先日になるのだが、上原彩子さんのピアノリサイタルに行ってきた。曲目は
ショパン作曲 24のプレリュード Op.28
休憩
ショパン作曲 プレリュードOp.45 嬰ハ短調
ラフマニノフ作曲 プレリュードOp.23-1 嬰へ短調
ラフマニノフ作曲 プレリュードOp.23-6 変ホ長調
ラフマニノフ作曲 ショパンの主題による変奏曲Op.22 ハ短調
アンコール
ラフマニノフ作曲 プレリュードOp.32-12
ショパン作曲 マズルカOp.63-3
ショパン作曲 小犬のワルツ
ショパンのプレリュードOp.28、第1番、深めの呼吸でゆったりとした出だし。各曲の個性を浮き彫りにしながら演奏されていた。特に印象に残った曲は11番、15番雨だれ、21番、23番だった。15番の雨だれがこんなに深みと含蓄にあふれた曲だったとは!中間部の激しく重々しい部分を聴いて心が震えた。聴きなれた名曲だと思い込んでいたけれど、この曲が、この曲集の中で真ん中に位置する曲であること、そして、ショパンの曲全体の中でも名曲だと採り上げられている根拠が実感できた。21番変ロ長調、半音階のように動くこの曲、和音の響きを丁寧に紡ぎ出し転調部分もじっくりと聴かせこの曲がいかに充実した曲かというのが感じられた。23番ヘ長調、この曲を聴くたびに雨上がりを連想するのだがさらに今回はプラスアルファの何かがたっぷり加わったような気がした。
ラフマニノフのプレリュード2曲は彼女の大切なレパートリーなのかと思った。繊細でとても心に染み入る演奏だった。
そして最後のショパンの主題による変奏曲Op.22。ショパンのプレリュードOp.28の20番を主題にした変奏曲なのだが、あの短くも重厚な20番がここまで変形、拡張、そして妄想の世界へと発展するのかとただただ驚嘆。まるで大河ドラマプレリュード20番を見ているような気持になった。陰影のつき方がラフマニノフならではだなと思えるところも。最後の歓喜にはじけて駆け抜けていったところで一気にこちらの心も弾けた。プレリュード20番をラフマニノフはあのように昇華させたかったのかもしれない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます