
山行で今まで出会ったことのない植物を見つけると嬉しくなる。山野草好きな人なら“なんだ”という種でも、5-6年前まで殆ど興味がなく知識の薄い私にはたまらなく新鮮。今日の花ラショウモンカズラは名前だけ知っていた。昨年晩秋に登った鼻曲山で似た植物を見つけ調べた。良く似ていたが、花期が春となっており、晩秋に咲いているのは馴染まないとそのままになっていた。鹿俣山の山頂直下の登山道で友人に「この花は?」と聞かれ思い出した。
「ラショウモンカズラ」はシソ科ラショウモンカズラ属の多年草。15-30センチほどに茎を伸ばし、葉の色は薄い緑色でシソに良く似た形。その先に青紫に赤紫っぽい紋様の入った唇形の花を、2-3個ずつ数段つける。花の季節は4-6月。山頂につながる尾根沿いで、大きくないブナ林の少し湿ったところに咲いていた。カズラ(蔓)が着いていることが示すようにツル性だという。花が終わったあとに、地上を這うように枝を伸ばすのだそうだ。
そんなに可愛い花ではないが、名前が変わっていることなどなぜか気にかかる。謡曲「羅生門」の女鬼の腕を切り落としたという逸話。切り落とした鬼の腕に見立てて名がついたという。
平の清盛が主人公のNHKの大河ドラマは視聴率が苦戦しているそうだが、時代は平安時代中期のこと。大江山酒呑童子退治、京都一条戻り端で源氏の名刀「髭切の大刀」で女鬼を退治した逸話などで有名な源氏の武将・渡辺綱(わたなべ の つな)。戻り橋の逸話を謡曲にしたのが「羅生門」だそうだ。
渡辺さんは現在の埼玉県鴻巣市付近の生まれの源氏。攝津源氏に婿入りし、摂津渡辺(現在の大阪市中央区あたり)を拠点とし、渡辺綱(または源次綱)を名のる。渡辺氏の祖だという。以上、ネットによる俄か知識でした。
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