先日、ステージでバッハのフランス組曲から2曲演奏した。今まで私が出演した本番の中では演奏時間が最も短かったが、奥深く密度の濃い音楽で、ごまかしがきかなそうだった。短いからこそちゃんと弾けて当たり前という気もしてきてどきどき状態だった。
前の方たち、心を込めて演奏されている。ピアノ歴には関係なく、自発的に練習しこのステージに立とうという気概が感じられる。ピアノ仲間の演奏、みずみずしい音色で丁寧に演奏されていて心洗われる。時間制限がなければいいのにね、と思ったりも。 さて私の番、暗譜で弾く本番の前に最も不安なのが暗譜落ちと停止。思ったような演奏はできなくても、せめてそれさえなければ合格点かなと思いながらステージに向かう。
出だし、うん、なんとかまともなすべりだし。でもやっぱり非日常の浮つく感じがぬぐえない。トリル一部ごまかしちゃった。そしてががたがたも。ペダル、濁らなかったか心配。そう思いつつも1曲目弾き通した。2曲目、これこそ超有名曲でだれもが弾けるだろうと思われている曲なのだけど大人になってこの曲に初めて取り組んだ私にとっては難しい曲だった。後半の3小節目が鬼門、なんとかそこも乗り切れたかな。それにしても弾いているうちに体がふわふわと上がっていく感じはなんなのだろう。舞曲だから踊りに合わせて体も浮かせたくなっていたのかもしれないけれど、演奏するのだったら床やペダルに足をつけてしっかり支えないと音がちゃんと出ないのに。。。今後の課題だと思った。
終了。暗譜落ちも停止もなかったけれど、思わぬところでミスをし、こうしたいと思う演奏から程遠い状態だった。反省のひととき。
講評付きのステージだったので講評をいただいた。舞曲というものを把握する、フレーズを大きくとらえる、トリルを最後まで聴く、バランスに気を付ける、いわゆるスタッカートの扱い方など課題が。そして帰宅後こっそり録音した演奏を聴く。あれだけ拍を大切にして走らないようにしたいと思っていたのにしっかり走っていた。体の浮つきと音楽の浮つきと、比例していたかも。。。
とがっかりしたのだけれど、学ぶことが多かった。この組曲、いつか全曲演奏したい。もちろんその前にしっかり練習しないといけないし、自分の実力も大いに棚に上げてはいるのだけれど、組曲でもソナタでも、全曲演奏ができる場が、あるといいなあ。