「イヤ~~~~!!!」
私は思わず絶叫する。
「あなたはそんな人じゃなかったはずよ!
これだけは絶対に大丈夫と思っていたのに~~!!」
コトのてんまつはこうだ。
先日、夫が両ヒジに包帯をして帰って来た。
病院に行ったらしい。
ヒジの関節と皮膚が腫れて痛むと言い
原因不明だそうである。
その直後、私は両ヒジ不調の原因を発見してしまった。
それは夕食の時、いつになく向かい合わせに座っていて気付いた。
いつになく…というのは
夫婦でゆっくり夕食をとる習慣があまり無いからである。
朝と昼は家で食べるが
あわただしいのでしげしげと見ることはない。
夫は夕食を実家ですませる。
仕事が終わったら実家に直行し
その後、父親とサウナに行くのが日課だ。
我が子を嫁の魔の手から少しでも遠ざけようという親心
妻との接触をできるだけ控えて平和を維持したいという夫心
いろいろあるかもしれないが、楽で良い。
その日は両親が出かけていたので、夫は早く帰って来た。
ふと見ると、夫はテーブルに問題の両ヒジをつき
阿波踊りのような仕草で食べているではないか!
その姿の見苦しいこと。
稼ぎは人の半分でも「おあがり」は倍。
よって固いテーブルの上、両ヒジを支点にして
不必要に重い上半身を支えながら延々と食べていれば
ヒジのほうも、たまったもんではない。
ま、夫のヒジだ。
すり減ろうと腐ろうとかまわない。
しかし、食事のマナーだけは良かった男なのだ。
それなのに…ああ、それなのに…
その仕草は、父親にそっくりなのだ。
…次男が新生児の頃
食事中、この体勢で暴言を吐く義父に
その場で母乳が止まった。
余談だが、母乳が止まる瞬間というのはごくあっけない。
「張ってくる」という感覚の逆…「散っていく」で完全に終了。
あの頃は、私もまだかわいげがあった。
元々出るほうではなかったので、じき終わるとわかっていたが
義父の全面責任にして、ひとり溜飲を下げる。
義父は痩せており、ヒジに支障は起きなかった…
私は、決してマナーにうるさいタチではない。
しかし、これだけは耐えられない。
習ってもいないのに、なぜ親とそっくり同じになるのだ。
呪われた血め!
そして私は、冒頭の叫びを発する。
本当は、うすうす原因がわかっている。
夫の家系は、老眼になるのが早い。
老眼が進むと、目の前の食べ物が見えにくいという。
夫の場合は、ただ遠ければいい…というものでもないらしい。
よって、よりよく見えて食べやすい
目線斜め下の位置へ、茶碗や皿を設定する。
結果として、父親ゆずりの阿波踊りスタイルだ。
身体的都合はあろうが
義父と暮らしている気分になるのは絶対に避けたい。
私は菜箸を用意して、無意識にヒジをついてしまう夫の腕を打つ。
他人が見たら、なんと厳しい…と思うだろう。
フォークや串でないだけマシである。
1週間に渡る訓練で、夫のヒジは全快した。
私は思わず絶叫する。
「あなたはそんな人じゃなかったはずよ!
これだけは絶対に大丈夫と思っていたのに~~!!」
コトのてんまつはこうだ。
先日、夫が両ヒジに包帯をして帰って来た。
病院に行ったらしい。
ヒジの関節と皮膚が腫れて痛むと言い
原因不明だそうである。
その直後、私は両ヒジ不調の原因を発見してしまった。
それは夕食の時、いつになく向かい合わせに座っていて気付いた。
いつになく…というのは
夫婦でゆっくり夕食をとる習慣があまり無いからである。
朝と昼は家で食べるが
あわただしいのでしげしげと見ることはない。
夫は夕食を実家ですませる。
仕事が終わったら実家に直行し
その後、父親とサウナに行くのが日課だ。
我が子を嫁の魔の手から少しでも遠ざけようという親心
妻との接触をできるだけ控えて平和を維持したいという夫心
いろいろあるかもしれないが、楽で良い。
その日は両親が出かけていたので、夫は早く帰って来た。
ふと見ると、夫はテーブルに問題の両ヒジをつき
阿波踊りのような仕草で食べているではないか!
その姿の見苦しいこと。
稼ぎは人の半分でも「おあがり」は倍。
よって固いテーブルの上、両ヒジを支点にして
不必要に重い上半身を支えながら延々と食べていれば
ヒジのほうも、たまったもんではない。
ま、夫のヒジだ。
すり減ろうと腐ろうとかまわない。
しかし、食事のマナーだけは良かった男なのだ。
それなのに…ああ、それなのに…
その仕草は、父親にそっくりなのだ。
…次男が新生児の頃
食事中、この体勢で暴言を吐く義父に
その場で母乳が止まった。
余談だが、母乳が止まる瞬間というのはごくあっけない。
「張ってくる」という感覚の逆…「散っていく」で完全に終了。
あの頃は、私もまだかわいげがあった。
元々出るほうではなかったので、じき終わるとわかっていたが
義父の全面責任にして、ひとり溜飲を下げる。
義父は痩せており、ヒジに支障は起きなかった…
私は、決してマナーにうるさいタチではない。
しかし、これだけは耐えられない。
習ってもいないのに、なぜ親とそっくり同じになるのだ。
呪われた血め!
そして私は、冒頭の叫びを発する。
本当は、うすうす原因がわかっている。
夫の家系は、老眼になるのが早い。
老眼が進むと、目の前の食べ物が見えにくいという。
夫の場合は、ただ遠ければいい…というものでもないらしい。
よって、よりよく見えて食べやすい
目線斜め下の位置へ、茶碗や皿を設定する。
結果として、父親ゆずりの阿波踊りスタイルだ。
身体的都合はあろうが
義父と暮らしている気分になるのは絶対に避けたい。
私は菜箸を用意して、無意識にヒジをついてしまう夫の腕を打つ。
他人が見たら、なんと厳しい…と思うだろう。
フォークや串でないだけマシである。
1週間に渡る訓練で、夫のヒジは全快した。