▲脚本家の技はキラリと光る NHK朝ドラ「おちょやん」
自由が丘大人の音楽教室 新沼健です。
「エール」からバトンを受けた朝ドラ「おちょやん」ですが、視聴率的にはパッとしないようです。
視聴率とドラマの良し悪しは直結しないことを知ってはいますが、当ドラマが今一つの評価にとどまっているのは、時折押し込まれる関西風(?)の寒いギャグと、奇天烈なキャラクター設定がどうもしっくりこないせい(あまりに現実離れしている)ではないかと思っています。
特に京都活動写真編に登場した、六角精児演じる撮影所長の「カタ金」設定、一緒に見ていた家人に「この設定面白い?」と聞いたところ、「全然!」とまるでつれない返事でした。
道頓堀に戻った鶴亀家庭劇編の座員、特に明日海りお演じる高峰ルリ子のいつもカメラ目線や、松本妃代演じる石田香里の、常にミュージカル風のセリフなど、「カタ金」なみに現実離れして違和感ばかりで、面白さなど感じることなどありません。
もう少し別な描き方があるのではと感じてしまいます。
それでは一体全体、「おちょやん」は「柄の取れた肥柄杓ドラマ」かというとまるでそんなことはなく、随所に脚本家の技がキラリと光っていて、流石「半沢1」を担当した作家だけある、と感じます。
随所に細かい伏線を張って、次から次へと回収し、ドラマの大転換はズバッとばかりの、その切れ味に感心しきりでした。
具体的には、最初の道頓堀編の最後、テルヲに売られそうになったお千代は、芝居茶屋の皆に逃されるわけですが、お千代は川で逃がす、テルヲ達は女将がまとめて面倒見る、その場面転換の思い切りの良さにほとほと感心しました。
日本が誇る大脚本家である橋本忍が、菊島隆三を「捌き(場面転換)」が上手いと評していましたが、橋本忍が存命であれば、八津弘幸も「捌き」が上手いと褒められていたかもしれません。
また、先週末の劇中劇編の最後は、そうくるか、そしてこちらはこうくるか、そしてさいごはこうなるか、と、面白おかしく笑えるというより、展開の妙がしみじみと面白く、実に大したものだなあ、とこれまた感心したわけです。
手本になる喜劇作品があったとしても、こうしてキチンとドラマに落とし込む事ができた、というのは実に大したものです。
今後は、関西風(?)の寒いギャグは全く不要ですので、劇中劇編の最後みたいな面白い展開を期待せずにおられません。
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