いろはにぴあの(Ver.3)

ピアノを趣味で弾いています。なかなか進歩しませんが少しでもうまくなりたいと思っています。ときどき小さな絵を描きます。

昨日は

2012年04月30日 | ピアノ・音楽

 録りだめしていた録画を聴きながら、本を読んた。

 録画はBSクラシック倶楽部2本、プレミアムシアター1本、そして本は大島真寿美の『ピエタ』。

 BSクラシックはヴァイオリンの竹澤恭子(ピアノは小川典子)とピアノのリーズ・ドゥ・ラサール。竹澤さんの録画はかなり前のだった。古くなるとハードの関係上録画していてもやむをえず削除することもあるのですが、本当に削除しないでよかった。イザイの『冬の歌』からぞくぞく、メシアンの『ヴァイオリンとピアノのための幻想曲』でメシアンのちょっと違う一面を発見。そしてフランクのヴァイオリンソナタで悶絶。素敵~。小川さんのピアノも美しく息がばっちり合っていた。フランクのヴァイオリンソナタ、いつかやっぱり生を聴かなければ。

 リーズ・ドゥ・ラサールさんはピアノだということで録画したが今回観るまで知らなかった。見かけはフランス人形みたいにかわいらしい方だが、非常に切れがよくエネルギッシュで表現力も豊かな演奏。曲目もリストのバラード2番、葬送曲、シューベルトのセレナーデやワグナーのイゾルデの愛と死をはじめとした編曲物とリスト三昧。めりはり満点、難所も余裕、うっとりとされ曲の世界にすっかり入り込まれているように見えた。いい意味でアブナイ感じが。その後Googleで検索をかけてみた。CDのジャケットを見て思い出した。あのジャケット、見たことある、視聴したこともある。ぱりっとしたかっこいい演奏をする方だと度肝を抜かれた記憶がよみがえった。すごいな~。若さっていいな~。切れが違うな~。確かに彼女は天才だと思うが。

 プレミアムシアターは若かりし日のアルゲリッチ。チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番とプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番という組み合わせ。こちらもぱりっときれがよくはつらつ。見事な表現力だ。録画にはその前にトスカも入っていた。ながらではなくて今度はちゃんと観たほうがよさそう。

 それらの音楽を聴きながら『ピエタ』を読んだ。贅沢なひとときだった。本の内容から音楽は違うものがよかったかもしれないが。

 『ピエタ』は18世紀のヴェネツィアが舞台。作曲家ビバルディは孤児を養育するピエタ慈善院で音楽的な才能に秀でた女性だけで構成される〈合奏・合唱の娘たち〉を指導していた。そのビバルディが亡くなったという知らせからドラマが始まる。ピエタに捨てられた捨て子であった教え子たちはビバルディ先生のもとで音楽を学んだり個性を伸ばしたりしながらかけがえのないひとときをすごしていた。語り手で住み込みの書記、語り手の親友で音楽的な才能に優れた演奏家、一緒に音楽教育を受けた貴族令嬢、賢く高級娼婦、音楽以外の別方面で活路を開きながらもビバルディと心を通わせていた生徒が主な登場人物。一緒に音楽教育を受けた貴族令嬢からの、一枚の楽譜に関する依頼がきっかけで、語り手のエミーリアをはじめ登場人物は多くの人たちと関わりながら自分自身とも向き合うことになった。でてくる人たちがとにかく健気。「よりよく生きよ むすめたち」という言葉が説得力をもって迫ってきた。課題も残されたが楽譜の謎も美しく解決した。貴族令嬢ヴェロニカの人物像から受ける印象がはじめとおわりとでまったく違っていて一貫性がないようにも思えたが、人はそれだけ複雑で多面的なんかもしれない。また高級娼婦のクラウディアは出だしから鮮明な印象、こんな方が身近にいたらあこがれるがちょっとこわいとも思ったり。今日は一気に読み飛ばしてしまったが、ときを置いてあらためて読み直したいと思った。こんどは『調和の霊感』を聴きながら。

 そしてEテレの「ららら・クラシック」も見た。チャイコの「眠れる森の美女」バレエ版抜粋でも見れてよかった。知っているメロディーがたくさんでてきてわくわくした。そして黛敏郎作曲、男性だけの舞踏「ザ・カブキ」にしびれた。きりりとした和の世界のかっこよさ。生演奏に合わせて華麗に踊る彼らにしびれた。「ららら」はじめはちょっとインタビューで耳障りに感じた面もあったものの、気にならなくなってきたし、なんといっても多角的な視点から音楽を紹介してくれるところがいいと思った。