新型コロナウイルスの感染症の影響で演奏会ができなくなった音楽家たち、ネットによる配信等様々な方法で音楽を私たちに届けてくれている。そのおかげで私も沢山の音楽を楽しむことが出来ていて感謝している。その一方、今となってはちょっとレトロなのかもしれないCDのかけがえのなさを感じるようになっているこのごろなのだった。
本ブログでは、今の私にとって、かけがえのなさを感じるようになっているCDを紹介したい。
髙橋望氏による、「J.S.バッハ 平均律クラヴィーァ曲集第1巻」。友人の紹介で知った髙橋氏、バッハ作曲のゴールドベルク変奏曲をライフワークにされている。ゴールドベルク変奏曲、長すぎるのもあり今の私にはちょっと近づきがたい印象があるのだが、バッハの音楽は大好き!そんな大好きなバッハのピアノ演奏で定評があるピアニストさんだということで、ラジオを聴いたり講座を受けたりしてみたら、親しみやすさと懐かしさ、そして広がり、挙句の果ては音律、数学、哲学、人生観にまでいたるような深い内容にまで行き届く、しかも時々登場するピアノ演奏がとても美しい、そういうわけですっかり気に入ってしまったのだった。こうなったら演奏を聴くしかない!しかし生演奏は今は聴けない、というわけでこちらのCD購入。
J.S.バッハ 平均律クラヴィーア曲集第一巻 ピアノ 髙橋望氏
なんというのでしょうか、一曲一曲を、そしてピアノという楽器を慈しみ、曲のきらめきを大切に掬い取られているのが演奏全体から伝わってきて、バッハっていいな、音楽っていいなと、理屈抜きで感じることができた。帯に書かれている「色とりどりに響き合う、森羅万象のハーモニー」という言葉をしっかり音で体現していた。曲集の原題、Das Wohltemperierte は 「ほどよく調律、調節された」という意味、その「ほどよく」という世界の心地よさがじんわり感じられて心温まる想いになった。出逢えて、本当に良かった!
CDやご本人についての情報はこちらからお願いします。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます