ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

天空の城ラピユタ

2015-02-01 20:52:24 | 映画のレビュー
ジブリアニメ「天空の城ラピユタ」を始めて見る。 制作年度を見ると、驚くなかれ、今から三十年以上も前の映画である。
そういえば、私が中学生の頃、評判になっていたような記憶もあるな…。

物語はもちろん、面白かったのだが、何といっても圧巻は、空中に島のように浮かぶラピユタの造型! 宇宙樹を思わせる巨大な木の上には、美しい街の廃墟があり、さまざまの植物が生い茂っていると言ったところ――湖面に顔を映すと、水の中には滅びた街が静かに眠っていたりするのだ。 ここを見て、宮崎駿監督の出世作「ルパン三世 カリオストロの城」を思い出した人も多いのでは・・・あれも湖の底深く眠っていた古代ローマの町が水門を開くことによって、出現し、ルパンはヒロイン、クラリスとともに廃墟を歩くのだった。 でも、これは宮崎監督のオリジナルではなく、モーリス・ルブランのアルセーヌ・ルパンシリーズの「緑の目の令嬢」に、そのまんまの設定があるのだ。 そういえば、この「ラピユタ」にしろ、島の下部にある高度な文明の遺産である石が動き出し、飛行石に反応するところ――ディズニーアニメの「アトランティス」にそっくりの場面があったように記憶しているのだけれど…・。


この物語…少年少女の冒険ストーリーとして楽しめるといいたいのだが、心に残って離れないのは、ロボットの存在。見捨てられた空中の城の庭園で、たった一人庭師として働くロボットのことを思うと、何とも言えない気持ちになるのだ。 このロボットが可哀そうで胸をつかれる気分になるので、この映画はもう一度観るかと言われると、ちょっと答えられない。
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