東京新聞
2013年8月1日 朝刊
東京電力が三十一日発表した二〇一三年四~六月期の連結決算は純損益が四千三百七十九億円の黒字だった。前年同期は二千八百八十三億円の赤字。福島第一原発事故の賠償資金として原子力損害賠償支援機構から約六千六百億円を受け取り、特別利益に計上したため。ただ、円安で火力発電に使う燃料費の負担は増え、経常損益は二百九十四億円の赤字となった。赤字幅は電気料金の値上げやコスト削減で、前年同期の千二百四十二億円から大幅に縮小。売上高は9・8%増の一兆四千三百七十七億円だった。
東京都内の本店で記者会見した広瀬直己社長は「柏崎刈羽原発(新潟県)が動かなければ、目標とする一四年三月期の黒字化は非常に厳しい」とあらためて強調。新潟県の泉田裕彦知事と再び面会し再稼働に理解を求める考えを示した。原発再稼働以外の具体的な収支改善策は示せなかった。
東電は十月に金融機関からの融資八百億円を借り換え、十二月に三千億円を新たに借り入れる予定。広瀬社長は返済能力を示すため一四年三月期の経常損益を黒字にする目標を掲げ、七月に原発再稼働に向けた安全審査を原子力規制委員会に申請する考えだった。
しかし泉田知事は「安全や信頼よりお金を優先している」と東電の姿勢に反発している。広瀬社長はこの日の会見で「知事に早く会って接点を見つけ、申請したい」と話したが、泉田知事は「同じ内容の説明なら受け入れられない」と話しており、再会談のめどは立っていない。
広瀬社長は再稼働が遅れた場合の料金の再値上げについて、この日も「避けたい」と言い続けた。その上で発電所の修繕先送りなど「徹底したコスト削減」を優先する考えも示したが「既にかなりのことをやっている」とも強調。大幅なコスト削減は困難との考えを示した。
2013年8月1日 朝刊
東京電力が三十一日発表した二〇一三年四~六月期の連結決算は純損益が四千三百七十九億円の黒字だった。前年同期は二千八百八十三億円の赤字。福島第一原発事故の賠償資金として原子力損害賠償支援機構から約六千六百億円を受け取り、特別利益に計上したため。ただ、円安で火力発電に使う燃料費の負担は増え、経常損益は二百九十四億円の赤字となった。赤字幅は電気料金の値上げやコスト削減で、前年同期の千二百四十二億円から大幅に縮小。売上高は9・8%増の一兆四千三百七十七億円だった。
東京都内の本店で記者会見した広瀬直己社長は「柏崎刈羽原発(新潟県)が動かなければ、目標とする一四年三月期の黒字化は非常に厳しい」とあらためて強調。新潟県の泉田裕彦知事と再び面会し再稼働に理解を求める考えを示した。原発再稼働以外の具体的な収支改善策は示せなかった。
東電は十月に金融機関からの融資八百億円を借り換え、十二月に三千億円を新たに借り入れる予定。広瀬社長は返済能力を示すため一四年三月期の経常損益を黒字にする目標を掲げ、七月に原発再稼働に向けた安全審査を原子力規制委員会に申請する考えだった。
しかし泉田知事は「安全や信頼よりお金を優先している」と東電の姿勢に反発している。広瀬社長はこの日の会見で「知事に早く会って接点を見つけ、申請したい」と話したが、泉田知事は「同じ内容の説明なら受け入れられない」と話しており、再会談のめどは立っていない。
広瀬社長は再稼働が遅れた場合の料金の再値上げについて、この日も「避けたい」と言い続けた。その上で発電所の修繕先送りなど「徹底したコスト削減」を優先する考えも示したが「既にかなりのことをやっている」とも強調。大幅なコスト削減は困難との考えを示した。