旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

JY01 山手線立ち呑み事情 吞うてんき@東京

2020-12-03 | 大人のたしなみ

 午後5時の八重洲口、冬至前の弱い陽は既に没し、東京駅周辺に夜の帳は降りる。
サラリーマン同輩諸氏の機先を制して、人気店での立ち位置を確保しようと急いで来た。
春以来の時差出勤で16:30終業の吞み人、なるほどこの時間この場所に立てるって訳だ。
「立ち飲み」だけを吞み継いで、はたして山手線を一周できるだろうか。
またしょうもない事をって云わないで欲しい。これでも大真面目、渾身の新企画なのだ。

 さくら通りに入って一本目の路地は異空間への入口、どんより赤い看板が手招きしてる。
先ずは給食の椀(みたいな)に千円札を2枚投込む。ここはキャッシュオンスタイルなのだ。
お気に入りの "マグロ中落ち" が無くて、代わりに "タコぶつ" と生ビールでスタート。
柱時計に日めくり、赤提灯が提がって、店内にはどこか懐かしい雰囲気が漂っている。

 隣に立つスーツがはち切れそうな体育会系の兄さん、店主と大声で掛け合っている。
どうも酒販卸しかメーカーのセールス担当らしい。盛んに新発売のジャパニーズジン、
(最近桜井ユキさんのCMが流れている)の取り扱いを勧めている。
とうとう半ダースの納品を勝ち取った兄さんは「明日、ポスター持って来まぁす」って
満面の笑顔で帰って行った。得意先に通って飲んで食べて店主の心を掴むんだね。
黄色と黒は勇気のしるし♪って、24時間戦うことを問われた時代のセールスが懐かしい。

 二杯目は "角ハイボール" を。ここのはダブル、レモンも入ってハッピーな一杯。
タモリ倶楽部でも取り上げられた "ハムカツ" は薄からず厚からず、サクサクした食感が
ソースとたっぷり和がらしをつけて美味しい。
この店、6~8人が立てるテーブルが4卓、こんどは奥で人事評価会議が始まった様だ。
背中越しに繰り広げられる人間模様もなんだか昭和っぽい、でひとり飲みも退屈しない。

 常連さんから次から次にオーダーされる "温どうふ" が気になる。メニューにはない。
だいたい察しはついたが、鍋から掬われた半丁の絹ごしの上で削り節が悶えている。
こうなりゃ日本酒を一杯、新発田の "辛口菊水" が安っぽい薬缶に入って提供される。
新潟らしい淡麗辛口とポン酢醬油の "温どうふ" でさっぱりしたところで〆にしよう。
お会計は三杯三品で2,150円也、家路の寄り道にはまずまずのパフォーマンスだろうか。
なにしろ八重洲北口改札から5分にこんな異空間を見つけた喜びが大きい。満足なのだ。
それでは、立ち飲みを継いだ山手線一周の旅、次は神田ぁ!

DOWN TOWN / EPO 1980
     



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2 コメント

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楽しみ~♪ (ルネママ)
2020-12-05 09:28:29
おはようございます。

ああ・・・・吞み人夫婦としては楽しみな企画,゚.:。+゚,゚.:。+゚
神田はどこへ?
続きが楽しみです♪
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Re:ルネママ様 (吞み人)
2020-12-05 22:45:38
ルネママ様、こんばんは。
しょうもない企画に共感いただき恐縮です。
これはっ真面目に継続しなくてはいけなくなりました。
流行り病対策をしっかりして、
時に危険な店は勇気ある撤退をしながら、
吞み進めていきたいと思います。
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