先日、国立新美術館に行ってきた。
目的は「トルコ至宝展チューリップの宮殿トプカプの美」。宝石を沢山用い豪華絢爛ながらも品が感じられるものばかりで、当時のオスマン帝国の繁栄ぶりが実感できる内容だった。それとともに驚いたのは、チューリップを代表とした花の多さ。チューリップの原産地はオランダではなくてトルコだということを初めて知ったのは富山の砺波市にあるチューリップ四季彩館で、その意外さにかるい驚きを覚えたのだが、それを身をもって実感できるぐらい、展示品の多くにチューリップの柄が描かれてた。しかもその柄も花びらがわかるようになっていて先がとんがった図式のようになっていてすっかりブランドのひとつになっているようだった。トルコにとってチューリップは原産地であるだけではなく、少なくとも王室の生活においてはシンボルとなるぐらい大切なものだったのだね。スレイマン1世が儀式のときに着ていたというカフタン(トルコの民族衣装のひとつ)のチューリップの巨大さと白と赤との見事なコントラストから、彼のお洒落さと権力の誇示ぶりが手に取るように伝わってきた。トルコ、チューリップで、色々と検索をかけてみた。トルコ本国では元々チューリップはラーレと呼ばれていたが、トルコ在住のオーストリアの大使が現地でチューリップをさし何の花か尋ねたところ、現地で通訳の方が誤って花のかたちがターバンに似ている、と答えたのがきっかけだそう。そして、そのチューリップの取引をめぐってバブル事件のようなこともあったそうだ。昨年はオスマン帝国の王室をめぐったドラマもあったそうだし、5月末から第2篇もあるらしい。知っておきたいと思うことが次々と出てきている状態。今までほとんど目を向けることがなかったけれど、トルコ、面白い。