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【草加市】地域手当見直しで人材確保に危機感!財政と人材、どう守る

2025年01月08日 | 市政・議会・活動など

草加市議会12月定例会で、草加市役所における地域手当見直しの影響と、人材確保の観点から、地域手当の水準維持に向けた可能性について市に質問しました。

国家公務員の「地域手当」で対象地域などを変える人事院勧告が昨年8月に出されました。都道府県単位化にくくる大きな見直しとなっています。今回の見直しで草加市は、地域手当が2%も下がる内容となっており、人材確保の課題や人材流出の懸念が生じています。

(1)見直しの内容:草加市は4%に引き下げ

【質問】

  • 国の地域手当の見直しの内容及び草加市役所の影響を伺います。

【答弁】

  • 公務員の給与における地域手当の見直しについては、人事院が令和6年8月8日付けで発出した勧告で示されたところです。内容は、大きく4点です。
  • 1点目:支給割合を設定する地域の単位をこれまでの市町村単位から都道府県単位を基本とするとともに、支給割合の区分を7区分から5区分へ再編する。
  • 2点目:これまで都道府県庁所在地等への通勤者率が高い地域は、地域としての一体性が認められることから補正を行っていたが、支給割合を原則都道府県単位に広域化することを踏まえ、当該補正を廃止する。
  • 3点目:都道府県庁所在地及び人口20万人以上の市が当該地域のみで「賃金構造基本統計調査」により算出した賃金指数が、都道府県の級地区分よりも高い区分となる場合には、都道府県とは別の級地区分を個別に設定する。
  • 4点目:地域手当の支給割合が引き下がる場合、令和7年度から9年度までの間における地域手当の支給割合は、見直し後の支給割合に達するまでの間、現行の支給割合から1年ごとに1ポイントを減じた支給割合とすることとされたものでございます。
  • これらの見直しの結果、人事院勧告に基づいた場合、草加市の地域手当は現在の6%から4%に変更となりますが、段階的見直しにより令和7年度は5%となるものです。

(2)周辺自治体の違い:なぜ周辺自治体が高い割合なのか、具体的な理由は不明

【質問】

  • 埼玉県は4%(5級地)だが、さいたま市や志木市は12%(3級地)、東松山市や坂戸市が8%(4級地)となっている理由について伺います。

【答弁】

  • さいたま市、志木市、東松山市、坂戸市における地域手当の支給割合が埼玉県の4%より高い区分となっている理由についてでございます。詳細な理由は個別に示されていないため不明でございます。

(3)市職員への影響:1%減で平均年5万円の収入減

【質問】

  • 見直しによる市職員への影響をモデルケースで伺います。

【答弁】

  • 人事院勧告に基づき、令和7年度に地域手当が6%から5%となった場合、令和6年4月1日時点における一般会計の正規職員の平均給料月額を基に試算しますと、一人当たり年間で約5万円の減でございます。

(4)市財政の影響:約9230万円の支出減見込み

【質問】

  • 地域手当見直しによる市の財政的な影響を伺います。

【答弁】

  • 令和5年度の一般会計の決算額を基準とし地域手当を6%から5%に引き下げた場合で試算致しますと、その場合の影響額は約9230万円の減となります。

(5)地域手当を維持する可能性:特別交付税の減額措置が廃止されるため、可能になる見込みだが、周辺自治体や市の財政状況などを考慮する必要がある

【質問】

  • 地域手当を現水準に据え置くことは制度的に可能か。またそうした対応の可能性について伺います。

【答弁】

  • 職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定めなければならない「均衡の原則」(地方公務員法第24条第2項)に基づくこととされており、人事院勧告で指定された支給割合とすることが求められています。
  • これまでは、国における指定基準を超えて独自に支給割合を設定している地方公共団体は、特別交付税の減額措置が行われていました。
  • しかし、令和6年9月10日の閣議後記者会見で総務大臣から「人材確保が大変難しくなっている地域があることも踏まえまして、総務省としては、地域手当に関する特別交付税の減額措置については、地域手当制度の見直しに合わせて廃止することにいたしたいと思っている」との発言があったこと等から、特別交付税の減額措置を受けることなく地域手当を据え置くことは可能となる見通しです。
  • ただし、令和6年11月29日付けの総務副大臣通知において、「基本となる支給割合とは異なる支給割合を定める場合にあっては、地域の民間給与の適切な反映という地域手当の趣旨が没却されないような支給割合とすること。また、基本となる支給割合を超えた支給割合を定める場合にあっては、議会及び住民への説明責任を十分果たすこと」とされています。
  • 地域手当は、地方公務員法の規定や国の通知に加え、近隣自治体や市の財政状況、さらには有為な人材の確保等の点を踏まえながら慎重に検討する必要があるものと認識しています。

■今後の課題について

草加市役所は今、国の地域手当見直しによる大きな課題に直面しています。現時点においても、地域手当が高い東京に隣接しているため、毎年、人材流出の課題に直面しています。人材確保の観点から、地域手当の引き下げによる人材流出をどのように防ぎ、新たな人材を確保していくか、そのためには厳しい財政状況のなかで財源をどのように確保するか、そして、見直し検討の前提として、住民への十分な説明や議論が必要です。


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1 コメント

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ストライベック日本海ケーブル (グローバル鉄鋼商社)
2025-01-10 23:44:24
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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