殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

とほほ②

2008年10月14日 14時33分32秒 | 不倫…戦いの記録
おそれながら…と、申し開きをしたいのはやまやまでしたが

第二次世界大戦中に少年期を過ごした彼らにとって

食べさせないというキーワードはあまりにも強烈でした。


すっかり燃え上がった彼らは

「かわいそうに」

「おなかがすいたら、いつでも来るんだよ」

「お母さんは鬼だ」

と、まるまる太った子供を抱きしめて、口々に泣き叫ぶのでした。


「鬼母」という称号をいただき

その日は妊娠中ということで、執行猶予の上釈放となりました。

一族が皆、非常にエキサイトしやすい性質…

密接な血族関係…

それらは結婚当初から、ユーモラスな印象はありましたが

よもやこのような形で、我が身に降りかかろうとは思いませんでした。


後からおいおいに理解したのは

やはりガテン系極小自営業である家業に由来するところが

大きいということでしょうか。

戦後の混乱期を経て、義父がまだ若いうちに起業した会社は

高度成長の波に乗って、それなりの飛躍を遂げました。


一代で身を興した義父や家族はもちろん

近くに住み、身内ということで、その恩恵にあずかっている親族も

これを必要以上に誇りに思っている様子でした。

この手の職種の人に多く見られる現象にたがわず

彼らもまた、熱く激しいものを持っていました。

その熱は、時として一般常識や既成概念を

はるか彼方に吹き飛ばす力を秘めていました。

そうでなければやっていけない業界でもありました。


そんな彼らがもっとも忌み嫌う状況…それは「なめられること」です。

なめられたらおしまい。

なめられる前に攻撃する。

その家訓が、私にも適用されたわけです。

光栄です。

イヤミですが…。


それからの私は、奮起した…と言いたいところですが

相変わらずたらたら暮らしていました。

すべてが明るみに出て、コソコソする必要のなくなった夫は

堂々とデートに出かけるようになりました。


あの親族裁判で、浮気が父親の公認となったことも拍車をかけました。

義父も、その兄弟たちも、祖父も、女性関係が派手でした。

この時も、義父の愛人のことで義母ともめている最中でした。

痛いところを突かれたくない義父は、息子の恋を男の甲斐性とし

みんなの前で、当面の軍資金を渡しました。


ぼんやりたらたらの私でも、これは腹が立つわけです。

何とかしたくても

どうしたらいいか皆目わからない。

仕方がないので、とりあえず本でも買って読んでみることにしました。


浮気された妻の心構えや、その傾向と対策みたいなものを探しましたが

田舎の本屋さんには、離婚関係のものしかありませんでした。

離婚した人の声を集めた体験本を何冊か買いました。

浮気、暴力、借金…理由はさまざまですが

みなさん離婚して良かったとおっしゃっています。


…大半の人はまず実家へ帰ります。

中でも恵まれた環境の人は、なんやかんや言いながら

すぐパリやニューヨークへ旅立つのです。

留学して、自立のためのスキルを身につけるためだそうです。


「おまえもパリかよ…」

とつぶやいたところで気付きました。

そもそも本を出版できるような人は

コネも才能もあり、生活に困ってないと。

体験談を話す人も、本を書く人の人脈の中に存在するのだから

ある程度以上のランクの人だと。


貧しい妊婦の私は、どうすりゃいいのさ。

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