ものすご~く昔
幼児の頃、月に一度くらいだろうか
家の前に「ロバパン」なるものがやってきた。
♪ロバのおじさん キンコロリ~ン…♪
子供のソプラノで歌が流れてくる。
この歌が聞こえたら、いても立ってもいられない。
鼻息も荒く、走って飛び出す。
それは屋台のパン屋さんだ。
ロバに屋台を引かせて売りに来るという大胆な商法に
我々幼児は狂喜乱舞。
家を飛び出したからには
屋台に接近したいのはやまやまだが
そこには大きな難関があった。
「ロバ」と呼ばれる大きな生き物だ。
なにしろやたらデカい。
時々「ブルル…」とかいって体をゆする。
怖くてちびりそうだ。
ロバは怖いが、ロバの持って来るパンは欲しい。
道路の反対側に立ち
買ってこい…と父を遠隔操作。
日本の幼児として、このめくるめくエンターテイメントに
参加しないわけにはいかないのだ。
♪チョコレートパンにあんパンに
なんでもあります キンコロリ~ン♪
歌はそう言うが、ジャムパンと蒸しパンしか無かった。
ずいぶん長い間、あの生き物は「ロバ」だと信じていた。
ロバは、うちに来る時以外は
家でおじさんと一緒にパン作りに精を出し
時々ブレーメンの音楽隊に出ていると
信じ切っていた。
あの生き物が「ウマ」だと知るまでには
それから長い年月を要した。
「ロバパン」じゃなくて「ウマパン」…
ちょっとした衝撃であった。
幼児の頃、月に一度くらいだろうか
家の前に「ロバパン」なるものがやってきた。
♪ロバのおじさん キンコロリ~ン…♪
子供のソプラノで歌が流れてくる。
この歌が聞こえたら、いても立ってもいられない。
鼻息も荒く、走って飛び出す。
それは屋台のパン屋さんだ。
ロバに屋台を引かせて売りに来るという大胆な商法に
我々幼児は狂喜乱舞。
家を飛び出したからには
屋台に接近したいのはやまやまだが
そこには大きな難関があった。
「ロバ」と呼ばれる大きな生き物だ。
なにしろやたらデカい。
時々「ブルル…」とかいって体をゆする。
怖くてちびりそうだ。
ロバは怖いが、ロバの持って来るパンは欲しい。
道路の反対側に立ち
買ってこい…と父を遠隔操作。
日本の幼児として、このめくるめくエンターテイメントに
参加しないわけにはいかないのだ。
♪チョコレートパンにあんパンに
なんでもあります キンコロリ~ン♪
歌はそう言うが、ジャムパンと蒸しパンしか無かった。
ずいぶん長い間、あの生き物は「ロバ」だと信じていた。
ロバは、うちに来る時以外は
家でおじさんと一緒にパン作りに精を出し
時々ブレーメンの音楽隊に出ていると
信じ切っていた。
あの生き物が「ウマ」だと知るまでには
それから長い年月を要した。
「ロバパン」じゃなくて「ウマパン」…
ちょっとした衝撃であった。