんが引戸を開ける。
5人のご隠居さんは飲み友達の様だ。カウンターの姉さんをからかいながら盛り上がる。
まずはホッピーを一杯。それからコロッケも食べないと。
凝った肴はない。出来合いを温めるか、焼くか、切るだけ。でもこれで十分。安いしね。
イラストの色っぽいお姉さんが勧めるので、2杯目は自家製の梅酒ロックをいただく。
気持ちよくなった頃間で15席ほどのコの字カウンターが常連さんで埋まって来た。
余所者はこの辺で退散しよう。楽しく飲ませていただきました。ごちそうさまです。
関東鉄道 常総線 51.1km
竜ヶ崎線 4.5km 完乗
ブーツをぬいで朝食を / 西城秀樹 1978
実は登録する前もちょくちょく読ませてもらってました。電車も乗って美味しいものも食べていいなぁ~って思っていました(^^)
自分も登録していただいて、ありがとうこざいます。
メッセージありがとうございます。
多趣味にご活躍ですね。ブログ拝見しました。
夕日と月の写真が美しいですね。
これからお邪魔します。