入院中にしないで来たことの中で私にとって大きなことだったことは、音楽を聴かないでいたこと。「弾かないで」だけではなくて「聴かないで」も含まれていました。その間は意識を音楽以外に向けて気をうまく紛らせていたつもりだったのですが、帰宅後音楽を自由に聴けるようになったとたん、音楽解禁になったという喜びがどっと湧いてきました。
そこで音楽鑑賞タイムと向かったとたん、一聴惚れしてしまった曲に出会ったのです。twitterで知られざる名曲を紹介してくださる方がいて、聴くたびに新たな発見と楽しみを感じている私なのですが、退院直後に出逢ったこの曲は私のハートを直撃しました。ズガンバーティ作曲の『夜想曲Op.20 No.1』『夜想曲Op.20 No.2』『夜想曲Op.20 No.3』の3曲です。
1曲目の『夜想曲Op.20 No.1 ロ短調』は 0:00~4:44
2曲目の『夜想曲Op.20 No.2 ト長調』は 4:45~7:44
3曲目の『夜想曲Op.20 No.3 ハ短調』は 7:45~14:54
スケールが大きく情熱的で想像力がかきたてられる音楽、悲しく辛い状態でもそういう状態が永遠に続くことはない、希望を持とうと温かな光とともに語りかけてくれるように思える (あくまでも私の感じ方です)骨太の音楽ではまってしまったのでありました。特に3曲目『夜想曲Op.20 No.3』中間部からのドラマチックなシーンは聴くたびにぞくぞくします。短調の激しいシーンから一気に明るい光が差してくるところが本当にたまりません。
この曲を作ったジョバンニ・ズガンバーティはイタリアの作曲家で、当時どちらかといえば無視されていたドイツ音楽をイタリアでも受け入れられるための演奏会を行い、当時ローマに住んでいたフランツ・リストからの支援も受けました。(Wikipediaより)こちらの夜想曲もどことなくリストの影響を受けたように思えるところが見受けられます。管弦楽、室内楽とともに、ピアノ曲も作り、グルックのオペラ『オルフェオとエウリディーチェ』からソロのピアノ用に編曲された『メロディ』でも有名です。
しかし、こちらのはっとする美しさにあふれたこのOp.20の夜想曲はあまり有名ではなさそうです。特定の曲紹介もないし、楽譜もIMSLPでやっと見つかった状態。しかもその中で私の最大のお気に入りの『夜想曲Op.20 No.3』ときたらネット上で言及されているところは皆無のように思えます。しかし少なくとも私にとってはこれに出逢えて心底よかったと思えるような宝物の音楽でした。秘蔵の宝物♪ 一聴いただけたら嬉しいです