いろはにぴあの(Ver.4)

音楽、ピアノ、自然大好き!

The Mozart Story

2018-06-16 | ピアノ、音楽

 9月に出演予定の某音楽祭に向けて準備を始めているこの頃、肝心の曲も弾けるようになっていない状態なのだが、せっかく弾くのなら、作曲家の人生や時代背景も理解し堪能したいと思っている。そう思っているうちに見つけたのが、”The Mozart Story" by Jake Ronaldson(ジェイク・ロナルドソン著『モーツァルト・ストーリー』)。IBCパブリッシングによるラダーシリーズの中の1冊。フリーライターとして活躍しているJake Ronaldson氏によるこの本はレベル2(英検3級程度)伝記でありながら驚くほど読みやすい英語で書かれている。少し難しい単語については巻末にWord List(語釈)が掲載されている。これだけシンプルな英語でモーツァルトの生涯を伝えていることに感激したとともに、英語学習者にとってやさしそうなこの本の語り口は、モーツァルトの音楽にもつながっているように思えてきた。


藤井千秋の世界

2018-06-16 | 気になる場所、風景

 ずっと気になっていた展覧会についに行ってきた。藤井千秋の世界! 1950~70年代、少女誌『少女の友』、『女学生の友』、童話全集などにイラストや挿絵を発表し、少女たちの心をつかんできた藤井千秋(1923~85年)の作品を紹介しているこの展示会、入った途端、凛として美しく透明感あふれる少女たちが繰り広げる、夢とメルヘンの世界にうっとりし、幸せな気持ちになった。40年以上前だけど、こんなに素敵な世界が描かれていたんだな、憧れた人たちも多かっただろうな。こんなにお洒落な少女たちも実際にいたかもしれない。藤井千秋氏、今まで知らなかったのだが、竹久夢二や、中原淳一の系譜に連なる方とのこと、納得。


怖いクラシック

2018-06-16 | 読書

 中川右介著『怖いクラシック』NHK出版新書

 中川氏の著書、先日ブログで挙げた戦争交響楽 に心打たれた私、その後も中川氏の著書を読み続けようと思っていたが、そのまま続編の『冷戦とクラシック』に向かうのはちょっと骨が折れそう気がしたので、時代はのぼりクラシックの作曲家たちが作った「恐怖」をキーワードにした音楽について書かれた本書を先に読むことにした。

 クラシック音楽は、いわゆる「癒しの音楽」ではない。むしろ、死、神、孤独、戦争、権力など、「恐怖」の世界も描いている。大作曲家たちが作った「怖い」音楽の紹介とそれらの曲が作られた時の背景や作曲家たちの状況について書かれていた。

 モーツァルト作曲ドン・ジョバンニ、ベートーヴェン作曲交響曲第5番運命、交響曲第6番田園の第4楽章、ベルリオーズ作曲幻想交響曲、ショパン作曲ソナタ第2番葬送行進曲、ヴェルディ作曲レクイエム、ラフマニノフ作曲前奏曲嬰ハ短調、ピアノ協奏曲第2番、マーラー作曲交響曲第1番、ヴォーン・ウィリアムズ作曲田園交響曲、ブリテン作曲シンフォニア・ダ・レクイエム、ショスタコーヴィッチ作曲交響曲第10番 が怖い音楽として挙げられていた。聴いたことがある曲もない曲もあるし、怖いというよりも激しい曲という分類でもよいのではと思える曲もあったけれど、作られた時代背景を感じたら当時の人たちにとっては怖い曲だったのかもしれないと感じた。怖い曲と言えば、グレゴリア聖歌やそれ以降のルネサンス時代、バロック前期なんかさらにおどろおどろしいと思える音楽が沢山あるし、また新しくはドビュッシーの曲にも一部怖さを感じたりするので選曲内容についてはちょっと突っ込みどころがあるような気がしたが、怖いという感覚自体主観的な感覚なので、選曲結果も百人百様だろう。個人的には、「怖い」曲を作った作曲家たちの作曲時の心境や時代背景の説明が面白く感じられた。怖い曲が作られたからと言って作曲家がその時に怖い思いやつらい思いをしていたわけではなく、またその逆もあったりするのが面白いと思った。そしてやはり時代の価値観の変化によって何度も怖い思いや矛盾した思いを抱えることがありながらも芸術家としてつよく生き続けたショスタコーヴィッチ、ますます気になる作曲家になっている次第(なぜかここに至る、今まで私は彼の音楽にほとんど目を向けてこなかったこともあるし、あまりにも過酷な状況を潜り抜けてきたということで強いインパクトを受けている。中川氏の筆の力もありそうだ、おそらく好きな作曲家だったのではないだろうか)。

 

 


バッハ ステージ演奏

2018-06-16 | ピアノ、音楽

 先日、ステージでバッハのフランス組曲から2曲演奏した。今まで私が出演した本番の中では演奏時間が最も短かったが、奥深く密度の濃い音楽で、ごまかしがきかなそうだった。短いからこそちゃんと弾けて当たり前という気もしてきてどきどき状態だった。

 前の方たち、心を込めて演奏されている。ピアノ歴には関係なく、自発的に練習しこのステージに立とうという気概が感じられる。ピアノ仲間の演奏、みずみずしい音色で丁寧に演奏されていて心洗われる。時間制限がなければいいのにね、と思ったりも。 さて私の番、暗譜で弾く本番の前に最も不安なのが暗譜落ちと停止。思ったような演奏はできなくても、せめてそれさえなければ合格点かなと思いながらステージに向かう。

 出だし、うん、なんとかまともなすべりだし。でもやっぱり非日常の浮つく感じがぬぐえない。トリル一部ごまかしちゃった。そしてががたがたも。ペダル、濁らなかったか心配。そう思いつつも1曲目弾き通した。2曲目、これこそ超有名曲でだれもが弾けるだろうと思われている曲なのだけど大人になってこの曲に初めて取り組んだ私にとっては難しい曲だった。後半の3小節目が鬼門、なんとかそこも乗り切れたかな。それにしても弾いているうちに体がふわふわと上がっていく感じはなんなのだろう。舞曲だから踊りに合わせて体も浮かせたくなっていたのかもしれないけれど、演奏するのだったら床やペダルに足をつけてしっかり支えないと音がちゃんと出ないのに。。。今後の課題だと思った。

 終了。暗譜落ちも停止もなかったけれど、思わぬところでミスをし、こうしたいと思う演奏から程遠い状態だった。反省のひととき。

 講評付きのステージだったので講評をいただいた。舞曲というものを把握する、フレーズを大きくとらえる、トリルを最後まで聴く、バランスに気を付ける、いわゆるスタッカートの扱い方など課題が。そして帰宅後こっそり録音した演奏を聴く。あれだけ拍を大切にして走らないようにしたいと思っていたのにしっかり走っていた。体の浮つきと音楽の浮つきと、比例していたかも。。。

 とがっかりしたのだけれど、学ぶことが多かった。この組曲、いつか全曲演奏したい。もちろんその前にしっかり練習しないといけないし、自分の実力も大いに棚に上げてはいるのだけれど、組曲でもソナタでも、全曲演奏ができる場が、あるといいなあ。